パウロ,ローマで宣教する
(使徒28:30,31)
「こうしてパウロは満二年の間,
自費で借りた家に住み,
たずねて来る人たちをみな迎えて,
大胆に,少しも妨げられることなく,
神の国を宣べ伝え,
主イエス・キリストのことを教えた。」
パウロは軟禁状態のまま
「満2年」を過しました。
その後,彼がどうなったか,
本書は何も語っていません。
2年後,釈放されて,
更にスペインにまで伝道の足を
延したという伝承もありますが,
(ローマのクレーメンス
『コリント人への第1の手紙』5:7),
確かではありません。
いずれにせよこの2年が,
実り多い日々であったと思われます。
恐らくここで「獄中書簡」と呼ばれる
4つの手紙が記されました。
(エペソ,ピリピ,コロサイ,
ピレモンの4書簡)
パウロの神学的思索が,
深められ,強くされ,
イエス・キリストの日を目指す
喜びに輝いたのは,
この捕囚生活の中でした。
「たずねて来る人たちをみな迎え」
(28:30)とある通り,
パウロの心はとらわれず,
すべての人とすべての世界に
開かれていました。
「大胆に,少しも妨げられることなく,
神の国を宣べ伝え,
主イエス・キリストのことを教えた。」
(使徒28:31)
神の国と主イエス・キリストは,
前進しました。
エルサレムから始まった宣教は,
ローマに達しましたが,
福音の宣教は続きます。
本書は唐突な終わりとなっています。
続く神のわざ,聖霊のわざの,
続いていることを示しています。
2020-05-26