財務省から平成23年度税制改正(案)のポイントというパンフレットが公表されています。
法人課税については、以下のように要約されており、それぞれについて、さらに簡単な説明がなされています。
・我が国企業の国際競争力の向上や我が国の立地環境の改善等を図り、国内の投資拡大や雇用創出を促進するため、国税と地方税を合わせた法人実効税率を5%引き下げます[40.69%⇒35.64%〕。このため、法人税率を30%から25.5%へ4.5%引き下げます。
・中小法人に対する軽減税率を18%から15%へ3%引き下げます。
・法人実効税率の引下げと併せ、財源確保のための課税ベースの拡大として、特別償却や準備金制度等の租税特別措置の廃止・縮減のほか、減価償却速度の見直しや大法人に係る欠損金の繰越控除の一部制限等を行います。
・雇用や投資を促進するため、雇用を一定以上増加させた企業に対する税額控除制度(雇用促進税制)、先進的な低炭素・省エネ設備を取得した場合の特別償却・税額控除制度、国際的に競争優位性を持ち得る大都市を対象とする国際戦略総合特別区域内における特別償却・税額控除及び所得控除制度、グローバル企業のアジア地域統括拠点や研究開発拠点を呼び込むための所得控除制度を創設します。
「減価償却資産の償却率の見直し(案)」の項目では、すでに明らかになっているとおり「定率法の償却率について、定額法の償却率(1/耐用年数)を2.0倍(現行:2.5倍)した数とします。」とまとめられています。
また、その注で経過措置についてふれています。
「平成23年4月1日以後に取得をする減価償却資産について適用します。ただし、同日をまたぐ事業年度において、同日からその事業年度終了の日までの期間内に減価償却資産の取得をした場合には、現行の償却率による定率法による償却を可能とする等の経過措置を講じます。」
つまり、3月決算以外の会社では、2011年4月1日を含む年度において、4月1日から年度末までに取得する資産の償却方法を、250%定率法と200%定率法の2つから選択できるということになります。(細かいことをいうと取得と償却開始は時期が同じでない場合があるのですが・・・)
年度の途中で新規取得資産の償却率が変わるというのも面倒であり、また、250%定率法の方が通常は有利なので、250%のままという会社が多いような気もしますが、よくわかりません。
ただし、先日公表されたJICPAの監査上の取扱い(案)では、この経過措置にはふれていなかったようですので、会計上の償却方法の選択に関しては、再確認した方がよいでしょう。
もちろん、会計上の減価償却を税務と離れて行っている場合には、原則主義でやればよいので、いちいち気にする必要はありません。会計は会計の理屈どおりに、税務は会社にとっても最も有利になるように、選択するということです。
減価償却方法の改正に係る留意点!?(税務研究会)
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