1列王記 2021.8.22
列王記1 1-16章 ソロモン-分裂
○
ソロモンに油を注ぐ
(1列王1:38-40)
「祭司ツァドク,預言者ナタン,
ヨヤダの子ベナヤは
クレタ人とペレティ人と
共に下って行った。
彼らはソロモンを
ダビデ王のらばに乗せ,
ギホンに連れて行った。
祭司ツァドクは
天幕から油の入った角を持って出て,
ソロモンに油を注いだ。
彼らが角笛を吹くと,
民は皆,
『ソロモン王,万歳』と叫んだ。
民は皆,彼の後に従って上り,
笛を吹き,
大いに喜び祝い,
その声で地は裂けた。」
(1列王1:30)口語訳
「わたしがイスラエルの神,
主をさしてあなたに誓い,
『あなたの子ソロモンが
わたしに次いで王となり,
わたしに代って,
わたしの位に座するであろう』
と言ったように,
わたしはきょう,
そのようにしよう」。
○
ダビデ王の最期
(1列王2:2,3)
「わたしは
この世のすべての者が
たどる道を行こうとしている。
あなたは勇ましく雄々しくあれ。
あなたの神,
主の務めを守ってその道を歩み,
モーセの律法に記されているとおり,
主の掟と戒めと法と定めを守れ。
そうすれば,あなたは何を行っても,
どこに向かっても,
良い成果を上げることができる。」
ダビデが死に臨むとき,
その子ソロモンに語った言葉です。
●
ソロモンの第一の祈り
(1列王記3:5口語訳)
「ギベオンで
主は夜の夢に
ソロモンに現れて言われた,
『あなたに何を与えようか,
求めなさい』」。
(1列王記3:9口語訳)
「それゆえ,
聞きわける心をしもべに与えて,
あなたの民をさばかせ,
わたしに善悪をわきまえることを
得させてください。
だれが,
あなたのこの大いなる民を
さばくことができましょう」。
ソロモンは知恵を求めます。
ソロモンの求めは神の御心にかない,
彼は知恵に加えて
富と栄誉と長命を与えられました。
○
ダビデの子ソロモンの即位
(1列王記3:11-14)
「神は彼に仰せられた。
『あなたがこのことを求め,
自分のために長寿を求めず,
自分のために富を求めず,
あなたの敵のいのちをも求めず,
むしろ,自分のために
正しい訴えを聞き分ける
判断力を求めたので,
今,わたしはあなたの
言ったとおりにする。
見よ。
わたしはあなたに知恵の心と
判断する心とを与える。
あなたの先に,
あなたのような者はなかった。
また,あなたのあとに,
あなたのような者も起こらない。
そのうえ,あなたの願わなかったもの,
富と誉れとをあなたに与える。
あなたの生きているかぎり,
王たちの中であなたに並ぶ者は
ひとりもないであろう。
また,
あなたの父ダビデが歩んだように,
あなたもわたしのおきてと
命令を守って,
わたしの道を歩むなら,
あなたの日を長くしよう。』」
●
ソロモンの知恵
(1列王4:29,30)
「神は,
ソロモンに非常に豊かな知恵と英知と,
海辺の砂浜のように
広い心とを与えられた。
それでソロモンの知恵は,
東のすべての人々の知恵と,
エジプト人のすべての知恵とに
まさっていた。」
ソロモンは,
ダビデとバテ・シェバの子です。
ダビデに次ぐイスラエルの王です。
国防,神殿,王宮の建設をします。
民に重税と強制労働を課しました。
しかし,
外国人妻の影響で
偶像崇拝の罪を犯します。
それが,40年の治世の後半が乱れ,
王国分裂の原因となります。
ソロモンは博学で知られ,
箴言,伝道の書,雅歌の著者です。
○
ソロモンの栄華
(1列王記6:1)
「ソロモン王が
主の神殿の建築に着手したのは,
イスラエル人がエジプトの地を出てから
四百八十年目,
ソロモンがイスラエルの王になってから
