会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

資産管理会社のカネボウ、解散を決議・6月30日付で

NIKKEI NET:企業 ニュース

カネボウが28日、定時株主総会を開き、6月30日付で解散することを決めたという記事。

会社解散について(4月27日)

当社の会計監査人について(4月26日)

カネボウは会計監査人が今年4月にトーマツから霞が関監査法人に交代しています。報道によれば、カネボウを抜け殻会社にするというスキームにかかわる会計処理でもめたようです。株式会社が解散すれば会計監査人は自動的に解任されるので、霞ヶ関監査法人は6月30日でクビになり、その後は会社は監査人を気にすることなく、やりたい放題ができるということになります。

カネボウ2007年3月期財務諸表(PDFファイル)

これをみると、長期貸付金425億円にはほとんど引当がなされていないようです(会計方針では清算を仮定した処分価額で評価といっています)。霞が関監査法人はどのような監査意見を出したのでしょうか。ちなみに2006年9月中間期では366億円の引当金を積んでおり、監査意見は意見不表明です。

昨年10月から今年3月までの間に状況ががよほどよくならない限り、300億円の引当金が不要になるということは、考えられません。中間決算と本決算のいずれかがおかしい決算だと推測せざるを得ません。

カネボウ粉飾事件はまだ終わっていないといえます。
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