東京商工リサーチによる「不適切な会計・経理を開示した上場企業」調査のレポート。2015年度(2015年4月‐2016年3月)の開示を調べています。
「2015年度に「不適切な会計・経理」を開示した上場企業は58社(58件)だった。2007年4月に調査を開始以来、2014年度の42件を抜いて過去最多を記録した。2013年度から3年連続で増加している。」
不適切会計の中身は...
「不適切会計の内容(動機)は、「利益水増し」や「費用支払いの先送り」、「代理店への押込み販売」や「損失隠し」など、業績や営業ノルマ達成を目的とした事実上の『粉飾』が22社(構成比37.9%)で最多だった。
次いで、経理ミスなどの『誤り』が20社(同34.4%)、会社資金の『着服』が14社(同24.1%)と続く。
子会社が当事者のケースでは、親会社向けに業績や予算達成を偽装した不適切会計が多い。また、役員らが関与した「役員への不正な利益供与」や「元従業員による会社資金の着服横領」などコンプライアンス意識の欠落した事例もあった。不適切会計の動機は、多様化している。」
半分弱は子会社・関係会社における不正です。
「発生当事者別では、「子会社・関係会社」が26社(構成比44.8%)で、前年度16社から10社増加した。子会社による売上原価の過小計上や在庫操作、さらには支払い費用の先送りなど、利益捻出を目的とした不正経理、子会社従業員による架空取引や着服横領なども少なくない。
監査の目が行き届きにくい子会社・関係会社で、コンプライアンスが徹底されにくいケースが露呈したといえる。」
東芝の例に見られるように、新興市場の企業というより、大手企業に多かったそうです。
「市場別では2013年度までは業歴が浅く財務基盤が比較的弱いマザーズ、ジャスダックなどの新興市場が目立ったが、2015年度は国内外に子会社や関連会社を多く抱える東証1部、2部の大手企業に不適切会計が多くみられた。大手企業の子会社で従業員による着服横領や、業績達成のため架空売上・損失隠ぺいなどが目立った。」
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