四年目のジウの月,
すなわち第二の月であった。」
ソロモンは貿易によって富を得,
各地に建物を建て,
城壁をきずきました。
その中心はエルサレム神殿と
彼の妻たちのための宮殿でした。
○
神殿の建設
(1列王記6:11-14)口語訳
「そこで主の言葉がソロモンに臨んだ,
『あなたが建てるこの宮については,
もしあなたがわたしの定めに歩み,
おきてを行い,すべての戒めを守り,
それに従って歩むならば,
わたしはあなたの父ダビデに
約束したことを成就する。
そしてわたしは
イスラエルの人々のうちに住み,
わたしの民イスラエルを
捨てることはない』。
こうしてソロモンは宮を建て終った。」
○
主の箱を運び入れる
(1列王8:9-11 口語訳)
「箱の内には二つの石の板のほか
何もなかった。
これはイスラエルの人々が
エジプトの地から出たとき,
主が彼らと契約を結ばれたときに,
モーセがホレブで,
それに納めたものである。
そして祭司たちが聖所から出たとき,
雲が主の宮に満ちたので,
祭司たちは雲のために立って
仕えることができなかった。
主の栄光が
主の宮に満ちたからである。」
○
ソロモン第2の祈り
(1列王8:22-24口語訳)
「ソロモンは
イスラエルの全会衆の前で,
主の祭壇の前に立ち,
手を天に伸べて,
言った,
『イスラエルの神,主よ,
上の天にも,下の地にも,
あなたのような神はありません。
あなたは契約を守られ,
心をつくしてあなたの前に歩む
あなたのしもべらに,
いつくしみを施し,
あなたのしもべである
わたしの父ダビデに
約束されたことを守られました。
あなたが口をもって約束されたことを,
手をもってなし遂げられたことは,
今日見るとおりであります。』」
神殿が完成したときにささげられた
ソロモンの祈りです。
○
永遠の王
(1列王9:5)
「わたしが,
あなたの父ダビデに,
『あなたには,
イスラエルの王座から人が断たれない』
と言って約束したとおり,
あなたの王国の王座を
イスラエルの上に永遠に確立しよう。」
ソロモンが神殿と王宮を造った後,
神がソロモンに現われ言います。
○
シバの女王の来訪
(1列王10:1-3) 口語訳
「シバの女王は主の名にかかわる
ソロモンの名声を聞いたので,
難問をもってソロモンを
試みようとたずねてきた。
彼女は多くの従者を連れ,香料と,
たくさんの金と宝石とを
らくだに負わせてエルサレムにきた。
彼女はソロモンのもとにきて,
その心にあることを
ことごとく彼に告げたが,
ソロモンはそのすべての問に答えた。
王が知らないで
彼女に説明のできないことは
一つもなかった。」
シバの女王が
ソロモンの栄華を見に来ます。
ソロモンは
知恵と富があふれていました。
○
ソロモンの罪
(1列王記11:4) 口語訳
「ソロモンが年老いた時,
その妻たちが彼の心を転じて
他の神々に従わせたので,
彼の心は父ダビデの心のようには,
その神,主に真実でなかった。」
ソロモンの晩年は,
祝福から神の怒りを受けます。
「ダビデの心」は,
罪に対する鈍感さでありました。
ソロモンは繁栄や権力の増大,
自由奔放さをそのまま神からの
祝福と勘違いした
霊的無知でありました。
祝福された人でありましたが,
外国の妻たちにそそのかされ,
偶像崇拝の罪を犯します。
○
王国の分裂の預言
(1列王11:11口語訳)
「それゆえ,主はソロモンに言われた,
『これがあなたの本心であり,
わたしが命じた契約と
定めとを守らなかったので,
わたしは必ずあなたから
国を裂き離して,
それをあなたの家来に与える。』」
(1列王11:31口語訳)
「ヤラベアムに言った,
