解析!ストーリーチャンネルblog

様々なストーリを解析していくチャンネルブログ。
ドラマ・漫画・小説・歴史など考察含めチャンネル動画を紹介します。

【テセウスの船考察】テセウスの船を総括する 第一回~3回をまとめて

2020年10月27日 04時31分29秒 | テセウスの船
【テセウスの船考察】テセウスの船を総括するとして投稿した動画を
第1~3回まで紹介したところで、一度まとめてみたいと思います。

まずは1)「テセウスの船」とは私達に何を問い、何を示したのか?
としてアップした第一回動画では
(動画リンクは画像をクリック)
テセウスの神話から船が登場する物語を紹介し、
テセウスの船のパラドックスについて説明をした。
そこから、この物語を考えていくにあたって、二つの答えがあるとした。
ひとつが、ストーリから見えるものである、
「田村心と佐野心は同じだといえるのか?」
そして、もう一つが、
「パラドックスに対する作品の答えとは?」
ストーリーが問う問題としては、具体的に題材が与えられ、
その向こうに、パラドックス全体に対する答えがあるはずとした。
この二つの答えを出す事こそが、この物語の総括である。

さらに、そこから答えを導き出すことによって
原作やドラマにおいて語られることのなかった、
「田村心が生きた世界においての真実」
という、最大のミステリーを解き明かすことができるはず。

そこに向かっていくために、
(2)3つのタイムスリップ「この世界に時の川は幾つ流れたか?」
として、第二回ではこの物語を形成するにあたって軸となった
タイムスリップとは何だったのか?を
「ヘラクレイトスの川」を紹介し考えた。
(動画リンクは画像をクリック)
まずは、この作品におけるタイムスリップはどの様なものだったか?
行われたタイムスリップは全部で3つ。
①田村心の世界から、過去の平成元年に向かった
②移動した平成元年から、2017年(ドラマでは令和2年)への移動
③再び、平成元年へ

タイムスリップの種類として、代表的な2つをあげた。
(1)肉体的変化を伴う移動→縦のタイムスリップ
(2)新たな軸が形成される移動→横のタイムスリップ
では、この作品のタイムスリップはどちらであったのか?

①③において、同一時間に田村心ともう一人の心(和子のお腹の中)が
存在する事から、このタイムスリップは横のタイムスリップであるとした。
また、ヘラクレイトスの考えである「同じ川に入る事が出来ない」に対し
「同じ川」を「同じ時間軸」と捉え場合に、「新しい水が流れている」
とされる事から「新たな時間が流れる」と考え
タイムスリップを起点に新たな軸が生まれたとも考えた。
そして、この新たな軸と言う意味が後に重要となる事になる。

②においては、もう一人の心を確認する事が出来ないと同時に、
移動した心に変化が見られない事から異質なものとした。
いずれにせよ、この②の移動は、①で移動した平成元年の延長である事から、
この世界において時間の軸は全部で3つ存在したとした。

そして、第3回において
(3)タイムスリップと神隠しの関係「運命だった田村心の最後」
として、異質とした②の移動心は元の世界に戻ることは出来なかったのか?
を考える事となった。
(動画リンクは画像をクリック)
②の移動が異質であるとした理由が、
元々の田村心からすれば、違う時間軸への移動であるが
過去の平成元年を起点に考えれば同じ時間軸の移動でもある事。
では一体どちらの移動なのか?それが確定できない。

この移動に関して、最も当てはまるものは
「歴史がかわった2017年(ドラマ令和2年)において、この軸に存在する
 田村心と移動してきた田村心が入れ替わった」となる。
これは時間の変化ではなく、空間の変化であると考えられる。
「田村心がいなくなった(世間的に知られていない)世界に移動した」という
パラレルへの移動であると考えられる。

この作品で行われた移動は時間移動(タイムスリップ)だけではなく、
空間移動(パラレル)とあわせて2つ行われていると言う事。
それが示すのは、この2つは移動の手段(形態)であり
大きな枠で言う「移動」とはタイムスリップではない別なものである事。

そこで出てくるのが、音臼村の言い伝え「稲荷の神隠し」となる。
現世から黄泉の国への移動である神隠しにおいて、心が黄泉の国へ
導かれるまでに起きた変化(移動)がタイムリップやパラレルだった。
詳しくは動画を参照ください

黄泉の国へ向かう田村心は死ぬことが運命であった。
その他に、「同じ川に入る事が出来ない」という、ヘラクレトスの川や
新たな軸の誕生とともに、それまでの軸が消滅していると考えられること。
それらによって、「心は元の世界に戻ることは出来なかったのか?」
疑問の答えは「できなかった」となった。

