経済産業省は、「人的資本経営の実現に向けた検討会報告書~ 人材版伊藤レポート2.0~」を、2022年5月13日に公表しました。
2020年9月に「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~ 人材版伊藤レポート ~」という報告書(伊藤教授によれば、「コーポレートガバナンス・コード」の改訂にも反映されているそうです)が公表されています。
その後、そこで示された内容を深掘りするため、「人的資本経営の実現に向けた検討会」が設置され、議論が重ねられたそうです。
「人材版伊藤レポートはパラダイム変化を迫るための問題提起をした。しかし、問題を受け止めただけでは、人材価値は高まらないし、企業価値も高まらない。多くのセミナーで参加者から、具体策について質問を多く受けた。「具体策は自分たちでどうぞ考え抜いてください」と言い放つのはもちろん可能であるが、皆さんの人事改革に何とか着手したいという問題意識と真摯さに突き動かされるように、私たちは再び 2021 年7月に「人的資本経営の実現に向けた検討会」を立ち上げ、より議論を深め、皆さんを実践的にガイドするようなアイディアや施策や視点を提示することにした。それとともに、先進的な取り組みをしている企業の事例集も盛り込もうということになった。それが「人材版伊藤レポート 2.0」として結実した。」(3ページ)
全部で80ページほどの報告書です。「エグゼクティブサマリー」も含まれています(12~22ページ)。「人材版伊藤レポート」のポイントも示されています(6~9ページ)。
1.経営戦略と人材戦略を連動させるための取組
2.「As is - To be ギャップ」の定量把握のための取組
3.企業文化への定着のための取組
4.動的な人材ポートフォリオ計画の策定と運用
5.知・経験のダイバーシティ&インクルージョンのための取組
6.リスキル・学び直しのための取組
7.社員エンゲージメントを高めるための取組
8.時間や場所にとらわれない働き方を進めるための取組
といった構成になっています。
「実践事例集」(「人的資本経営を実践している事例を挙げ、その概要と取組のポイントを紹介したもの」)(80ページほどの資料)と、「人的資本経営に関する調査 集計結果」もあわせて公表されています。
2020年の「人材版伊藤レポート」では、「人材戦略に求められる3つの視点・5つの共通要素」にまとめられているようです。
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