「あなたは十切れを取りなさい。
イスラエルの神,主はこう言われる,
『見よ,
わたしは国を
ソロモンの手から裂き離して,
あなたに十部族を与えよう。』」
王国が分裂したのは,
ソロモンが繁栄の極みで,
女性におぼれ,
異教の神々におぼれたためです。
国の繁栄を支えていた民が
疲れ果てていたためです。
(1列王11:4口語訳)
「ソロモンが年老いた時,
その妻たちが彼の心を転じて
他の神々に従わせたので,
彼の心は父ダビデの心のようには,
その神,主に真実でなかった。」
○
(1列王12:15口語訳)
「このように王は
民の言うことを聞きいれなかった。
これはかつて主が
シロびとアヒヤによって,
ネバテの子ヤラベアムに言われた言葉を
成就するために,
主が仕向けられた事であった。」
○
ソロモンの子レハベアムの即位
(1列王記12:7)
「彼らは王に答えて言った。
『きょう,あなたが,
この民のしもべとなって彼らに仕え,
彼らに答え,
彼らに親切なことばを
かけてやってくださるなら,
彼らはいつまでも
あなたのしもべとなるでしょう。』」
レハベアムへの
父ソロモンに仕えていた長老たちの
助言です。
レハベアムは次のように答えて,
助言を退けます。
(1列王12:10,11)
「彼とともに育った若者たちは
答えて言った。
「『あなたの父上は
私たちのくびきを重くした。
だから,
あなたは,それを私たちの肩から,
軽くしてください』
と言ってあなたに申し出たこの民に,
こう答えたらいいでしょう。
あなたは彼らにこう言ってやりなさい。
『私の小指は父の腰よりも太い。
私の父はおまえたちに
重いくびきを負わせたが,
私はおまえたちのくびきを
もっと重くしよう。
私の父はおまえたちを
むちで懲らしめたが,
私はさそりでおまえたちを
懲らしめよう』と。」
イスラエルの国は
ヤラベアムの治める北イスラエルと,
レハベアムの治める南ユダ王国に
分裂します。
○
王国の分裂 ヤロブアム
(1列王記12:20口語訳)
「イスラエルは
皆ヤラベアムの帰ってきたのを聞き,
人をつかわして彼を集会に招き,
イスラエルの全家の上に王とした。
ユダの部族のほかは
ダビデの家に従う者がなかった。」
北王国はヤロブアムの反乱によって,
紀元前721(722)年に
成立しました。
北王国は,シケムを首都とし,
宗教的にも
エルサレムから独立するために
ダンとベテルに聖所を設けて
金の牛をおき,
新しい祭司と祭儀の制度を建てました。
●
ヤロブアムの罪
(1列王12:26-30口語訳)
「しかしヤラベアムは
その心のうちに言った,
『国は今ダビデの家にもどるであろう。
もしこの民がエルサレムにある主の宮に
犠牲をささげるために上るならば,
この民の心はユダの王である
彼らの主君レハベアムに帰り,
わたしを殺して,
ユダの王レハベアムに帰るであろう』。
そこで王は相談して,
二つの金の子牛を造り,民に言った,
『あなたがたは
もはやエルサレムに上るには,
およばない。
イスラエルよ,
あなたがたをエジプトの国から
導き上ったあなたがたの神を見よ』。
そして彼は一つをベテルにすえ,
一つをダンに置いた。
この事は罪となった。
民がベテルへ行って一つを礼拝し,
ダンへ行って
一つを礼拝したからである。」
ヤロブアムの罪は,
北王国の罪となります。
○
アビヤムの生涯
(1列王記15:1-8口語訳)
ネバテの子ヤラベアム王の第十八年に
アビヤムがユダの王となり,
エルサレムで三年世を治めた。
その母の名はマアカといって,
アブサロムの娘であった。
彼はその父が先に行った
もろもろの罪をおこない,
その心は父ダビデの心のようにその神,
