NECの孫会社「ネッツエスアイ東洋」(東証一部上場「NECネッツエスアイ」の子会社)の従業員が過去数年間で15億円を着服していた可能性があるという記事。
「問題の従業員は平成17年7月ごろから小切手の二重振出しと不正な裏書きをして、会社の経費を着服。これをネット競馬などのギャンブルに使っていたという。銀行残高証明書を偽造し、不正仕訳を行うなどして、内部統制システムをくぐりぬけて発覚を免れていたという。
NECネッツエスアイとネッツエスアイ東洋の両社がコンプライアンス活動を進めるなかで、不明な売掛金があることが発覚し、弁護士とともに調べを進めて昨年12月に概要がわかったという。」
現預金の出納業務のところで起きた不正だとすれば、上場会社の子会社としてはややお粗末といえるかもしれませんが、もう少し手口を知りたいところです。
「親会社のNECも今期決算には影響がないもようだとする一方で、グループの内部統制のさらなる強化を図っていくとしている。」
NECにとっては重要性のない不正なのかもしれませんが、同じく上場会社であるNECネッツエスアイにとってはどうなのでしょうか。
当社連結子会社従業員による不正行為について(日本電気)
当社連結子会社従業員による不正行為について(NECネッツエスアイ)(PDFファイル)
「各年度における被害額を確定し、該当する各年度において相当額の営業外損失を計上する予定」とのなので、過年度訂正を行うのでしょう。
今後については、調査委員会で詳しく調べるそうです。
「・・・社外監査役である梅澤治為氏(弁護士)をトップとする調査委員会を立ち上げ、引き続き、年度/ 四半期ごとの被害額の確定や不正を許した背景の明確化など事件の徹底的解明と再発防止に向けた提言など、一層のコンプライアンスの強化に取組んでいく考えであります。」
「ネッツエスアイ東洋は、平成17 年5 月に東洋通信機株式会社の一部事業を分離してできた会社(設立当時は、東洋ネットワークシステムズ株式会社。平成19 年7 月にネッツエスアイ東洋に社名変更)で、平成17 年6 月に当社の子会社となりました。紙幣読取識別装置などのマネーハンドリング事業、および光伝送装置などのネットワークシステム事業を柱とした事業を展開しています。」
元親会社による監督がなくなる一方で、新しい親会社による監督が不十分だったのかもしれません。
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