分裂王国初期の時代
○
(1列王12:15口語訳)
「このように王は
民の言うことを聞きいれなかった。
これはかつて
主がシロびとアヒヤによって,
ネバテの子ヤラベアムに言われた言葉を
成就するために,
主が仕向けられた事であった。」
○
ソロモンの子レハベアムの即位
(1列王記12:7)
「彼らは王に答えて言った。
『きょう,あなたが,
この民のしもべとなって彼らに仕え,
彼らに答え,
彼らに親切なことばを
かけてやってくださるなら,
彼らはいつまでも
あなたのしもべとなるでしょう。』」
レハベアムに,
父ソロモンに仕えていた
長老たちの助言です。
レハベアムは次のように答えて,
助言を退けます。
○
(1列王12:10,11)
「彼とともに育った若者たちは
答えて言った。
『あなたの父上は
私たちのくびきを重くした。
だから,
あなたは,それを私たちの肩から,
軽くしてください』
と言ってあなたに申し出たこの民に,
こう答えたらいいでしょう。
あなたは彼らにこう言ってやりなさい。
『私の小指は父の腰よりも太い。
私の父はおまえたちに
重いくびきを負わせたが,
私はおまえたちのくびきを
もっと重くしよう。
私の父はおまえたちを
むちで懲らしめたが,
私はさそりでおまえたちを
懲らしめよう』と。」
イスラエルの国は
ヤラベアムの治める北イスラエルと,
レハベアムの治める南ユダ王国に
分裂します。
☆彡
(1列王12:1-11)
レハブアムはシェケムへ行った。
全イスラエルが彼を王とするため,
シェケムに来ていたからである。
ネバテの子ヤロブアムが,
そのことを聞いたころは,
ヤロブアムは
ソロモン王の顔を避けてのがれ,
まだエジプトにおり,
エジプトに住んでいた。
人々は使いをやって,
彼を呼び寄せた。
それで,
ヤロブアムは
イスラエルの全集団とともに
やって来て,
レハブアムに言った。
あなたの父上は,
私たちのくびきをかたくしました。
今,あなたは,
父上が私たちに負わせた
過酷な労働と重いくびきとを
軽くしてください。
そうすれば,
私たちはあなたに仕えましょう。」
すると,彼はこの人々に,
「行って,もう三日したら
私のところに戻って来なさい」
と言った。
そこで,民は出て行った。
レハブアム王は,
父ソロモンが生きている間
ソロモンに仕えていた
長老たちに相談して,
「この民に
どう答えたらよいと思うか」
と言った。
彼らは王に答えて言った。
「きょう,あなたが,
この民のしもべとなって彼らに仕え,
彼らに答え,
彼らに親切なことばを
かけてやってくださるなら,
彼らはいつまでも
あなたのしもべとなるでしょう。」
しかし,
彼はこの長老たちの与えた助言を退け,
彼とともに育ち,
彼に仕えている若者たちに相談して,
彼らに言った。
「この民に何と返答したらよいと思うか。
彼らは私に
『あなたの父上が私たちに負わせた
くびきを軽くしてください』
と言って来たのだが。」
彼とともに育った若者たちは
答えて言った。
「『あなたの父上は
私たちのくびきを重くした。
だから,あなたは,
それを私たちの肩から,
軽くしてください』
と言ってあなたに申し出たこの民に,
こう答えたらいいでしょう。
あなたは彼らにこう言ってやりなさい。
『私の小指は父の腰よりも太い。
私の父はおまえたちに
重いくびきを負わせたが,
私はおまえたちのくびきを
もっと重くしよう。
私の父はおまえたちを
むちで懲らしめたが,
私はさそりで
おまえたちを懲らしめよう』と。」
○
王国の分裂 ヤロブアム
(1列王記12:20口語訳)
「イスラエルは
皆ヤラベアムの帰ってきたのを聞き,
人をつかわして彼を集会に招き,
イスラエルの全家の上に王とした。
ユダの部族のほかは
ダビデの家に従う者がなかった。」
北王国はヤロブアムの反乱によって,
紀元前721(722)年に
成立しました。
北王国は,シケムを首都とし,
宗教的にも
エルサレムから独立するために
ダンとベテルに
聖所を設けて金の牛をおき,
新しい祭司と祭儀の制度を建てました。
☆彡
(1列王12:16-24口語訳)
イスラエルの人々は皆,
王が自分たちの言うことを
聞きいれないのを見たので,
民は王に答えて言った,
「われわれは
ダビデのうちに何の分があろうか,
エッサイの子のうちに嗣業がない。
イスラエルよ,
あなたがたの天幕へ帰れ。
ダビデよ,今自分の家の事を見よ」。
