「おじさん!教えて頂けませんか?」
さやが父親に対して言葉が丁寧になると、本当に知りたい桜の話しだとピンと来るものだ。
「フランスには、桜はあるのかしら?」
そんな静かな勉強熱心な姿に桜の話しは、より学術的に話してくれるのだ。
「さやちゃん、桜とは何かな?」
「桜?バラ科モモ亜科スモモ属、サクラ属って事?」
「さやちゃんにとって桃やスモモは、桜かな?」
「うーん。入れてない。桃は桃、スモモはスモモかな。うん。桜はどう?」
「私もサクラ属を桜と認識しているわ!桃の花を見て、桜だわ!なんて言わないし。」
「では、二人共スモモ属ではなく、サクラ属の中だけを桜だと考えているわけだ。」
「スモモ属とサクラ属は、何が違うの?」
「植物分類学では、階層分類法を使っているのは、もう理解しているようだね。スモモ属には、スモモやモモ、ウメやウワミズザクラを含み、世界では400種類にもなるんだ。」
「400種ー!」久し振りに二人揃って、絨毯にひっくり返っていた。
「父さん、ではサクラ属は?」
「サクラ属は、セイヨウミザクラやヤマザクラ等の100種になる。私を含めて、昔から多くの日本人は、サクラ属を桜と認識しているんだ。」
「ふぅーん。」父親の話しに釘付けである。
「もしかしたら、西洋の人と桜の認識が違う?」桜は、小さな頃から勘が鋭い一面を持っている。
「まず、桜は北半球の温帯に分布している植物なんだ。日本には野生種が9種あり、固有種、交配種、園芸種をまとめると600種類以上とも言われているんだよ。日本には、沢山の桜が存在する。」
「北半球なら、ヨーロッパや西アジア、ロシアや中国、日本周辺国、アメリカとか?」
「ヨーロッパや西アジア、北西アフリカも含むけれども、セイヨウミザクラだね。桜ん坊だ。アメリカには、セイヨウミザクラの原産地はなく、日米友好としてワシントンD.C.に1912年東京の市長が日本の桜を贈ったんだ。
害虫に悩まされたようだが、今やワシントンD.C.は、桜が美しく咲き誇っている。100年を超えて桜は、友好の花を咲かせているんだよ。」
「へぇ。そうなんだ!分かりやすい!」さやは、大喜びである。
「なるほど。ヨーロッパならば、フランスにもサクラ属はあるんだね。」桜は、答えに辿り着いて、嬉しそうな顔をしていた。
「フランスにもセイヨウミザクラがあるし、よく日本人でもアーモンドやアプリコットの花を桜と見間違えているようだ。イギリスには、コリングウッド・イングラムさんというビクトリア女王時代に『サクラ男』がいたんだよ。
江戸時代の日本人が世界に一大センセーショナルを巻き起こしたのは、分かるかな?」
「何だろう?」
「江戸?ちょんまげ?」さやは、髪の毛をちょこっと摘まんで、ちょんまげを作って見せている。大爆笑である。
「ヒントは、美術だな。」
「あっ!浮世絵!!1867年のパリ万国博覧会で日本は伊万里焼を送って、その焼き物保護に包み紙として使ったのが浮世絵の広告紙だったって。当時の画家達が影響を受けたんだよね。」
「ほぉー。桜は、いつ美術に目覚めたんだ?ちゃんと分かっているな!古典派・印象派・バルビゾン派の画家達は浮世絵の技法に影響を受けたんだ。イングラムは、そんなセンセーショナルな日本に影響を受けたんだろう。
鳥の研究家でもあったようだが。日本に桜を見に来ては、ケント州ベネンドン村の自宅に桜を沢山植えて、交配等桜の研究をしていたんだ。イングラムが作った種が今でも見られる逆輸入の桜が、『オカメ』。『太白』を里帰りさせてくれた人でもあるんだよ。」
さやが父親に対して言葉が丁寧になると、本当に知りたい桜の話しだとピンと来るものだ。
「フランスには、桜はあるのかしら?」
そんな静かな勉強熱心な姿に桜の話しは、より学術的に話してくれるのだ。
「さやちゃん、桜とは何かな?」
「桜?バラ科モモ亜科スモモ属、サクラ属って事?」
「さやちゃんにとって桃やスモモは、桜かな?」
「うーん。入れてない。桃は桃、スモモはスモモかな。うん。桜はどう?」
「私もサクラ属を桜と認識しているわ!桃の花を見て、桜だわ!なんて言わないし。」
「では、二人共スモモ属ではなく、サクラ属の中だけを桜だと考えているわけだ。」
「スモモ属とサクラ属は、何が違うの?」
「植物分類学では、階層分類法を使っているのは、もう理解しているようだね。スモモ属には、スモモやモモ、ウメやウワミズザクラを含み、世界では400種類にもなるんだ。」
「400種ー!」久し振りに二人揃って、絨毯にひっくり返っていた。
「父さん、ではサクラ属は?」
「サクラ属は、セイヨウミザクラやヤマザクラ等の100種になる。私を含めて、昔から多くの日本人は、サクラ属を桜と認識しているんだ。」
「ふぅーん。」父親の話しに釘付けである。
「もしかしたら、西洋の人と桜の認識が違う?」桜は、小さな頃から勘が鋭い一面を持っている。
「まず、桜は北半球の温帯に分布している植物なんだ。日本には野生種が9種あり、固有種、交配種、園芸種をまとめると600種類以上とも言われているんだよ。日本には、沢山の桜が存在する。」
「北半球なら、ヨーロッパや西アジア、ロシアや中国、日本周辺国、アメリカとか?」
「ヨーロッパや西アジア、北西アフリカも含むけれども、セイヨウミザクラだね。桜ん坊だ。アメリカには、セイヨウミザクラの原産地はなく、日米友好としてワシントンD.C.に1912年東京の市長が日本の桜を贈ったんだ。
害虫に悩まされたようだが、今やワシントンD.C.は、桜が美しく咲き誇っている。100年を超えて桜は、友好の花を咲かせているんだよ。」
「へぇ。そうなんだ!分かりやすい!」さやは、大喜びである。
「なるほど。ヨーロッパならば、フランスにもサクラ属はあるんだね。」桜は、答えに辿り着いて、嬉しそうな顔をしていた。
「フランスにもセイヨウミザクラがあるし、よく日本人でもアーモンドやアプリコットの花を桜と見間違えているようだ。イギリスには、コリングウッド・イングラムさんというビクトリア女王時代に『サクラ男』がいたんだよ。
江戸時代の日本人が世界に一大センセーショナルを巻き起こしたのは、分かるかな?」
「何だろう?」
「江戸?ちょんまげ?」さやは、髪の毛をちょこっと摘まんで、ちょんまげを作って見せている。大爆笑である。
「ヒントは、美術だな。」
「あっ!浮世絵!!1867年のパリ万国博覧会で日本は伊万里焼を送って、その焼き物保護に包み紙として使ったのが浮世絵の広告紙だったって。当時の画家達が影響を受けたんだよね。」
「ほぉー。桜は、いつ美術に目覚めたんだ?ちゃんと分かっているな!古典派・印象派・バルビゾン派の画家達は浮世絵の技法に影響を受けたんだ。イングラムは、そんなセンセーショナルな日本に影響を受けたんだろう。
鳥の研究家でもあったようだが。日本に桜を見に来ては、ケント州ベネンドン村の自宅に桜を沢山植えて、交配等桜の研究をしていたんだ。イングラムが作った種が今でも見られる逆輸入の桜が、『オカメ』。『太白』を里帰りさせてくれた人でもあるんだよ。」