エペソ人への手紙
パウロが,獄中で書いた手紙です。
ローマ書の要約,
または,
ローマ書の内容を,
発展させたとも思えます。
ポイントとなる言葉を選び,
短い説明をしました。
○
パウロが,
エペソの教会と連絡を取るため,
(エペソ6:2)
神の御子
(エペソ 1:5,6)
「神は,
みむねとみこころのままに,
私たちをイエス・キリストによって
ご自分の子にしようと,
愛をもって
あらかじめ定めておられました。
それは,
神がその愛する方にあって
私たちに与えてくださった
恵みの栄光が,
ほめたたえられるためです。」
イエス・キリストは,
生まれながらの,神の子です。
わたしたちは,
イエス・キリストを
信じることによって
神の子となります。
エペソ1章は,
使徒信条(※)
と同じ内容のようです。
●
○
(エペソ1:13)
イエス・キリストを信じる者は,
あがなわれ(贖われ),
罪が赦されます。
そして,聖霊を受けます。
この手紙を受けたエペソの信徒は,
異言を伴う聖霊のバプテスマを
受けていたと思われます。
信仰による救い
(エペソ2:8)
「あなたがたは,
恵みのゆえに,
信仰によって救われたのです。
それは,
自分自身から出たことではなく,
神からの賜物です。」
わたしたちは,
神によって造られました。
(エペソ2:9)
しかし,
わたしたちは罪を犯しました。
この罪のためにイエス・キリストは
死んでくださいました。
(エペソ2:4)
そして,
このイエスを信じる者は,
救われるのです。
(エペソ2:8)
4つの法則
(エペソ2:1-9)
「あなたがたは
自分の罪過と罪との中に
死んでいた者であって,
そのころは,
それらの罪の中にあって
この世の流れに従い,
空中の権威を持つ支配者として
今も不従順の子らの中に
働いている霊に従って,
歩んでいました。
私たちもみな,
かつては
不従順の子らの中にあって,
自分の肉の欲の中に生き,
肉と心の望むままを行い,
ほかの人たちと同じように,
生まれながら
御怒りを受けるべき子らでした。
しかし,あわれみ豊かな神は,
私たちを愛してくださった
その大きな愛のゆえに,
罪過の中に死んでいた
この私たちを
キリストとともに生かし,
──あなたがたが救われたのは,
ただ恵みによるのです──
キリスト・イエスにおいて,
ともによみがえらせ,
ともに天の所に
すわらせてくださいました。
それは,
あとに来る世々において,
このすぐれて豊かな御恵みを,
キリスト・イエスにおいて
私たちに賜る慈愛によって
明らかにお示しになるためでした。
あなたがたは,恵みのゆえに,
信仰によって救われたのです。
それは,
自分自身から出たことではなく,
神からの賜物です。
行いによるのではありません。
だれも誇ることのないためです。」
エペソ2:1-9のこの箇所は,
いわゆる「4つの法則」と
同じものです。
「4つの法則」とは
1.私たちは神によって,
正しく作られました。
2.最初の人アダムが
罪を犯したため,
人は罪人となりました。
3.イエス・キリストが罪人の
身代わりとなりました。
4.イエス・キリストを信じる者は
罪が赦され,義とされます。
エペソ1章の要約といえます。
ユダヤ人と異邦人
(エペソ2:15,16)
「ご自分の肉において,
敵意を廃棄された方です。
敵意とは,
さまざまの規定から成り立っている
戒めの律法なのです。
このことは,
二つのものをご自身において
新しいひとりの人に造り上げて,
平和を実現するためであり,
また,両者を一つのからだとして,
十字架によって
神と和解させるためなのです。
敵意は十字架によって
葬り去られました。」
イエス・キリストは,
選ばれた民であるユダヤ人と
異邦人(ユダヤ人以外の人)
を一つとしてくださいます。
イエス・キリストを
信じることによって,
共に神の民,
神の子とされるからです。
神との和解は,
ユダヤ人キリスト者と
異邦人キリスト者
の和解になります。
内なるキリスト
(エペソ3:17a)
「キリストが,
あなたがたの信仰によって,
あなたがたの心のうちに
住んでいてくださいますように。」
これは,パウロの祈りです。
イエス・キリストを信じる者の
心の内には,
イエス・キリストが
住んでくださいます。
キリストの愛
(エペソ3:17bー21)
「愛に根ざし,
愛に基礎を置いている
あなたがたが,
すべての聖徒とともに,
その広さ,長さ,高さ,深さが
どれほどであるかを
理解する力を持つようになり,
人知をはるかに
越えたキリストの愛を
知ることができますように。
こうして,
神ご自身の満ち満ちたさまにまで,
あなたがたが満たされますように。
どうか,
私たちのうちに働く力によって,
私たちの願うところ,
思うところのすべてを越えて
豊かに施すことのできる方に,
教会により,
またキリスト・イエスにより,
栄光が,世々にわたって,
とこしえまでありますように。
アーメン。」
わたしたちが,
キリストの愛に
満たされるようにと,
「真理に基づく義と聖をもって
神にかたどり造り出された,
新しい人を
身に着るべきことでした。」
イエス・キリストを信じる者は,
古い生き方を捨てて,
新しく生きています。
(創世記1:26)
「 神は仰せられた。
『さあ人を造ろう。
われわれのかたちとして,
われわれに似せて。
彼らが,海の魚,空の鳥,
家畜,地のすべてのもの,
地をはうすべてのものを
支配するように。』」
はじめに造られた人は,
罪によって堕落しました。
しかし,イエス・キリストは,
義と聖にみちた方です。
わたしたちは,
イエス・キリストを
信じることによって,
このイエス・キリストを身に着て,
一つなることができます。
詩とさんびと霊の歌とをもって
語り合い,
主にむかって心からさんびの歌を
うたいなさい。」
○
家族
(エペソ5:24)
「教会がキリストに従うように,
妻も,すべてのことにおいて,
夫に従うべきです。」
パウロは家族のあり方を教えます。
妻は夫に従い,
子は両親に従うというものです。
家族の関係は,
キリストと信徒の関係が
対応します。
(5:22,23)
(エペソ6:1)
「子どもたちよ。
主にあって両親に従いなさい。
これは正しいことだからです。」
悪魔に立ち向かう
(エペソ6:11)
「悪魔の策略に対して
立ち向かうことができるために,
神のすべての武具を
身に着けなさい。」
信仰によって,
悪魔に打ち勝つようにといいます。
2015.11.22
※
使徒信条
我は天地の造り主,
全能の父なる神を信ず。
我はその独り子,
我らの主,
イエス・キリストを信ず。
主は聖霊によりてやどり,
おとめマリヤより生まれ,
ポンテオ・ピラトのもとに
苦しみを受け,
十字架につけられ,
死にて葬られ,陰府にくだり,
三日目に死人の内よりよみがえり,
天にのぼり,
全能の父なる神の右に
座したまえり。
かしこよりきたりて生ける者と
死にたる者とを審きたまわん。
我は聖霊を信ず,
聖なる公同の教会,
聖徒の交わり,罪のゆるし,
からだのよみがえり,
とこしえの命を信ず。
アーメン
2019-09-11