休眠会社を清掃会社に、決算書も偽造 みなと銀の元行員、融資金詐欺「伊丹支店ならハンコが軽い」
みなと銀行が融資金をだまし取られた事件の裁判で不正の手口が明らかになってきたという記事。
事件当時、銀行本部で勤務していた32歳の人物がかかわっていたそうです。
「起訴状などによると、元行員は幼なじみやその知人ら3人と共謀して2020年5月~21年9月、清掃会社や衛生用品販売会社に対する融資の名目で、同行の伊丹支店から約1億2千万円を、尼崎統括部から約3500万円を詐取したとされる。」
「元行員は勤務する銀行から融資を引き出そうと、まず、長期にわたって営業していない「休眠会社」を知人から得た。社名を変更して清掃会社とし、幼なじみの元同僚という雇った男を社長に据えた。さらに好調な経営状態に見せかけた決算報告書を自ら作成。その上で、伊丹支店で融資を担当する後輩の男性行員に「1社、紹介を受けました」とメールを送ったという。
紹介されたのは、法人登記があるだけで営業実態がない会社だったが、銀行本部の先輩である元行員から直接の連絡を受けたこの行員は社長らと面談。偽造された書類を見せられた際には「きれいな決算ですね」と称賛すらしたという。
後の捜査で、この行員が自ら追加融資を提案したことや、清掃会社側から接待を受けていたことも判明。元行員は「伊丹支店なら決裁のはんこが軽い」などと周囲に話していたという。」
専門家のコメント。
「銀行経営に詳しい東洋大学の野崎浩成教授(金融論)は「過度に決算書を信じず、実際の業務や取引状況を目で確認すべきだった」と強調する。」
「近年は新型コロナウイルスの影響で経営が悪化し、今回の事件のように乗っ取られた会社がある。反社会的勢力が特殊詐欺事件で得た犯罪収益を、このようなペーパー会社の売り上げに計上し、資金洗浄(マネーロンダリング)をする手口もみられるという。」
先輩行員から紹介された会社なら、信用してしまうでしょう。もちろん、専門家のいうとおり、会社の事業所に実際に出向いて、目で確認することは大事なのでしょう。