日本公認会計士協会は、2022年7月 25 日の第 56 回日本公認会計士協会定期総会において承認された決議事項の概要を公表しました。
プレスリリースでは、4項目を挙げています。倫理規則改正が最も重要でしょう。
Ⅰ 監査基準委員会の所掌事項の見直しに係る会則の一部変更
「会則に規定されている品質管理基準委員会(会則第 55 条)の所掌事項を監査基準委員会に移管の上、品質管理基準委員会を廃止するとともに、監査基準委員会の名称を「監査・保証基準委員会」に変更することとしました。」
Ⅱ 倫理規則の一部変更
(倫理規則改正に関する当サイト記事をご覧ください。)
Ⅲ 会費減額制度の段階的変更に係る会費規則の一部変更
「会費減額制度は、公平な会費負担の特例として政策的に導入されたものであることから、期限を決めた取扱いとし、廃止することとしました。ただし、激変緩和のため、段階的に廃止します。」
Ⅳ 新たな法定監査の導入に伴う会費規則の一部変更案
総会には、岸田総理が出席したそうです。
日本公認会計士協会定期総会(首相官邸)(動画あり)
総理挨拶より。
「足元、新型コロナの感染が拡大しています。引き続き、最大限の警戒を保ちつつ、社会経済活動の回復に向けた取組を段階的に進めてまいります。
さらに、新型コロナに加え、ロシアによるウクライナ侵略や、世界的なエネルギー・食料品の高騰など、予断を許さない状況が続いています。
政府としては、G7を始めとする国際社会と共に対応すると同時に、国内においても、景気・物価の状況に応じ、機動的な経済財政運営を行ってまいります。
その上で、新しい資本主義のコンセプトの下、官民連携して、気候変動や格差といった社会課題を成長のエンジンにして、持続可能な経済をつくってまいります。
その一環として、政府は、企業の情報開示について、人材育成方針、男女別賃金、女性管理職比率などの人的資本・多様性に関する情報や、近年とりわけ投資家の注目を集めている気候変動対応などのサステナビリティに関する情報を有価証券報告書の記載事項として位置付け、来年度から開示を義務付けることとしています。その具体的な内容については、現在、金融庁において検討しており、本年秋頃には、お示ししていきたいと考えております。
その中で、公認会計士の皆様に対しては、そうした非財務情報の信頼性確保に一層の役割を担っていただくことになります。」
「来年度から」ということは、2024年3月期からということでしょうか。また、これによれば、開示内容は、秋頃には固まるようです。
「男女別賃金」記載、今秋に指針 来年度から有価証券報告書に―岸田首相(時事)
「岸田文雄首相は25日、東京都内で開かれた日本公認会計士協会の定期総会であいさつし、有価証券報告書に男女間の賃金格差など非財務情報の記載を義務付ける制度を、来年度から導入する方針を示した。具体的な記載内容などの指針を「本年秋ごろに示したい」と語った。」
非財務情報の記載義務対象 岸田首相「22年秋ごろ提示」(日経)(記事前半のみ)
「岸田文雄首相は25日、企業に有価証券報告書への記載を義務付ける非財務情報の対象について、具体的な内容を2022年秋ごろに示すと表明した。日本公認会計士協会が都内で開いた会合で語った。」
【総理の動き】
— 首相官邸 (@kantei) July 25, 2022
本日(7月25日)、岸田総理は、都内で開催された日本公認会計士協会の定期総会に出席しました。#新しい資本主義#分配戦略 #人への投資#成長戦略 #気候変動問題
▼総理の挨拶全文はこちらhttps://t.co/L2P1IPRMNM