ライブドアが証券取引法違反容疑で地検の捜索を受けたという記事。
問題となっているのは、ライブドアの関連会社でマザーズ上場の「ライブドアマーケティング」が04年10月に「マネーライフ社」を株式交換で子会社化したと公表した件です。
ライブドアマーケティングのサイトよりマネーライフ社完全子会社化のプレスリリース(PDFファイル)
これを読むと、マネーライフ社の株主は「VLMA2 号投資事業組合 (100%)」(記事によればライブドアが出資して実質支配していたファンド)であると書いてあります。ウソを公表していたわけではなさそうですが、VLMA2 号投資事業組合とライブドアとの関係を隠していたのが問題(のひとつ)となっているようです。
仲間内で会社を移動させていただけなのに、さも重要なM&Aが成立したかのようにみせかけていたということなのでしょう。ライブドアマーケティングはライブドアの関連会社であり、ライブドアの実質子会社的なファンドとライブドアマーケティングの関係は、関連当事者に該当するはずですが、その点の開示がなされていなかったのでしょう。あるいは、ファンドやSPCを絡ませれば、その先は無関係という解釈なのでしょうか。いずれにしても、現在、企業会計基準委員会や会計士協会で検討中の関連当事者取引を考える際の検討材料となりそうです。
その他、ライブドアマーケティング自体の四半期業績が虚偽だった疑いもあるようです。四半期のレビューも中間監査並みにやれということにならなければいいのですが・・・。
以上、ライブドアマーケティングの開示を考えてみましたが、ライブドア自体の決算はどうなのでしょうか。ライブドアが支配しているファンドから関連会社への株式の売却については、連結内の取引ですから、それによって利益が出ていた場合には、連結上消去しなければなりません。これをもしファンドの利益だとしてライブドアの損益に取り込んでいたとしたら、大いに問題です。マネーライフ社の株主名を公表している以上、そんな手抜かりはないと思いますが・・・。
最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事