5月9日開催の日本公認会計士協会の倫理委員会の議事要旨・会議資料です。
この資料によると、協会では「倫理宣言」というのを出す予定だそうです。その案について、議論がなされています。委員コメント・協会回答より。
「○ 前文について、前回の倫理委員会の資料では「健全な経済社会の維持と発展」とされていたが、今回は「国民経済の健全な発展」という記載になっている。「維持」という言葉について、SDGsの観点を踏まえると今後の重要な課題なのではないか。
また、「職責」について、前回の倫理委員会の資料では、「公認会計士が、(中略)その職責を果たすために実践すべき職業倫理の規範として、倫理規則を定める」とされていたが、今回は「監査及び会計に関する職業的専門家としての職責を果たすために遵守すべき倫理の規範として、倫理規則を定めます」と絞られた記載になっている。今後、非財務情報等に対する業務が重要視されてくることが想定されるため、その点について補足することを検討しないのか。
(ご意見への対応)
「国民経済の健全な発展」という文言については、公認会計士法第1条の使命を引用し、「監査及び会計に関する職業的専門家としての職責」については公認会計士法第2条の職責を基として、公正かつ誠実に任務を果たすことを意図している。新しい課題については、個別具体的な内容を補足することはせず、一つの文節の中に簡潔に考えをまとめている旨を回答した。」
「国民経済の健全な発展」という文言が入るようですが、会員の中には、海外で活動している人もいるでしょうし、国内でも、外国企業や外国人をクライアントにしている事務所もあるでしょう。「国民経済」では「日本のため」という内向きの意識が強すぎるように思われます。元の案の方がよいのでは。(といっても、すでに原案で固まって、役員会にかけられたようですが)
(倫理宣言の案自体は、今回の公表資料には含まれていません。)
そのほか、品質マネジメント基準(ISQM1、ISQM2、ISA220)の改訂で、業務チームの定義変更がなされ、それが倫理規則にも影響するようです。グループ監査の際の独立性の確認に微妙な影響がありそうです。
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