中古車大手ネクステージの社長辞任 保険契約の不正めぐり体制刷新(記事前半のみ)
ネクステージ(東証プライム)の社長が辞任したという記事。
「社員が自動車保険の契約を「捏造(ねつぞう)」していたことなどの不正を今月、公表していたことに絡んで、経営体制を刷新することにした。」
「同社は、浜脇氏の辞任を受理した理由について「当社がこれまで行ってきた対策が十分なものであったとは言えず、より踏み込んだ対策が必要であると認識した」「(不正が)発生する要因や環境そのものを排除する必要があると痛感し、新たな体制で経営をしていくべきだと判断した」としている。また、社員の評価制度も見直し、「すべてのインセンティブを廃止する」という。」
不正行為の全貌や、経営陣の責任が全て明らかになったわけではない今の時点で、辞めるというのは、潔いのかもしれませんが、少し無責任な印象も受けます。
代表取締役の異動に関するお知らせ(9月11日)(PDFファイル)
「昨今指摘がなされておりますように、当社においても過去に不適切と評価される事象は存在しております(詳細につきましては、当社IRサイトに掲載しております、2023 年9月 1 日付の「報道機関様からのご質問状につきまして」に記載しております)。当社としましては、把握した事象について適正な対応を行い、再発防止に努めてまいりました。あわせて、それらの事象を隠蔽等することなく、関係各所に正しく報告してまいりました。
しかしながら、近時の社会情勢に鑑みますと、当社がこれまで行ってきた対策が十分なものであったとはいえず、より踏み込んだ対策が必要であると認識するに至っており、発生する要因や環境そのものを排除する必要があると痛感いたしました。
営業会社としてインセンティブは存在いたしますが、どれだけ仕組みを構築し、プロセスを重視した評価体制を用いたとしても、結果としてのインセンティブを優先してしまう考えを、すべての従業員から完全に取り去ることは実現できておりませんでした。これまでの至らぬ点を真摯に反省し、この度、すべてのインセンティブの廃止とともに、新たな経営体制のもと、経営をしていくべきだと判断し、今回の届出を受理することといたしました。なお、同氏は当社グループ各社のすべての役職から離れる予定です。」
不正に関して、経営陣に直接の責任はないが、従業員へのインセンティブに問題があったということなのでしょうか。
辞任発表をはさんで行われた前社長へのインタビューの記事。
不正報道で揺れる「ネクステージ社長」が激白
営業の会社を180度変えるために私は辞任する(東洋経済)
ノルマとKPIの違いについて述べている箇所。
「当社は、販売や買い取り、保険契約などに関してノルマを設けていない。一方、KPI(重要業績評価指標)として設定しており、昇格基準の1つの目安にしていた。プロセスを管理することで不正が起きにくいと考えていた。しかし、率は少なくても不適切な事案が一定程度発生している。
ノルマでないからいい、KPIだからいいではなく、もっと根本の仕組みを変えないと問題は起きる。ならば、インセンティブを廃止することによって、営業会社の体質を転換する。」
「契約数、獲得数字だけを張り出して、気合いと根性でやれ、というのはノルマだ。しかし、なぜやるのか、どのようにやるか、プロセスまでブレークダウンしてKPIとするのはノルマとは異なると考えている。例えば、顧客に正しく説明をしているか、といった個々のプロセスを定めて、そのためのトレーニングもしている。」
ビッグモーター元副社長との接点は否定しています。
「私がハナテンとビッグモーターを退任したのは2015年12月のそれぞれの株主総会だ。その株主総会で(ビッグモーターの組織風土を変えたと言われている)兼重宏一(元副社長)氏がビッグモーターの取締役になった。彼は2012年にビッグモーターに入社しており、私は2005年から2015年までハナテンで勤務していた(ビッグモーター取締役も兼務)ため交流はない。話をしたのも2015年12月の(ビッグモーターの)株主総会のときだけだ。」
こちらのリリースをみると、会社の強硬姿勢もうかがわれます。
株 主 の 皆 様 へ(PDFファイル)
「現在、多くの株主様から一連の経過についてご質問を頂戴しており、一部の株主様からは 1,000 億円以上時価総額が下がっていることに対し、株主様自ら報道機関及び元従業員への訴訟提起を考えている旨のご意見を頂戴しております。
当社におきましても、2023 年 9 月 8 日付のリリース『当社に対する報道等につきまして』においてお伝えしましたとおり、今後然るべき法的措置を検討しております。
当社が公表済みの事案について、時期や件数を考慮せずにその一部を切り取り、又は、それらの原因に当社の組織性、とりわけ当社の役職員に株式会社ビッグモーター様での勤務歴がある者がいることをとらえて、同社と同じ企業風土であるかのように断定的な報道をした報道機関や、事実と異なる報道に協力した個人らを対象としております。」