ネヘミヤ記
エルサレムの城壁の再建
ネヘミヤ記の著者はネヘミヤである。
1:1-7:4は,
エルサレム城壁の再建
7:5-10:39は,
エズラ,ネヘミヤの宗教改革
11:1-13:31は,付記的事項
●
ネヘミヤ記はエズラ記の続編です。
ユダヤ人がバビロニア補囚から
帰還した後の,
エルサレムでの工事の進展と
数々の障害についての記録が
含まれています。
ネヘミヤは
バビロンにいた高貴な身分の
イスラエル人で,
レビ人またはユダの部族に
属していました。
アルタシャスタ王の宮廷で
給仕役の地位にありました。
ネヘミヤはアルテシャスタから
エルサレムの城壁の再建を
認める許可を得ています。
○
1-7章
ネヘミヤの第1回エルサレム訪問と,
大きな障害にもかかわらず
城壁が再建されたことが
書かれています。
○
エルサレムの城壁
(ネヘミヤ1:1,2)
「ハカルヤの子ネヘミヤのことば。
第二十年のキスレウの月に,
私がシュシャンの城にいたとき,
私の親類のひとりハナニが,
ユダから来た数人の者と
いっしょにやって来た。
そこで私は,
捕囚から残ってのがれたユダヤ人と
エルサレムのことについて,
彼らに尋ねた。
すると,彼らは私に答えた。
『あの州の捕囚からのがれて
生き残った残りの者たちは,
非常な困難の中にあり,
またそしりを受けています。
そのうえ,
エルサレムの城壁はくずされ,
その門は火で
焼き払われたままです。』」
ネヘミヤは,
エルサレムの城壁の
崩れていることを聞きます。
(ネヘミヤ1:3)口語訳
「彼らはわたしに言った,
『かの州で捕囚を免れて
生き残った者は大いなる悩みと,
はずかしめのうちにあり,
エルサレムの城壁はくずされ,
その門は火で
焼かれたままであります』と。
○
ネヘミヤの祈り
(ネヘミヤ1:4口語訳)
「わたしはこれらの言葉を聞いた時,
すわって泣き,
数日のあいだ嘆き悲しみ,
断食して天の神の前に祈って,」
ネヘミヤはまず祈ります。
(ネヘミヤ1:11口語訳)口語訳
「『主よ,どうぞしもべの祈と,
あなたの名を恐れることを
喜ぶあなたのしもべらの祈に
耳を傾けてください。
どうぞ,きょう,しもべを恵み,
この人の目の前で
あわれみを得させてください』。
この時,
わたしは王の給仕役であった。」
○
城壁の再建
(ネヘミヤ2:17口語訳)
「しかしわたしはついに彼らに言った,
『あなたがたの見るとおり,
われわれは難局にある。
エルサレムは荒廃し,
その門は火に焼かれた。
さあ,われわれは再び世のはずかしめを
うけることのないように,
エルサレムの城壁を築こう』。
ネヘミヤは,
城壁の再建の計画を宣べます。
○
城壁の完成
(ネヘミヤ6:15)口語訳
「こうして城壁は五十二日を経て,
エルルの月の二十五日に完成した。」
エルサレムの城壁再建は,
52日目に完成しました。
☆彡
(ネヘミヤ6:15,16)口語訳
「こうして城壁は五十二日を経て,
エルルの月の二十五日に完成した。
われわれの敵が皆これを聞いた時,
われわれの周囲の異邦人はみな恐れ,
大いに面目を失った。
彼らはこの工事が,
われわれの神の助けによって
成就したことを悟ったからである。」
○
8-10章
ネヘミヤが実施しようとした
宗教上の改革と
社会改革について述べられています。
○
律法の朗読
(ネヘミヤ8:8-10)口語訳
「彼らはその書,
すなわち神の律法をめいりょうに読み,
その意味を解き明かして
その読むところを悟らせた。
総督であるネヘミヤと,
祭司であり,学者であるエズラと,
民を教えるレビびとたちは
すべての民に向かって
『この日はあなたがたの神,
主の聖なる日です。
嘆いたり,
泣いたりしてはならない』と言った。
すべての民が律法の言葉を
聞いて泣いたからである。
そして彼らに言った,
『あなたがたは去って,
肥えたものを食べ,
甘いものを飲みなさい。
その備えのないものには
分けてやりなさい。
この日は
われわれの主の聖なる日です。
憂えてはならない。
主を喜ぶことは
あなたがたの力です』」。
○
罪の告白
(ネヘミヤ9:2,3)
「『かえって,
彼らも,その息子たちも,
これらの国々の娘をめとり,
聖なる種族がこれらの国々の民と
混じり合ってしまいました。
しかも,つかさたち,
代表者たちが
この不信の罪の張本人なのです。』
私はこのことを聞いて,
着物と上着を裂き,
髪の毛とひげを引き抜き,
色を失ってすわってしまった。」
○
11-13章
エルサレムに住む資格のある
人々の名前が列挙されていて,
また城壁の奉献の様子が
記録されています。
第13章4~31節には
12年間在職した後の
ネヘミヤの2度目エルサレム訪問のことが
記されています。
○
エルサレムの喜び
(ネヘミヤ12:43)口語訳
「こうして彼らはその日,
大いなる犠牲をささげて喜んだ。
神が彼らを大いに喜び
楽しませられたからである。
女子供までも喜んだ。
それでエルサレムの喜びの声は
遠くまで聞えた。」
ネヘミヤ記の12章は,
城壁の奉献式が記されています。
神殿を中心としたダビデの賛美が
回復しました。
ダビデの時代には
まさに国家としての
事業であったことが,
ここでは異邦人の支配の下で
民族的なレベルの小規模な
イベントでした。
しかし,
43節の「こうして」とあるように,
そこには,
大人だけでなく,女も子どもも,
共に喜ぶ祝うその声がはるか
遠くまで聞こえました。
○
供え物をささげさせ
(ネヘミヤ13:31) 口語訳
「また定められた時に,
たきぎの供え物をささげさせ,
また初物をささげさせた。
わが神よ,わたしを覚え,
わたしをお恵みください。」
ネヘミヤが,イスラエルの民を導いて,
エルサレムの帰還の日を
迎え得たときの言葉です。
☆彡
(ネヘミヤ13:30,31)口語訳
「このように,わたしは彼らを清めて,
異邦のものをことごとく捨てさせ,
祭司およびレビびとの務を定めて,
おのおのそのわざにつかせた。
また定められた時に,
たきぎの供え物をささげさせ,
また初物をささげさせた。
わが神よ,わたしを覚え,
わたしをお恵みください。」