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朝の光(聖書の言葉)

イザヤ書 解説 B 2021.1.15

イザヤ書 預言書





 イザヤ書は,預言者イザヤが著者です。

(イザヤ1:1)

紀元前701−681年の間に

書かれたと言われています。


 「イザヤ」という名前は,

「ヤーウエ(神)は救い主」という意味です。


イザヤは,

ウジヤ王の死んだ年(前742年ごろ)に

召命を受けています。(イザヤ6:1)


預言者イザヤが預言するようにと

遣わされたのは主にユダ王国でした。


イザヤは,ヨタム,アハズ,ヒゼキヤ,

マナセ時代までの約50年ものあいだ,

預言者として活動しています。


南王国ユダはリバイバルの時も

反抗の時も経験していて,

アッシリヤとエジプトの侵略の

危険にさらされながらも,

神のあわれみによって救われました。


イザヤは罪の悔い改めと,

後に来る神の救いのメッセージを語りました。


イザヤ書は,

キリストの生涯を預言していることから,

「第5福音書」と呼ばれることがあります。




イザヤは北王国イスラエルが

アッシリヤにほろぼされたとき

南王国のユダで活躍しています。



 


 イザヤの預言者としての召命


(イザヤ6:1−3)

「ウジヤ王が死んだ年に,
私は,高くあげられた王座に
座しておられる主を見た。
そのすそは神殿に満ち,
セラフィムがその上に立っていた。
彼らはそれぞれ六つの翼があり,
おのおのその二つで顔をおおい,
二つで両足をおおい,二つで飛んでおり,
互いに呼びかわして言っていた。
『聖なる,聖なる,聖なる,万軍の主。
 その栄光は全地に満つ。』」


 ウジヤ王が死んだ年は,前740年です。


北王国イスラエルの腐敗が

南王国ユダに激しく浸透しているとき,

イザヤは危機感を覚えました。


そのとき,イザヤに神の幻が示されました。


「万軍の主」とは,

天地万物を統轄している神に対する呼称です。


新約聖書のヨハネの福音書には,

次のように書かれています。


(ヨハネ12:41)

「イザヤがこう言ったのは,
イザヤがイエスの栄光を見たからで,
 イエスをさして言ったのである。」


 


 処女受胎


(イザヤ7:14)

「それゆえ,主みずから,
あなたがたに一つのしるしを与えられる。
見よ。
処女がみごもっている。
そして男の子を産み,
 その名を『インマヌエル』と名づける。」


 ユダの王ウジヤの甥アハズ王の時代に,

シリヤと北王国イスラエルが脅かしたとき,

アハズ王とユダの民に

イザヤを通して告げられました。


処女がみごもるという奇跡を,

ユダの国民に与えると預言です。


この奇跡は,

新約聖書のイエスの降誕に

よって成就します。


(マタイ1:23)

「見よ,処女がみごもっている。
そして男の子を産む。
その名はインマヌエルと呼ばれる。」
(訳すと,神は私たちとともにおられる,
 という意味である。)




 ガリラヤの光栄


(イザヤ9:1b,2)

「しかし,苦しみのあった所に,
やみがなくなる。
先にはゼブルンの地とナフタリの地は,
はずかしめを受けたが,
後には海沿いの道,
ヨルダン川のかなた,
異邦人のガリラヤは光栄を受けた。
やみの中を歩んでいた民は,
大きな光を見た。
死の陰の地に住んでいた者たちの上に
 光が照った。」


イエス・キリストは,

ガリラヤ湖畔で生涯の大半を過ごしました。


「輝け主の栄光」(ワーシップ)

「愛の光り 輝き 暗闇を照らし出す
わが主イエス 世の光り
自由を与える力 いのちのみことば
輝け 主の栄光 地の上に
 心を 燃やしたまえ」




 王なるメシヤ(キリスト)


(イザヤ9:6,7)

「ひとりのみどりごが,
私たちのために生まれる。
ひとりの男の子が,
私たちに与えられる。
主権はその肩にあり,
その名は
『不思議な助言者,力ある神,
永遠の父,平和の君』
と呼ばれる。
その主権は増し加わり,
その平和は限りなく,
ダビデの王座に着いて,
その王国を治め,
さばきと正義によってこれを堅く立て,
これをささえる。
今より,とこしえまで。
 万軍の主の熱心がこれを成し遂げる。」


 ダビデの王座に就く

メシヤ(キリスト)を預言します。


ダビデの子孫イエスにおいて

これが成就します。


イエスが勝利者で統治者である王,

そして平和の君として来られます。


それは,再臨のイエス・キリストの姿です。


 


 主を待ち望む者


(イザヤ40:31 口語訳)

