スイスの金融大手クレディ・スイス・グループが、遅れていた年次報告書を公表し、その中で、2021年12月期と22年12月期の財務報告の内部管理に「重大な弱点」があったと発表したという記事。(会計用語であれば、訳語は「内部管理」ではなく「内部統制」の方がよさそうです。)
「「最高経営責任者(CEO)と最高財務責任者(CFO)は22年末時点でグループの情報開示の管理と手順は有効ではなかったと結論づけた」としている。具体的には経営陣が財務諸表における「リスク評価手順の設計と維持をしなかった」点が問題とした。22年度の財務諸表の監査を担当したプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、内部管理の有効性について反対意見を表明した。」
「同グループは9日、米証券取引委員会(SEC)から問い合わせを受けて年次報告書の発表を「短期間」遅らせると明らかにしていた。SECから8日に、19年度、20年度のキャッシュフロー計算書の修正などに関する「技術的な評価」に関する連絡があったという。」
クレディ・スイス、財務報告の内部管理で「重大な弱点」(ブルームバーグ)
「同行は14日公表した年次報告書で、2021、22両年の「グループの財務報告に関する内部コントロールが有効でなかった」と説明。「これに伴い情報開示の管理と手順も有効ではなかったとの結論に至った」という。特定された重大な弱点は財務報告書における効果的なリスク評価の設計と保全の不備に関連したものだとしている。
また、「22年12月31日に終了した会計年度の財務諸表を監査」したプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は「22年12月31日時点の財務報告に関するグループの内部管理の有効性に反対意見を表明した」という。しかしながら、21、22両年の財務諸表は財務状況を「正しく示している」と同行は説明した。」
同社年次報告書はこちらから。
https://www.credit-suisse.com/about-us/en/reports-research/annual-reports.html
監査報告書は411ページからです。
監査報告書の最後の部分。これだけではどういう不備なのかはよくわかりませんが...
「内部管理」と訳されているところは、「 内部統制システム an internal control system 」です。「リスク」は、「財務諸表における重要な虚偽表示のリスク」です。