移動した時間や空間の全てにおいて、元々の田村心が存在しない世界であり、
その世界で生きていく事も出来なかった。
それが黄泉の国への入り口と言う事なのか?
それは同様に、過去に戻ったと思われる「大人みきお」に関しても言える事。
ただ、みきおに関しては神隠しにあったのではなく
そもそもパラレルの住民なので・・・」と言う事。

第4回は、これらの移動が(田村心の死まで)いったい何だったのか?
それと合わせ登場人物は何を象徴していたのか?について迫ります。

【テセウスの船考察】テセウスの船を総括する 第三回(3)タイムスリップと神隠しの関係「運命だった田村心の最後」

2020年09月21日 14時48分47秒 | テセウスの船


【テセウスの船考察】テセウスの船を総括する
(3)タイムスリップと神隠しの関係「運命だった田村心の最後」 
としてアップした動画。 
前回は哲学者ヘラクレイトスが説いた「ヘラクレイトスの川」の
パラドックスを参考に、タイムスリップについて考えた。

代表的なタイムスリップの形が大きく2つ。
同一時間軸を移動する(肉体的変化→やり直す)タイムスリップと、
異なる時間軸を移動する(肉体的変化なし→同一人物が存在する)
があるとした中で、この作品におけるものは
異なる時間軸の移動であるとした。
そして、存在する時間の軸は3つだとした。

しかし、その中で二度目の元年から2017年(ドラマでは令和2年)に移動した
タイムスリップに関しては区別することができなかった。
原点である現代(2017年)から考えると異なる軸であり、
二度目の元年から考えれば、その延長であり同一の軸となる。
では、この世界はいったい何だったのか?をまずは考えていく。
そして、その移動にはどんな意味があったのか?

時間移動をした二人(心とみきお)はともに命を落とす事となるが、
そこに理由があったのだろうか?
「心は現代に帰る事が出来なかったのだろうか?」を考え、
そこに音臼村の言い伝えである「神隠し」を重ねる。
そこから二人(心とみきお)の死は運命であったと結ぶ。

言い伝えである神隠しとは何だったのだろうか?

動画リンク
最初の画像をクリックしてもページに飛びます

【テセウスの船考察】テセウスの船を総括する 第二回(2)3つのタイムスリップ「この世界に時の川は幾つ流れたか?」

2020年09月13日 22時25分39秒 | テセウスの船

【テセウスの船考察】テセウスの船を総括する
(2)3つのタイムスリップ「この世界に時の川は幾つ流れたか?」
としてアップした動画。

物語が進むテセウスのパラドックスに対し、
見出すパラドックスの答えとは何か?
に向かって進んでいくこの動画の第二回は、
「テセウスの船」におけるタイムスリップとは何だったのか、
として考察を始めた。

それを考えていくにあたり、
哲学者ヘラクレイトスが説いた
ヘラクレイトスの川」のパラドックスを参考に進む。

「ヘラクレイトスの川」とは、「テセウスの船」のパラドックスと
類似するパラドックス。
「対立と調和」を唯一変化しない万物の根源とする中で、
万物は流転し、自然界は絶えず変化していると考え
同じ川に二度はいることは出来ない
 人々が同じ川に入っても、常に違う水が流れている」とした。

ヘラクレイトスの考えが、この物語と深くつながっているのでは?
ととらえ、タイムスリップの考え方を探る。
そして、タイムスリップによる3つの平成元年を経由した時間は
いったい同一であるのか?という問題にも進む。

この物語にはいったい幾つの時間の川が流れていたのだろうか?

動画リンク
最初の画像をクリックしてもページに飛びます

【テセウスの船考察】テセウスの船を総括する 第一回(1)「テセウスの船」とは私達に何を問い、何を示したのか?

2020年09月04日 13時32分56秒 | テセウスの船

日曜劇場にて放送された「テセウスの船」
原作は東元俊哉によるモーニング連載の漫画。
物語は、殺人犯の息子が時を超え事件の真相に迫っていくもの。

動画は【テセウスの船考察】テセウスの船を総括する
第一回(1)「テセウスの船」とは私達に何を問い、何を示したのか?
としてアップした。

物語のテーマとなる「テセウスの船」のパラドックス。
物語は何を問い何を示したのか?
それを探りながら総括していく。

第1回はそれに対する問題定義となった。
テセウスの神話や登場する主要人物
同様のパラドックスであるヘラクレイトスの川や、
その思想家ヘラクレイトスに、神隠しの由来
寿命と生命など
物語と重ねていく事で答えを探して行く。
その中で、作品に残された謎なども・・・

全ては一面からだけではわからないものである。

動画リンク
最初の画像をクリックしてもページに飛びます