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ソフトバンクGが10兆円ファンド設立、IT分野の成長後押しへ(ロイターより)

ソフトバンクGが10兆円ファンド設立、IT分野の成長後押しへ

ソフトバンクグループが、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の初回出資が完了したと発表したという記事。

「総額は930億ドル超(約10兆4000億円)となり、今後6カ月間で1000億ドルまで引き上げる。」

「ファンドには同社のほか、サウジアラビア王国とアラブ首長国連邦アブダビ首長国の政府系ファンド、米アップル(AAPL.O)、米通信用半導体大手クアルコム(QCOM.O)、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業(2317.TW)、シャープ(6753.T)などが出資する。今後1億ドル(約111億円)を超える投資は原則ファンドを通じて行う。」

「ソフトバンクグループは出資予定の280億ドル(約3.1兆円)のうち、約82億ドル(約9134億円)は保有する英半導体設計ARM株式の約24.99%を現物出資する。ARMは株式移管後もソフトバンクグループの連結子会社で変わらない。」

「ファンドはソフトバンクグループの連結対象となる見込み。」

10兆円ファンドで3兆円しか出資しないのに連結対象になるというのは、出資が少なくても、ソフトバンクが支配できるようなしくみになっているのでしょう(ファンドの法的形態がどのようなものなのかわからないのでどういうしくみなのかわかりませんが)。他の出資者による7兆円の出資が、ソフトバンクの純資産に計上されるとしたら、ソフトバンクの巨額の債務もかすんで見えることでしょう。

また、ARM株式の現物出資は、連結グループ内の取引なので、損益は生じないのでしょう。「ファンドの出資者がARMから特別の商業的便益を享受することはない」そうですが、その意味がよくわかりません。現物出資したら、ファンドの資産となって、ファンド出資者全体に利益をもたらすべき財産になるようにも思われるのですが...。

ソフトバンク・ビジョン・ファンド、初回クロージングを完了(ソフトバンクグループ)(PDFファイル)

いくつかの法律事務所のほか、PwCがアドバイザーに加わっているようです。

ソフトバンク10兆円ファンド 世界ハイテク地図揺らす(日経)
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