主に対して全く真実ではなかった。
それにもかかわらず,
その神,主はダビデのために,
エルサレムにおいて
彼に一つのともしびを与え,
その子を彼のあとに立てて,
エルサレムを固められた。
それはダビデが
ヘテびとウリヤの事のほか,
一生の間,主の目にかなう事を行い,
主が命じられたすべての事に,
そむかなかったからである。
レハベアムとヤラベアムの間には
一生の間,
戦争があった。
アビヤムのその他の行為と,
彼がしたすべての事は,
ユダの王の歴代志の書に
しるされているではないか。
アビヤムとヤラベアムの間にも
戦争があった。
アビヤムはその先祖と共に眠って,
ダビデの町に葬られ,
その子アサが代って王となった。
○
アハブ
(1列王記16:29-34)
「ユダの王アサの第三十八年に
オムリの子アハブが
イスラエルの王となった。
オムリの子アハブは
サマリヤで
二十二年イスラエルを治めた。
オムリの子アハブは
彼よりも先にいたすべての者にまさって,
主の目の前に悪を行った。
彼はネバテの子ヤラベアムの罪を
行うことを,
軽い事とし,
シドンびとの王エテバアルの娘
イゼベルを妻にめとり,
行ってバアルに仕え,これを拝んだ。
彼はサマリヤに建てたバアルの宮に,
バアルのために祭壇を築いた。
アハブはまたアシラ像を造った。
アハブは彼よりも先にいた
イスラエルのすべての王に
まさってイスラエルの神,
主を怒らせることを行った。
彼の代にベテルびとヒエルは
エリコを建てた。
彼はその基をすえる時に
長子アビラムを失い,
その門を立てる時に
末の子セグブを失った。
主がヌンの子ヨシュアによって
言われた言葉のとおりである。」
○
1列王記 2 17-終 エリヤ 解説
●
エリヤ,干ばつの預言
(1列王記17:1口語訳)
「ギレアデのテシベに住む
テシベびとエリヤはアハブに言った,
『わたしの仕えているイスラエルの神,
主は生きておられます。
わたしの言葉のないうちは,
数年雨も露もないでしょう』」。
「エリヤ」は,
「ヤハウェ(主)は神である」の意味です。
前9世紀前半に北イスラエルで
活躍した預言者です。
ティシュベ人.アハブ王に
2,3年間大干ばつがあることを予告し,
ケリテ川のほとりに身を隠して,
烏に養われました。
○
(2列王記17:21-23口語訳)
「そして三度その子供の上に身を伸ばし,
主に呼ばわって言った,
『わが神,主よ,
この子供の魂をもとに帰らせてください』。
主はエリヤの声を聞きいれられたので,
その子供の魂はもとに帰って,
彼は生きかえった。
エリヤはその子供を取って
屋上のへやから家の中につれて降り,
その母にわたして言った,
『ごらんなさい。
あなたの子は生きかえりました』」。
北のイスラエルでは,
王に対抗できる勇気のある預言者が出ます。
エリヤとエリシャがその代表です。
南ユダにも神殿礼拝を忘れた時代がありました。
しかし,南のユダには
ヒゼキヤやヨシヤなどの
宗教改革に目覚める王が出ます。
○
干ばつの終わり
(1列王記18:41口語訳)
「エリヤはアハブに言った,
『大雨の音がするから,
上って行って,食い飲みしなさい』」。
(ヤコブ5:16,18)
「あなたがたは,互いに罪を言い表し,
互いのために祈りなさい。
いやされるためです。
義人の祈りは働くと,
大きな力があります。
エリヤは,私たちと同じような人でしたが,
雨が降らないように熱心に祈ると,
三年六か月の間,
地に雨が降りませんでした。」
○
なくならない油
(1列王17:13,14口語訳)
エリヤは彼女に言った,
「恐れるにはおよばない。
行って,あなたが言ったとおりにしなさい。
