ガラテヤの信徒への手紙 解説
ガラテヤは現在の
トルコに位置する町です。
パウロはいずれの伝道旅行でも
ガラテヤ地方を経ていて,
各地での伝道は成功し,
教会を残しました。
しかしその後,
キリスト教の偽教師が
入ってきたので
この手紙が書かれました。
○
イエス・キリストの啓示
(ガラテヤ1:11,12)新改訳
「兄弟たちよ。
私はあなたがたに知らせましょう。
私が宣べ伝えた福音は,
人間によるものではありません。
私はそれを
人間からは受けなかったし,
また教えられもしませんでした。
ただイエス・キリストの
啓示によって受けたのです。」
パウロの宣べ伝えた言葉は,
神の啓示によるものです。
わたしたちは,
パウロの手紙を神の言葉として
受け入れています。
○
信仰によって義とされる
(ガラテヤ2:16)
「人は律法の行いによっては
義と認められず,
ただキリスト・イエスを
信じる信仰によって
義と認められる,
ということを知ったからこそ,
私たちも
キリスト・イエスを信じたのです。
これは,
律法の行いによってではなく,
キリストを信じる信仰によって
義と認められるためです。
なぜなら,
律法の行いによって
義と認められる者は,
ひとりもいないからです。」
このガラテヤ人への手紙は,
パウロが,
イエスの教えを宣べ伝えた
中心の教えをまとめたものです。
律法によっては義とされず,
イエスを信じることによって
義とされます。
「義と認められる」とは,
法律上の用語であって,
「無罪とされる」,
「適格と認められ」
という意味です。
律法によって義とされようとする,
ユダヤ人に反論です。
○
十字架につけられる
(ガラテヤ2:20)
「私はキリストとともに
十字架につけられました。
もはや私が生きているのではなく,
キリストが
私のうちに生きておられるのです。
いま私が
肉にあって生きているのは,
私を愛し私のために
ご自身をお捨てになった
神の御子を信じる
信仰によっているのです。」
パウロは,古い自分が死に,
復活したイエスが
内に生きているといいます。
イエス・キリストを信じる
私たちも同じです。
●●
キリストの贖い
(ガラテヤ3:13)口語訳
「キリストは,
わたしたちのために
のろいとなって,
わたしたちを律法ののろいから
あがない出して下さった。
聖書に,
『木にかけられる者は,
すべてのろわれる』
と書いてある。」
「あがない(贖い)出す」とは,
代価を払って,
ある人を奴隷の身分から
解放することを言います。
「私たちのために
のろわれたものとなって」とは,
具体的にはキリストと
十字架の死を意味します。
「木にかけられる者」とは,
十字架につけられる者のことです。
キリストが十字架につけられ,
われわれの罪ののろいを
身代わりに受けててくださったので,
わたしたちは律法ののろいから
贖い出されました。
(ローマ3:24)
「 ただ,神の恵みにより,
キリスト・イエスによる
贖いのゆえに,
価なしに
義と認められるのです。」
○
自由と解放
(ガラテヤ5:1)
「キリストは,
自由を得させるために,
私たちを解放してくださいました。
ですから,あなたがたは,
しっかり立って,
またと奴隷のくびきを
負わせられないようにしなさい。」
信仰によって,
律法の拘束から自由にされました。
わたしたちは
律法,罪,肉の奴隷から
自由人にされています。
○
愛
(ガラテヤ5:13)
「兄弟たち。
あなたがたは,
自由を与えられるために
召されたのです。
ただ,
その自由を
肉の働く機会としないで,
愛をもって互いに仕えなさい。」
自由にされた者は,
互いに愛し合う生活を
送りなさいといいます。
○
御霊によって歩む
(ガラテヤ5:16)
「私は言います。
御霊によって歩みなさい。
そうすれば,
決して肉の欲望を
満足させるようなことは
ありません。」
聖霊に支配されて
生きなさいといっています。
○
御霊の実
(ガラテヤ5:20-23)
「偶像礼拝,魔術,敵意,争い,
そねみ,憤り,党派心,分裂,
分派,ねたみ,酩酊,遊興,
そういった類のものです。
前にもあらかじめ言ったように,
私は今もあなたがたに
あらかじめ言っておきます。
こんなことをしている者たちが
神の国を
相続することはありません。
しかし,
御霊の実は,愛,喜び,平安,
寛容,親切,善意,
誠実,柔和,自制です。
このようなものを
禁ずる律法はありません。」
偶像崇拝,魔術などは,
生まれながら
持っている肉のものです。
肉に生きるのではなく,
御霊に導かれ,
御霊の実によって
生きなさいといいます。
○
十字架につける
(ガラテヤ5:24)
「キリスト・イエスにつく者は,
自分の肉を,
さまざまの情欲や欲望とともに,
十字架につけてしまったのです。」
十字架につけるとは,
自分の肉,生まれながらの性質を
死んだ者とみなすことです。
2020-09-24
○
(ガラテヤ5:26)
「互いにいどみ合ったり,
そねみ合ったりして,
虚栄に走ることの
ないようにしましょう。」
互いに虚栄に生きては
ならないといいます。
○
(ガラテヤ6:1)
「兄弟たちよ。
もしだれかが
あやまちに陥ったなら,
御霊の人であるあなたがたは,
柔和な心で
その人を正してあげなさい。
また,
自分自身も誘惑に陥らないように
気をつけなさい。」
あやまった生活の人には,
無視せず,
正しい生活に導きなさい,
また自分も誘惑に陥らないように
しなさいと言います。
○
重荷を負い合う
(ガラテヤ6:2)
「互いの重荷を負い合い,
そのようにして
キリストの律法を全うしなさい。」
パウロは
「互いの重荷を負い合い」
と言います。
イエス・キリストは,
次のように言いました。
(マタイ11:28)
「すべて,疲れた人,
重荷を負っている人は,
わたしのところに来なさい。
わたしがあなたがたを
休ませてあげます。」
○
(ガラテヤ6:7)
「思い違いをしてはいけません。
神は侮られるような方では
ありません。
人は種を蒔けば,
その刈り取りも
することになります。」
神をごまかしては
いけないと言います。
○
(ガラテヤ6:9)
「善を行うのに
飽いてはいけません。
失望せずにいれば,
時期が来て,
刈り取ることになります。」
善を行うには,忍耐が必要です。
○
新しい創造
(ガラテヤ6:15)
「割礼を受けているか
受けていないかは,
大事なことではありません。
大事なのは新しい創造です。」
大事なことではありません。
大事なのは新しい創造です。」
イエスが再び来られる時,
「新しい創造」が完成します。
「新しい創造」は,
やがて確かな完成を見ますが,
今すでに,わたしたちは
この恵みを受けています。
イエス・キリストを信じる者は,
新しく造られた者です。
○
2020-09-24