バーチャルオンリー株主総会が可能になるような法案が今の通常国会に提出されたとのことです。
「開会中の第204回通常国会に、バーチャルオンリー株主総会を可能とする特例や監査報告書への押印廃止などを盛り込んだデジタル改革関連の法案が提出された。バーチャルオンリー株主総会開催の障壁となっていた会社法上の「場所」指定の定めなどに対応する。」
公布後即日施行で今年の6月には開催が可能になるそうです。
法案や法案の説明資料がないか調べてみましたが、見当たりませんでした。監査報告書については、以下の法律案がありました。
デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案(衆議院)
「(公認会計士法の一部改正)
第八条 公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)の一部を次のように改正する。
第二十五条に次の一項を加える。
3 公認会計士は、前項の規定による証明書による証明に代えて、内閣府令で定めるところにより、当該証明に係る会社その他の者の承諾を得て、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)により同項に規定する事項を併せて明示することにより当該証明をすることができる。この場合においては、同項の規定は、適用しない。
第二十八条の四第三項中「(電子情報処理組織を使用する方法であつて内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)」を削る。
第三十四条の十の四に次の一項を加える。
7 無限責任監査法人は、第四項の規定による書面による通知に代えて、内閣府令で定めるところにより、被監査会社等の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該無限責任監査法人は、当該書面による通知をしたものとみなす。
第三十四条の十二第二項中「自署し、かつ、自己の印を押さなければ」を「署名しなければ」に改め、同条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 監査法人は、前項の規定による証明書による証明に代えて、内閣府令で定めるところにより、当該証明に係る会社その他の者の承諾を得て、電磁的方法であつて同項の規定による措置に代わる措置を講ずるものとして内閣府令で定めるものにより当該証明をすることができる。この場合においては、同項の規定は、適用しない。」
法案やその参考資料がミスだらけだったようです。
誤字・欠落…政府提出法案にミス続く「前代未聞の緩み」(朝日)
「特に菅義偉首相肝いりのデジタル庁創設を含むデジタル改革関連法案では、法案の参考資料である要綱や参照条文などに誤字や表記ミスなど、計45カ所も誤りが見つかった。参照条文の数字や、「地縁」を「地緑」と間違えるなどした。2月9日の提出直後の12日に気づいたというが、国会への報告は審議入りした3月9日になった。」
詳しくは週刊経営財務3月22日号をご覧ください。
それにしても、6月に普通の株主総会(せいぜい数百人から数千人規模でしょう)が開催できないような状況だと、世界中から数万人の選手・関係者を集め(海外観客は断念)、国内の観客が数百万人見込まれる7月のオリンピック開催は、無理なのでは。
(補足)
コメントで教えていただきましたが、バーチャル株主総会は、「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」で規定されているようです。
「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」が閣議決定されました(経済産業省)
「十二 場所の定めのない株主総会等の活用
上場会社は、株主総会(種類株主総会を含む。以下同じ。)を場所の定めのない株主総会(種類株主総会にあっては、場所の定めのない種類株主総会。以下同じ。)とすることが株主の利益に配慮しつつ産業競争力を強化することに資する場合として経済産業省令・法務省令で定める要件に該当することについて、経済産業省令・法務省令で定めるところにより、経済産業大臣及び法務大臣の確認を受けた場合には、株主総会を場所の定めのない株主総会とすることができる旨を定款で定めることができるものとすること。」(法律案要綱より)
今年の総会は無理なのでは。
議案名:産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案(衆議院)
コメント一覧

kaikeinews

とおりすがり
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
〈衝撃の経営危機〉脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の全取締役が解任。給与は連続で遅配、SNSでは「ふざけんなよ!」(文春オンラインより)
農林中金の奥理事長が辞任へ、外債投資による多額損失で-関係者(ブルームバーグより)

「補助金等の会計処理及び開示に関する研究報告」(公開草案)の公表(日本公認会計士協会)
コロナ補助金で急拡大! 都心超一等地ビルに移転したコンサル会社の「計算違い」(現代ビジネスより)
株主代表訴訟に関するお知らせ(前代表取締役に対し損害賠償を請求する株主代表訴訟を提起)(電気興業)

「受託業務に係る内部統制の保証報告書の発行状況に関する研究文書」の公表について(日本公認会計士協会)
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事