三菱UFJが企業の在庫を一時的に買い取る(企業はその後その在庫を買い戻す)というサービスを提供するという記事。
「三菱UFJ銀行は企業の在庫を一時的に買い取り、財務負担を軽減するサービスを始める。企業は必要なときに、あらかじめ決められた条件で在庫を買い戻す。企業にとっては在庫を長期間抱え続ける必要がなくなり、資金を効率的に使えるようになる。国内の在庫の規模は120兆円前後とされ、新たな資金調達手段として注目されそうだ。」
「新会社を使った取引が監査法人などに認められれば、企業は資産から在庫を切り離すことができ、財務負担を抑えながら在庫を確保できるようになる。」
記事を読む限りでは、会計上は、在庫を担保にした借入という扱いでしょうから、在庫をオフバランスすることなどできないでしょう。少し違うのは、サプライヤーから企業が在庫を仕入れする前に、銀行子会社が買い取る(サプライヤー→銀行子会社→企業、という商流)という点でしょうが、銀行子会社が、在庫に関するリスクを負い、現物も管理下に置くというのではなさそうです(たぶん企業の倉庫に直送される)。また、これは、監査法人が個々の取引ごとに、認める認めないを判断するという話ではなく、ASBJや会計士協会などが、事前に会計基準に照らして統一的な見解を示すことが必要でしょう(大々的にこのスキームの取引を行うのであれば)。消費税の対象になるのかどうかも気になります。
半導体など在庫買い取り 資金繰り支援 三菱UFJ銀行(FNN)(動画あり)
「部品の供給網の混乱が続く中、企業にとっては在庫を過剰に抱え続ける必要がなくなり、その分、資金を効率的に使えるようになることが期待される。」
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