freeeとマネーフォワードの特許裁判を取り上げた記事。クラウド会計ソフトの自動仕訳機能が対象になっているそうです。
「自動仕訳機能とは、インターネットバンキングの取引履歴や、クレジットカードの使用履歴といった、インターネットからデータの形で取り込める情報をソフトに読み込ませると、最適な勘定科目を選んで仕訳までしてくれる機能をいう。」
「この機能をfreeeは2013年3月から搭載しており、同技術の特許もほぼ同時に申請し、2014年3月に特許登録されている。この特許にマネーフォワードのソフトは抵触しているというのがfreee側の主張だ。それに対し、マネーフォワード側はまったく別のロジックで自動仕訳をしているので、特許には抵触していないと反論している。
「freeeの自動仕訳機能は、キーワードと勘定科目をひも付ける対応テーブルと、キーワードを参照する順番を定めた優先ルールの2段構えで最適な勘定科目を決定するが、マネーフォワードは、対応テーブルも優先ルールも使っておらず、これまで蓄積してきた2000万件以上の取引データと仕訳データの組み合わせを、機械学習させることで生成したアルゴリズムで勘定科目を決定している。仕組みの違いは一目瞭然」(マネーフォワード)だという。
ちなみに弥生はPCインスト-ル型では2007年12月から自動仕訳機能を搭載しているが、クラウドではfreeeの特許成立から4カ月後の2014年7月から。それでも現時点ではfreeeの訴訟対象にはなっていない。」
内閣の知的財産戦略本部で、知財訴訟の運用ルールを緩和する方向性(具体的には文書提出命令のハードル引き下げ)を示しており、この係争が先行事例になるのではないかという見方があるそうです。
記事の最後の方では、クラウド会計ソフトの普及状況にもふれています。
フィンテック特許訴訟「自動仕訳 技術異なる」 (日経)(記事冒頭のみ)
2社以外の動きにもふれています。
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FinTechの波は老舗業務ソフトメーカーにも新興クラウド会計とは異なる価値を追求(週刊BCN)
「TKCのFinTechサービスは大きく分けて二種類ある。一つは同社の会計ソフトを使っている一般企業向けのサービスで、さまざまな金融機関から取引データを自動受信するとともに、仕訳ルールの学習機能も備え、仕訳入力業務を効率化する。データアグリゲーションサービスを提供するマネーツリーと共同開発したもので、freeeやマネーフォワードがクラウド会計ソフトをリリースした当初から看板機能として前面に押し出してきた、取引データの自動取り込み、自動仕訳(※その特許を侵害したとしてfreeeがマネーフォワードを提訴している)に近いものといえそうだ。しかし、TKCの角一幸社長は、「会計と税務の専門家が提供するサービスとして、データを絶対にダブらせない、漏らさない、正しい仕訳にするという機能の質にこだわったし、最終的な勘定科目の決定については、自動化を促進しつつも、人間の目でしっかり確認するプロセスを入れている。常に税法上の“正しい会計”に誘導する仕組みにしているのが、新興ベンダーとの大きな差異化ポイントだ」と話す。機能のクオリティで明確に自社のサービスがすぐれている自負があるということのようだ。 」
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