しかしまず,
それでわたしのために小さいパンを,
一つ作って持ってきなさい。
その後,あなたと,
あなたの子供のために作りなさい。
『主が雨を地のおもてに降らす日まで,
かめの粉は尽きず,びんの油は絶えない』
とイスラエルの神,
主が言われるからです」。
その後シドンのツァレファテの
やもめのところに身を寄せ,
養われます。(同17:8‐24)
ツァレファテのやもめの出来事です。
イエスの5つのパンと2匹の魚で,
5千人のパンの奇跡を思い出させます。
神の恵みは尽きません。
○
エリヤの奇跡
(1列王記17:22口語訳)
「主はエリヤの声を聞きいれられたので,
その子供の魂はもとに帰って,
彼は生きかえった。」
やもめの息子を生き返らします。
☆彡
(1列王記17:17-24口語訳)
「これらの事の後,
その家の主婦である
この女の男の子が病気になった。
その病気はたいそう重く,
息が絶えたので,
彼女はエリヤに言った,
『神の人よ,あなたはわたしに,
何の恨みがあるのですか。
あなたはわたしの罪を思い出させるため,
またわたしの子を
死なせるためにおいでになったのですか』。
エリヤは彼女に言った,
『子をわたしによこしなさい』。
そして彼女のふところから子供を取り,
自分のいる屋上のへやへかかえて上り,
自分の寝台に寝かせ,
主に呼ばわって言った,
『わが神,主よ,
あなたはわたしが宿っている家の
やもめにさえ災をくだして,
子供を殺されるのですか』。
そして三度その子供の上に身を伸ばし,
主に呼ばわって言った,
『わが神,主よ,
この子供の魂をもとに帰らせてください』。
主はエリヤの声を聞きいれられたので,
その子供の魂はもとに帰って,
彼は生きかえった。
エリヤはその子供を取って屋上のへやから
家の中につれて降り,
その母にわたして言った,
『ごらんなさい。
あなたの子は生きかえりました』。
女はエリヤに言った,
『今わたしはあなたが神の人であることと,
あなたの口にある主の言葉が
真実であることを知りました』」。
○
北のイスラエルでは,
王に対抗できる勇気のある預言者が出ます。
エリヤとエリシャがその代表です。
南ユダにも
神殿礼拝を忘れた時代がありました。
しかし,
南のユダにはヒゼキヤやヨシヤなどの
宗教改革に目覚める王が出ます。
○
オバデヤとエリヤ
(1列王記18:3,4口語訳)
「アハブは家づかさオバデヤを召した。
(オバデヤは深く主を恐れる人で,
イゼベルが主の預言者を断ち滅ぼした時,
オバデヤは百人の預言者を
救い出して五十人ずつほら穴に隠し,
パンと水をもって彼らを養った)。」
オバデヤはアハブ王宮に仕えていました。
100人の預言者を救いました。
「エリヤ」を「私の主人」と呼ぶ。
しかし,
エリヤの側につくことに躊躇します。
オバデヤは次のように言っています。
(1列王記18:14)
「今,あなたは
『行って,エリヤがここにいると,
あなたの主人に言え』と言われます。
彼は私を殺すでしょう。」
●○
エリヤとバアルの預言者との戦い
アハブ王とエリヤ
(1列王記18:20,21口語訳)
「そこでアハブは
イスラエルのすべての人に人をつかわして,
預言者たちをカルメル山に集めた。
そのときエリヤは
すべての民に近づいて言った,
『あなたがたはいつまで二つのものの間に
迷っているのですか。
主が神ならばそれに従いなさい。
しかしバアルが神ならば,
それに従いなさい』。
民はひと言も彼に答えなかった。」
3年目に,
アハブの妻イゼベルの保護していた
450人のバアルの預言者と
エリヤ一人がカルメル山頂で対決します。
主はエリヤの祈りに答えて,
