酒井重工業が、売り上げを前倒しで計上し、水増ししていたとして2003年3月期から5年分の決算を訂正すると発表したという記事。
平成18 年(2006 年)3 月期以前の不適切な早期売上計上処理に関する過年度業績の訂正予定について(PDFファイル)
日経新聞では下期に計上すべき売上を上期に計上していたとありましたが、会社のプレスリリースによると、通期の決算でも若干の差異が生じています(最大で2005年3月期の158百万円)。しかし、たしかに売上の大きな差異が出ているのは中間期であり、2004年9月中間期に約647百万円(中間期の売り上げの約9%)差額が出ており、中間の純利益は訂正前黒字だったものが訂正後は赤字に転落しています。
「翌会計期間に計上すべき確定受注案件について、客先との所有権移転行為の実現無しに、工場組立完了製品を工場在庫等のまま、前倒しで早期売上計上する」というありがちな不正ですが、「会計監査人の監査を逃れるために、この早期売上計上に伴う一連の関係書類の一部を改ざんするという不正行為が行われていました」というのは見逃せません。
この不正の発覚が、匿名通報をきっかけとしているのも注目されます。3月決算会社の中間決算の時期を前にタイミングのいい不正発覚かもしれません。
しかし、監査人が中間監査で不正を看過したことについて、来年導入の四半期レビューを監査並みに厳しくやるべきだという的はずれな議論に結びつかないことを希望します。
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