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RIZAP、一転赤字に 今期70億円M&A凍結 「負ののれん」使えず(日経より)

RIZAP、一転赤字に 今期70億円M&A凍結 「負ののれん」使えず(記事冒頭のみ)

RIZAPの2019年3月期の連結最終損益(国際会計基準)が70億円の赤字予想だという記事。

負ののれんを使った会計マジックのつけが回ってきたようです。

「RIZAPはM&Aに特に積極的な新興企業として知られてきた。11月時点の連結子会社は85社に達する。グループ従業員は約7000人にまで膨らんだ。2、3年かけて黒字化するとしてきたものの、現実には再建が思うようにいかない子会社も多い。年間で不採算事業の整理などに伴う損失155億円の計上を迫られる。」

「路線変更は、RIZAPの利益に大きく貢献してきた会計処理が今後は使えなくなることも意味する。この会計処理とは、割安な買収の際に発生する「負ののれん」だ。

負ののれんとは買収額が買収先の純資産を下回った場合、その差額を買収したタイミングで利益として一括計上するもの。企業を割高に買収した際に発生する「のれん」とは逆だ。経営不振の赤字企業を中心に買収してきたRIZAPでは、18年3月期の営業利益(135億円)のうち、6割以上を負ののれんが占めた。

瀬戸社長によると負ののれんは「2年ほど前から業績予想に織り込んでいた」。19年3月期も、買収が実現していないにもかかわらず、期初の利益予想にあらかじめ織り込んでいた。M&Aの凍結でこれが消え、総額100億円を超える利益が押し下げられる。」

買収した会社でたまたま負ののれんが発生したというのならわかりますが、買収も決まっていないのに、負ののれんの利益を業績予想に織り込むというのは異常でしょう。好意的に見れば、割安な会社を次々と買収し、鍛え上げて、儲かるようにするという戦略だったのかもしれませんが、まったくうまくいっていないようです。

少し前から、ライザップの負ののれんは話題になっていました。

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その2

IRリリース(RIZAPグループ)(←四半期報告書などもこちらから)

今期から監査人が太陽監査法人に変更されています。初年度なので厳しく見たのでしょうか。
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