「主を待ち望む者は新たなる力を得,
わしのように翼をはって,
のぼることができる。
走っても疲れることなく,
 歩いても弱ることはない。」


 イスラエルの神は永遠の神であり,

創造主であり,力ある全知全能のお方です。


その神に信頼する者には

新しい力が与えられ,

元気に満ちあふれるという約束が

明言されています。


☆彡


(イザヤ40:28−31)

「あなたは知らないのか,
聞いたことはないのか。
主は,とこしえにいます神,
地の果てに及ぶすべてのものの造り主。
倦むことなく,疲れることなく,
その英知は究めがたい。
疲れた者に力を与え,
勢いを失っている者に
大きな力を与えられる。
若者も倦み,疲れ,
勇士もつまずき倒れようが
主に望みをおく人は新たな力を得,
鷲のように翼を張って上る。
走っても弱ることなく,
 歩いても疲れない。」


 



 わたしはあなたを愛している


(イザヤ書43:4)

「わたしの目には,

あなたは高価で尊い。

わたしはあなたを愛している。」   


 神の造られた民もこの民族は

不従順であった。


この民の罪と苦難をとおして,

神が働き,

ご自身が神であることを,

全世界に示します。


わたしたちにとっては,

イエス・キリストの十字架の業によって,

私たちの罪を赦してくださいます。


十字架は,神の私たちの愛の現れです。




 受難の僕


(イザヤ53:3−5)

「彼はさげすまれ,
人々からのけ者にされ,
悲しみの人で病を知っていた。
人が顔をそむけるほどさげすまれ,
私たちも彼を尊ばなかった。
まことに,彼は私たちの病を負い,
私たちの痛みをになった。
だが,私たちは思った。
彼は罰せられ,神に打たれ,
苦しめられたのだと。
しかし,彼は,
私たちのそむきの罪のために刺し通され,
私たちの咎のために砕かれた。
彼への懲らしめが私たちに平安をもたらし,
彼の打ち傷によって,
 私たちはいやされた。」


 この預言は,

イエスの受難と十字架の死によって

成就しました。


イエスの弟子のペテロは

次のように言います。


(1ペテロ2:21−24)

「あなたがたが召されたのはこのためです。
というのは,
キリストもあなたがたのために
苦しみを受け,
その足跡に続くようにと,
模範を残されたからです。
『この方は,罪を犯したことがなく,
その口には偽りがなかった。』
ののしられてもののしり返さず,
苦しめられても人を脅さず,
正しくお裁きになる方に
お任せになりました。
そして,十字架にかかって,
 自らその身にわたしたちの罪を
担ってくださいました。
わたしたちが,罪に対して死んで,
義によって生きるようになるためです。
そのお受けになった傷によって,
 あなたがたはいやされました。」


 



 捕囚からの解放


(イザヤ61:1,2b)

「神である主の霊が,
わたしの上にある。
主はわたしに油をそそぎ,
貧しい者に良い知らせを伝え,
心の傷ついた者をいやすために,
わたしを遣わされた。
捕らわれ人には解放を,
囚人には釈放を告げ,
主の恵みの年と,
 われわれの神の復讐の日を告げ,」


 「主はわたしに油を注ぎ捕らわれた人には

解放を囚人には釈放を」の言葉は,

「主は油を注がれた者クロス」

(イザヤ45:1)に仰せられ,

バビロンからの解放を

直接的には指しています。


 イエス・キリストはナザレの会堂で,

このイザヤ書(61:1,2b)

を読みます。


そして,

「きょう,聖書のみことばが,

あなたがたが聞いたとおり実現しました」

と語り,

ご自身が

主の油そそがれた者であると宣言します。



(ルカ4:18,19)

「わたしの上に主の御霊がおられる。
主が,貧しい人々に福音を伝えるようにと,
わたしに油をそそがれたのだから。
主はわたしを遣わされた。
捕らわれ人には赦免を,
盲人には目の開かれることを告げるために。
しいたげられている人々を自由にし,
 主の恵みの年を告げ知らせるために。」





 新天新地


(イザヤ65:25)

「『狼と子羊は共に草をはみ,
獅子は牛のように,わらを食い,
蛇は,ちりをその食べ物とし,
わたしの聖なる山のどこにおいても,
これらは害を加えず,そこなわない』
 と主は仰せられる。」


 神の国の到来の預言です。

究極には,

キリストの再臨の時に来る,

新天新地の預言です。


ペテロも次のように預言しています。


(2ペテロ3:13)

「私たちは,神の約束に従って,
 正義の住む新しい天と新しい地を
待ち望んでいます。」



2017.2.6

2022-08-31 改定



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