見直し必要なIPO監査 セントリス・コーポレートアドバイザリー代表取締役 谷間真氏
IPO支援の専門家(会計士)にIPO監査の問題点について聞いた記事。
IPOに備えて早い期に監査契約を締結しても、無駄になることが多いという点を問題にしているようです。
「当初IPOを目指そうと思ったタイミングでのNー2期の監査証明が、実際にIPOで使用される可能性は著しく低い。
...この限りなく低い可能性に対して、監査契約を締結し、限られたスタートアップの資金と監査法人のリソースを投下する必要はない。」
改善策は...
「監査法人はIPOを目指す企業の遡及監査を可能とする要件をショートレビューにおいて整理し、全体のレビューや必要な監査手続のみを行うアドバイザリー契約を締結することで、工数は半分以下となるはずだ。
直前期の半期終了時点や審査開始の半年前など基準となる時期を明確にして、アドバイザリー契約から監査契約に移行するオプションを提供すればよい。」
このあたりの実務はよく知らないのでなんともいえませんが、遡及できる監査手続きとできない監査手続きを整理する必要がありそうですし、また、アドバイザリー業務の独立性規則への抵触を防ぐ処置も必要でしょう。記事によれば、会計士協会が出しているガイドブックでも、「アドバイザリー契約と遡及監査の可能性について言及している」とのことです。
(上場を目指すような企業であれば、仮にIPO目的では無駄になったとしても、会計監査ぐらいは受けてほしいとは思いますが..。)