【テセウスの船考察】テセウスの船を総括するとして投稿した動画を
第1~3回まで紹介したところで、一度まとめてみたいと思います。
第1~3回まで紹介したところで、一度まとめてみたいと思います。
まずは(1)「テセウスの船」とは私達に何を問い、何を示したのか?
としてアップした第一回動画では
(動画リンクは画像をクリック)
テセウスの神話から船が登場する物語を紹介し、
テセウスの船のパラドックスについて説明をした。
そこから、この物語を考えていくにあたって、二つの答えがあるとした。
ひとつが、ストーリから見えるものである、
「田村心と佐野心は同じだといえるのか?」
そして、もう一つが、
「パラドックスに対する作品の答えとは?」
ストーリーが問う問題としては、具体的に題材が与えられ、
ストーリーが問う問題としては、具体的に題材が与えられ、
その向こうに、パラドックス全体に対する答えがあるはずとした。
この二つの答えを出す事こそが、この物語の総括である。
さらに、そこから答えを導き出すことによって
原作やドラマにおいて語られることのなかった、
「田村心が生きた世界においての真実」
という、最大のミステリーを解き明かすことができるはず。
そこに向かっていくために、
(2)3つのタイムスリップ「この世界に時の川は幾つ流れたか?」
として、第二回ではこの物語を形成するにあたって軸となった
タイムスリップとは何だったのか?を
「ヘラクレイトスの川」を紹介し考えた。
(動画リンクは画像をクリック)
まずは、この作品におけるタイムスリップはどの様なものだったか?
行われたタイムスリップは全部で3つ。
①田村心の世界から、過去の平成元年に向かった
②移動した平成元年から、2017年(ドラマでは令和2年)への移動
③再び、平成元年へ
タイムスリップの種類として、代表的な2つをあげた。
(1)肉体的変化を伴う移動→縦のタイムスリップ
(2)新たな軸が形成される移動→横のタイムスリップ
では、この作品のタイムスリップはどちらであったのか?
①③において、同一時間に田村心ともう一人の心(和子のお腹の中)が
存在する事から、このタイムスリップは横のタイムスリップであるとした。
また、ヘラクレイトスの考えである「同じ川に入る事が出来ない」に対し
「同じ川」を「同じ時間軸」と捉え場合に、「新しい水が流れている」
とされる事から「新たな時間が流れる」と考え
タイムスリップを起点に新たな軸が生まれたとも考えた。
そして、この新たな軸と言う意味が後に重要となる事になる。
②においては、もう一人の心を確認する事が出来ないと同時に、
移動した心に変化が見られない事から異質なものとした。
いずれにせよ、この②の移動は、①で移動した平成元年の延長である事から、
この世界において時間の軸は全部で3つ存在したとした。
そして、第3回において
(3)タイムスリップと神隠しの関係「運命だった田村心の最後」
として、異質とした②の移動と心は元の世界に戻ることは出来なかったのか?
を考える事となった。
(動画リンクは画像をクリック)
②の移動が異質であるとした理由が、
元々の田村心からすれば、違う時間軸への移動であるが
過去の平成元年を起点に考えれば同じ時間軸の移動でもある事。
では一体どちらの移動なのか?それが確定できない。
この移動に関して、最も当てはまるものは
「歴史がかわった2017年(ドラマ令和2年)において、この軸に存在する
田村心と移動してきた田村心が入れ替わった」となる。
これは時間の変化ではなく、空間の変化であると考えられる。
「田村心がいなくなった(世間的に知られていない)世界に移動した」という
パラレルへの移動であると考えられる。
この作品で行われた移動は時間移動(タイムスリップ)だけではなく、
空間移動(パラレル)とあわせて2つ行われていると言う事。
それが示すのは、この2つは移動の手段(形態)であり
大きな枠で言う「移動」とはタイムスリップではない別なものである事。
そこで出てくるのが、音臼村の言い伝え「稲荷の神隠し」となる。
現世から黄泉の国への移動である神隠しにおいて、心が黄泉の国へ
導かれるまでに起きた変化(移動)がタイムリップやパラレルだった。
(詳しくは動画を参照ください)
黄泉の国へ向かう田村心は死ぬことが運命であった。
その他に、「同じ川に入る事が出来ない」という、ヘラクレトスの川や
新たな軸の誕生とともに、それまでの軸が消滅していると考えられること。
それらによって、「心は元の世界に戻ることは出来なかったのか?」
疑問の答えは「できなかった」となった。
移動した時間や空間の全てにおいて、元々の田村心が存在しない世界であり、
その世界で生きていく事も出来なかった。
それが黄泉の国への入り口と言う事なのか?
それは同様に、過去に戻ったと思われる「大人みきお」に関しても言える事。
ただ、みきおに関しては神隠しにあったのではなく
「そもそもパラレルの住民なので・・・」と言う事。
第4回は、これらの移動が(田村心の死まで)いったい何だったのか?
それと合わせ登場人物は何を象徴していたのか?について迫ります。