そしてイスラエルは
その天幕へ去っていった。
しかしレハベアムは
ユダの町々に住んでいる
イスラエルの人々を治めた。
レハベアム王は徴募の監督であった
アドラムをつかわしたが,
イスラエルが皆,
彼を石で撃ち殺したので,
レハベアム王は急いで車に乗り,
エルサレムへ逃げた。
こうしてイスラエルは
ダビデの家にそむいて今日に至った。
イスラエルは
皆ヤラベアムの帰ってきたのを聞き,
人をつかわして彼を集会に招き,
イスラエルの全家の上に王とした。
ユダの部族のほかは
ダビデの家に従う者がなかった。
ソロモンの子レハベアムは
エルサレムに来て,
ユダの全家とベニヤミンの部族の者,
すなわちえり抜きの軍人十八万を集め,
国を取りもどすために,
イスラエルの家と戦おうとしたが,
神の言葉が神の人シマヤに臨んだ,
「ソロモンの子であるユダの王レハベアム,
およびユダとベニヤミンの全家,
ならびにそのほかの民に言いなさい,
『主はこう仰せられる。
あなたがたは上っていってはならない。
あなたがたの兄弟である
イスラエルの人々と戦ってはならない。
おのおの家に帰りなさい。
この事はわたしから出たのである』」。
それで彼らは主の言葉をきき,
主の言葉に従って帰っていった。
○
ヤロブアムの罪
(1列王12:26-30口語訳)
「しかしヤラベアムは
その心のうちに言った,
『国は今ダビデの家にもどるであろう。
もしこの民がエルサレムにある主の宮に
犠牲をささげるために上るならば,
この民の心はユダの王である
彼らの主君レハベアムに帰り,
わたしを殺して,
ユダの王レハベアムに帰るであろう』。
そこで王は相談して,
二つの金の子牛を造り,民に言った,
『あなたがたは
もはやエルサレムに上るには,
およばない。
イスラエルよ,
あなたがたをエジプトの国から
導き上ったあなたがたの神を見よ』。
そして彼は一つをベテルにすえ,
一つをダンに置いた。
この事は罪となった。
民がベテルへ行って一つを礼拝し,
ダンへ行って
一つを礼拝したからである。」
ヤロブアムの罪は北王国の罪となります。
○
北のイスラエルでは,
王に対抗できる
勇気のある預言者が出ます。
エリヤとエリシャがその代表です。
南ユダにも
神殿礼拝を忘れた時代がありました。
しかし,南のユダには
ヒゼキヤやヨシヤなどの
宗教改革に目覚める王が出ます。
○
アビヤムの生涯
(1列王記15:1-8口語訳)
ネバテの子ヤラベアム王の第十八年に
アビヤムがユダの王となり,
エルサレムで三年世を治めた。
その母の名はマアカといって,
アブサロムの娘であった。
彼はその父が先に行った
もろもろの罪をおこない,
その心は父ダビデの心のようにその神,
主に対して全く真実ではなかった。
それにもかかわらず,
その神,主はダビデのために,
エルサレムにおいて
彼に一つのともしびを与え,
その子を彼のあとに立てて,
エルサレムを固められた。
それは
ダビデがヘテびとウリヤの事のほか,
一生の間,主の目にかなう事を行い,
主が命じられたすべての事に,
そむかなかったからである。
レハベアムとヤラベアムの間には
一生の間,
戦争があった。
アビヤムのその他の行為と,
彼がしたすべての事は,
ユダの王の歴代志の書に
しるされているではないか。
アビヤムとヤラベアムの間にも
戦争があった。
アビヤムはその先祖と共に眠って,
ダビデの町に葬られ,
その子アサが代って王となった。
○
アハブ
(1列王記16:29-34)
「ユダの王アサの第三十八年に
オムリの子アハブが
イスラエルの王となった。
オムリの子アハブはサマリヤで
二十二年イスラエルを治めた。
オムリの子アハブは
彼よりも先にいたすべての者にまさって,
主の目の前に悪を行った。
彼はネバテの子ヤラベアムの罪を
行うことを,
軽い事とし,
シドンびとの王エテバアルの娘
イゼベルを妻にめとり,
行ってバアルに仕え,これを拝んだ。
彼はサマリヤに建てたバアルの宮に,
バアルのために祭壇を築いた。
アハブはまたアシラ像を造った。
アハブは彼よりも先にいた
イスラエルのすべての王にまさって
イスラエルの神,
主を怒らせることを行った。
彼の代にベテルびとヒエルは
エリコを建てた。
彼はその基をすえる時に
長子アビラムを失い,
その門を立てる時に
末の子セグブを失った。
主がヌンの子ヨシュアによって
言われた言葉のとおりである。
2021-08-23