日本公認会計士協会は、リサーチ・センター審理情報〔№25〕「監査報告書の日付に係る監査上の留意点について」を、2008年4月4日付で公表しました。
先月改正された「監査報告書作成に関する実務指針」では、金融商品取引法監査(年度の財務諸表監査)における監査報告書日付が定時株主総会以後でなくてもよくなりました。このことを受けて、監査報告書日後に発生した会社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす会計事象(監査報告書日後なのであえて「後発事象」という用語を使っていない?)の取扱いについて、留意点を示しています。
監査報告書日の制限がなくなったことで、(財務諸表の表示チェック、後発事象の検討を含む)現場作業の終了(=監査報告書の日付)→ 審査など監査事務所内の承認手続(後発事象の検討を含む実施すべき手続がすべて実施されたかどうかの確認)→ 監査報告書のクライアントへの交付→ 監査報告書付き財務諸表のクライアントから当局への提出、という教科書どおりの流れになります(従来はこの一連の手続を株主総会日当日にすべてやっていた?)。
ただ、そうすると、監査報告書日から有価証券報告書提出日までに「会社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす会計事象」が発生し、会社が会計数値や注記を修正する場合には、監査の対象とした財務諸表と当局に提出される財務諸表に食い違いが生じてしまいます。今回の審理情報では、そのような場合には、あらためて検証を行ったうえで、「新たに監査報告書を発行することになる」としています。
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