日興コーディアルグループが、有価証券報告書の虚偽記載に複数の担当社員がかかわり、不正な利益計上に組織的に関与したことを認める方針を固めたという記事。
この記事によると、デリバティブが組み込まれた社債をSPCが日興の連結子会社に対して発行した際の手続の不備を隠していたという点に焦点が当たっているようですが、もちろんそれは(重要ですが)問題の一部分にすぎません。
機会があれば、きちんと整理したいと思いますが、問題点は3つのレベルで考える必要があります。
1.連結の範囲の問題(連結子会社→SPC→ベルシステム、という保有関係のどこまでを連結するか)。監視委員会は、SPCの連結を求めているが、ベルシステムを連結から除外する根拠はあるのか。
2.仮にSPCやベルシステムを連結から外した場合に、問題の社債の会計処理やベルシステム株をSPCから連結子会社に譲渡した際の会計処理はどうすればよかったのか(デリバティブの手続に不備がなかったと想定)。利益をいつ計上すべきなのか、そもそも利益を計上してよいのか。
3.デリバティブが組み込まれた問題の社債発行の手続の不備(あるいは意図的な契約日のバックデート)により、結果として支配下にあるSPCから日興の連結グループへの贈与が行われ、それを正当な利益であるかのように損益計算書に計上したことの問題点
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