天から火を下し,
全焼のいけにえやたきぎなどを焼き尽して,
主こそ神であることを示されました。
アハブ王はバアル信仰を容認します。
このアハブ王に預言者エリヤは対立します。
この後,
エリヤはバアルの預言者を
皆殺しにしました。
わたしたちも,
真の神に従う行動を
いつも取りたいものです。
☆
(1列王記18:37,38口語訳)
「『主よ,わたしに答えてください,
わたしに答えてください。
主よ,この民にあなたが神であること,
またあなたが
彼らの心を翻されたのであることを
知らせてください』。
そのとき主の火が下って燔祭と,
たきぎと,石と,ちりとを焼きつくし,
またみぞの水をなめつくした。」
北イスラエルのアハブ王が
バアル礼拝を導入したころ,
神はエリヤを遣わして,
北イスラエルを真の神に
立ち帰えらそうとします。
○
エリヤのうつ
(1列王記19:4)口語訳
「自分は一日の道のりほど
荒野にはいって行って,
れだまの木の下に座し,
自分の死を求めて言った,
『主よ,もはや,じゅうぶんです。
今わたしの命を取ってください。
わたしは
先祖にまさる者ではありません』」。
エリヤはバアルの預言者と対決し,
勝利を得ますが,
イゼベルに命を狙われます。
すると,エリヤは
「燃え尽き」たかのようになります。
うつとなり,そして,
自分の死さえ願います。
現代人の精神的な病を思い出させます。
仕事には,勝ち組だったが,
緊張のために欝になった。
仕事に力を使い果たし
燃え尽き症候群となった。
エリヤは天使の導きで
神の声を聞くことによって,
再び力を得ます。
旧約聖書の偉大な預言者にも
弱いところがありました。
神の声は,そこに現れました。
●
かすかな細い声
(1列王記19:11,12)
「主は仰せられた。
『外に出て,山の上で主の前に立て。』
すると,そのとき,主が通り過ぎられ,
主の前で,激しい大風が山々を裂き,
岩々を砕いた。
しかし,風の中に主はおられなかった。
風のあとに地震が起こったが,
地震の中にも主はおられなかった。
地震のあとに火があったが,
火の中にも主はおられなかった。
火のあとに,かすかな細い声があった。」
エリヤは,
イゼベルの怒りと復讐を恐れて逃れ,
神の山ホレブに着きます。
そこで主のかすかな細き御声を聞き,
励ましと新たな命令を受け,
再び立ち上がります。
旧約聖書の預言者エリヤに神が現われ,
声をかける箇所です。
「主が通り過ぎられ」とは,
神の特別な顕現を表します。
「火」とは稲妻を表していると
考えられています。
神は細かい声があった。
神の声は,エリヤには,
このとき,静かに聞こえて来ました。
○
エリヤ,天に上げられる
(列王下2:1,2 新共同訳)
「主が嵐を起こして
エリヤを天に上げられたときのことである。
エリヤはエリシャを連れてギルガルを出た。
エリヤはエリシャに,
『主はわたしを
ベテルにまでお遣わしになるが,
あなたはここにとどまっていなさい』
と言った。
しかしエリシャは,
『主は生きておられ,
あなた御自身も生きておられます。
わたしはあなたを離れません』
と答えたので,
二人はベテルに下って行った。」
預言者エリヤが死に臨んで,
弟子のエリシャに語った言葉です。
(列王下2:11,12 新共同訳)
「彼らが話しながら歩き続けていると,
見よ,火の戦車が火の馬に引かれて現れ,
二人の間を分けた。
エリヤは嵐の中を天に上って行った。
エリシャはこれを見て,
『わが父よ,わが父よ,
イスラエルの戦車よ,その騎兵よ』
と叫んだが,もうエリヤは見えなかった。
エリシャは自分の衣をつかんで
二つに引き裂いた。」
2023-02-03