IPOラッシュの中で市場にゆがみ
業績予想の修正をめぐるゲーム会社gumiの混乱をきっかけに、IPOバブルへの懸念が生じているという記事。
「新規上場した12月に決まった公募・売り出し価格は3300円。わずか3カ月前の9月から2.4倍となった。主幹事を務めたのは野村証券で、投資家からは高すぎるとの声が相次いだが、リスクなどを勘案して公募価格を低めに設定する「IPOディスカウント」は実施されなかった。
「(gumiの)9月と12月の経営状況はそれほど変わらないはずで、公募価格を一気に3倍弱に上げてしまったことは問題だった」と、ベンチャー企業向けコンサルティングなどを手掛けるジャパンベンチャーリサーチ(JVR、東京都渋谷区)代表取締役の北村彰氏は値決めの妥当性に首をかしげる。」
すなおに予想を下方修正するのはまだましで、粉飾に走る企業も一部出てくるのでは。
未公開企業もあぶないようです。
「いま、市場では「次のgumi」を心配する声が広がっている。「アベノミクス」による低金利、株高で、緩和マネーが利益を求めてベンチャー企業に流入しており、「実績を伴わない企業にも資金が入り込んでいる」(市場関係者)からだ。
投資マネーが集まっているのは、新規公開株だけではない。JVRがまとめた2014年の未公開ベンチャー企業の資金調達は6年ぶりに1000億円を超え、1社当たりの調達額(中央値)も2013年の4000万円から7250万円へと大型化が進んだ。有望と目される企業に、実はIPO前から資金が殺到している。
ベンチャー企業への投資も手掛ける大手ネット企業の幹部は「最近は目を疑うような事業計画を持ってくる経営者もいる。いくら資金調達環境がいいからといって、甘く見すぎているのではないか」と指摘する。投資バブルが企業経営者の自覚を弱め、裏付けの乏しい収益計画を誘発しているとの見方だ。
市場関係者によると、未公開企業への投資ブームの中で、比較的動きの遅い銀行系VCも、流れに乗り遅れまいと資金提供に前のめりになっているという。さらに、メディアやキャリア、ゲームなどの事業会社による投資も活発だ。
JVRによると、2014年の事業会社による投資額は352億円と、2013年の179億円から倍増。事業会社は対象企業の中長期のビジネスシナジーを重視、VCほどを投資時の適正価格を考慮しない傾向にあるため、それが投資バブルに拍車をかけているとの見方もある。」
事業会社の監査人も要注意でしょう(本体の経営を揺るがすような規模の投資の例は多くないかもしれませんが)。
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