日経新聞で、東証1部上場の第一中央汽船の経営破たんが報じられました。
「海運中堅で東証1部上場の第一中央汽船は、民事再生法の適用を申請することで最終調整に入った。29日にも東京地裁に申し立てる見通し。石炭や鉄鉱石を運ぶ事業を主力としているが、運賃低迷で経営状態が悪化。中国景気の減速を受けて自力再建を断念した。法的枠組みのもとで経営再建をめざす。負債総額は簿外も含めると2000億円を超える可能性がある。」
会社からはまだ何も発表はない模様です(29日10時現在)。
「簿外」の負債とは穏やかではありませんが、傭船契約の債務でしょうか。スカイマークの破たんのときと同様に、オペレーティング・リースの会計が問題になりそうです。
同社の前期の有報をみると、ゴーイングコンサーンの注記がついており、注意喚起が行われていました。
「継続企業の前提に関する事項に記載されているとおり、会社は、前連結会計年度に続き、当連結会計年度においても営業損失及び経常損失が継続、借入約定における財務制限条項に抵触し、短期借入金を含む資金繰りに懸念が生じるおそれがある。その結果、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。」(2015年3月期有報の監査報告書(監査人はトーマツ)より)
「・・・当社グループの船隊の期末現在での平均用船契約残存期間は約6年ですが、売上原価の約5割を占める用船料は市況対比割高なため、前連結会計年度に続き、当連結会計年度におきましても131億90百万円の営業損失、139億66百万円の経常損失となり、訴訟損失引当金戻入額57億63百万円を計上したものの33億7百万円の当期純損失となりました。また、営業活動によるキャッシュ・フローにつきましても48億21百万円のマイナスとなりました。
当社グループはこの市況対比割高なコストの用船契約の解約や保有船舶の売却等による適正な船隊規模への縮小を進めつつも、現在の外航海運市況の低迷が今後も続き、経営改善策が順調に進まなければ営業損失並びに経常損失が継続し、また、当社グループに係る設備借入金(当連結会計年度末残高247億80百万円)について、借入約定における財務制限条項に抵触し、その結果短期借入金を含む資金繰りにも懸念が生じるおそれがあります。
そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。」(2015年3月期有報注記より)
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