フィンテック推進の法律改正に対して反対論があることについては、当サイトでもロイターの記事を取り上げましたが、この記事ではその背景をやや詳しく解説しています。
「今回の銀行法改正の内容を大まかに言えば、次のとおりだ。銀行に対して銀行機能に関するAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を準備することを求める。一方で、銀行APIに接続するスタートアップ企業は、「電子決済等代行業者」として登録制を導入するといったものだ。電子決済等代行業者に対しては一定の基準の下、銀行は事実上のAPI提供義務を負うことになる。
APIとは、自社の情報システムの使い方をルールとしてまとめ、外部企業が利用できるようにする仕組みのこと。代表格が「Google Maps API」だ。同APIを利用すれば、米グーグルの高度な地図機能を、外部の企業がWebサイトなどに簡単に組み込める。
銀行がAPIで提供できる機能は複数ある。口座の残高照会や利用明細照会、振替、振込などが代表例だ。こうした機能を、スタートアップ企業やネット企業が手掛けるオンラインサービスやアプリに組み込めるようになれば、利便性の高いサービスが次々と実現できるはず。Google Mapsを導入することで、グルメサイトなどが飛躍的に使いやすくなったのと同じ効果を見込んでいるわけだ。FinTechの盛り上がりと共に、「銀行はAPIを準備・公開すべし」との機運は世界的に高まっている。」
登録制は過剰規制だという反対論があったそうですが、業界団体であるFinTech協会が法案賛成の緊急声明を出すなどして、了承されたのだそうです。
しかし、API公開がすんなり進むかどうかはわからないようです。
「金融審議会がまとめた報告書では、銀行によるAPI公開はあくまで努力義務。金融庁とFinTech協会で交わされたとみられる“全銀行へのAPI公開義務付けという約束”が、どこまで法案や政省令などで明文化されるかは不透明だ。
たとえ明文化されたとしても、各行の判断で部分的な公開にとどまる余地が十分に残る。」
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