マスク氏の新たな敵はデラウェア州、報酬無効判断で-テスラ移転示唆
テスラのイーロン・マスクCEOへの巨額報酬をデラウェア州の裁判所が認めなかったことで、法人登記を別の州に移すとテスラ氏が言っているという記事。
「米電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は総額550億ドル(約8兆1200億円)の報酬プランは無効との判断をデラウェア州の裁判所が下した直後、ソーシャルメディア、X(旧ツイッター)で不満をぶちまけた。「決してデラウェア州で法人登記を行ってはならない」。」
「デラウェア州ではフォーチュン500企業のほぼ7割が法人登記を行っている。法人設立費用は2022年、同州に20億ドル超の収入をもたらしており、同州の年間予算の約4分の1を占める。マスク氏はここにきてデラウェア州のいわば主要産業に攻撃の矛先を向けている。
ペンシルバニア大学のジル・フィッシュ教授(会社法・訴訟)は「マスク氏がデラウェア州を好まないのは、同州で自分の行動に関する責任を追及され、それに慣れていないからだ」と指摘。「デラウェア州の裁判所は、支配株主の行動が常軌を逸した場合、積極的に規制することで知られている」と述べた。」
「マスク氏は30日、Xのユーザーを対象に、テスラが法人登録地を従来のデラウェア州からテキサス州に変更すべきかどうか投票を実施した。マスク氏は2021年、業務上のテスラ本社をテキサス州に移した。投票開始後数分が経過した時点で、6万7000票の約9割がテキサス州への変更を支持した。」
登記する州を選ぶことで、会社法と裁判所も選ぶことができるというのはおもしろい。
もっとも、日本は、会社法はひとつでも、機関設計のパターンの選択肢はかなり広いといえますが...。裁判所も、報酬が巨額だからといって、手続きを踏んで承認されたものを、否認する例はあまりなさそうです(かわりに税務署が文句を言う)。
(ジェトロ「米国における事業進出マニュアル- 会社設立 -」より)
テスラ関連記事。
イーロン・マスク氏、テスラの一部取締役と共に違法薬物使用-報道(ブルームバーグ)