薄いブリキ戦車人丸

好きなことを色々書いています。

日本シリーズ第1戦

2020-11-22 11:05:13 | 日記
いわゆるコロナ渦で、開幕が6月中旬にずれ込み、公式戦は11月上旬までの120試合となった日本プロ野球(NPB)。

しかし、米国では比較にならないほどひどいコロナ渦となり、60試合の開催にとどまったMLBと比較したらNPBは数段ましな状況であった。

NPBでは現在まで至るソーシャルディスタンス確保を目的とする入場制限や選手・関係者の新型コロナ感染が散発したものの、こうして日本シリーズを迎えることが出来て、野球ファンの一人としてやはり喜びを感じるところである。

さて、リーグ優勝を2018年から2年連続で逃すも、クライマックスシリーズ(CS)でいずれも勝ち上がって、これまで苦難の歴史と言えたCSで十分に借りを返し、その勢いで日本シリーズも2年連続で制した福岡ソフトバンクホークス。

2017年はリーグ優勝ながらもセ・リーグ3位から勝ち上がった横浜DeNAベイスターズ相手に予想外に苦戦しながらも何とか日本シリーズをモノにして以来、目下シリーズ3連勝中である。

対する読売ジャイアンツ(巨人)は、2012年に北海道日本ハムファイターズを下して日本一に輝いたものの、翌13年は第7戦までもつれるも東北楽天ゴールデンイーグルスに惜敗。以来リーグ上位にはつけるものの2019年まで優勝はなく、日本一奪還が期された日本シリーズはCSを勝ち上がったホークス相手にまさかの4連敗。

19年のシリーズは折しもラグビーワールドカップの日本大会がたけなわの時期ということもあり、話題を大きく奪われたばかりではなく、巨人の4連敗をラクビーになぞらえて「オールブラックス」とか「リーチ・マケル」などと揶揄される有り様だった。

それだけに、19年は本調子ではなかったエース菅野智之がリーグ最多勝と抜群の成績を残した20年は巨人にとって雪辱を期すチャンスであり、初戦を菅野で取れるかがある意味日本一奪回の前提条件と言えた。

一方で、ホークスも大エースと言える千賀滉大を立ててくる。160km/hに達する豪速球とお化けフォークの異名を取るフォークをはじめとする変化球も球界指折りの存在。

つまり、菅野が強力ホークス打線を最少失点に抑える一方で、巨人打線が千賀を何とか打ち崩すことも勝利の条件となっていたのである。

巨人は若手の心境著しい将来性あるチームであり、他球団から闇雲に選手を引っ張って金の力で勝つかつてのチームではなくなりつつある。

一方のホークスは17年にベイスターズ相手に辛勝したものの、当時は選手の高齢化は否めず、若くて勢いのあるベイスターズ相手に翻弄された印象は否めなかった。

ところが、投打ともに若手の選手が次第に頭角を顕して、徐々に世代交代を進めてきた。2020年にホークスがリーグ優勝を奪還できたのはやはり若手が結果を出して、貴重な戦力となったことが大きかった。

巨人・菅野はプロ野球ファンなら誰でも知るとおり、球界のエースとも言える存在であり、強力ホークス打線言えども打ち崩すことは容易ではない。

千賀も同じく球界のエース格であり、2020年11月21日の第1戦は当然接戦が予想された。

ところがここで菅野を仕留めたのは実質的にルーキーに近い存在の栗原陵矢。元々捕手ながらも非凡な打撃を買われて外野と一塁で起用され、一時期は4番に座っていた今季台頭の若手有望株である。

栗原は1本塁打を含む4打点の活躍。MLBの選手にあやかってはじめ、関連商品もペイペイドームで発売された「ケバブポーズ」も見事に決めてみせた。そして、ホークス打線がフォア・ザ・チームに徹して栗原につなげたことが大きかったことは言うまでもない。

ホークス投手陣も森唯斗が緒戦の緊張からか、セーブのつかない場面で1点を失った以外は、危なげない投球できちんと仕事を果たしていた。

栗原はもちろん、この日のヒーローとなり、その端正な顔立ちは全国に知られることになった。

一方で、菅野で第1戦を落とした巨人。ホークスは千賀に続く先発投手陣も後に控えるリリーフ陣も充実している。森も2戦目以降はそうそう点を与えないだろう。

強力ホークス打線相手に最少失点に抑えて、打線が調子を出してゲームを作ることが出来るかが巨人の課題となるだろう。

渡哲也さん逝く

2020-08-14 23:11:40 | 日記
俳優の渡哲也さんが闘病の末、8月10日に亡くなられた。

とてもカッコ良く、何をやらせても華がある二枚目俳優だった。

何と言っても、台詞を発しなくても、凄みとメッセージ、そして何よりもカッコ良さが伝わってくる希代の俳優さんだった。

石原裕次郎さん亡き後の石原プロモーションも最近まで良く支えていた。後進の俳優育成にもかなり貢献してきたのではないかと思われる。

私的には、「松竹梅」のCMを長年務め、そこでの渡さんがとてもサマになっていたことが一番印象に残っている。

今や日本中で知らない人はいないこの清酒のイメージ向上、売り上げの向上に多大な貢献をしてきたことは想像にかたくない。

不世出の俳優さんだった。
やはり、残念でならない。

半永久的に武雄温泉乗り換え?

2020-07-28 22:56:19 | 日記
九州新幹線長崎ルートの工事が進んでいる。現在長崎から武雄温泉まで軌間1435mmの標準軌フル規格で整備が進んでいて、武雄温泉で在来線特急と同一ホームで乗り換えとなる予定である。

問題は、鳥栖市から武雄市までの区間。
この区間はレール幅が36.8cmも狭い1067mmの在来線をフリーゲージトレインを開発して走らせる予定であったが、その開発が暗礁に乗り上げて事実上とん挫してしまっている。

九州新幹線の場合、新八代から鹿児島中央までを先行開業して、新八代以北は在来線を運行して、新八代駅で同一ホーム乗り換え。博多発鹿児島中央行きの「リレーつばめ」。鹿児島中央発の「つばめ」も新八代行きじゃなくて博多行きと2本の列車ながらも事実上同一の枠組みで運行されていた。

長崎ルートの場合もおそらく、博多発の在来線特急を「リレー◯◯◯」長崎行きとし、長崎発の新幹線列車も同様に「◯◯◯」博多行きという扱いになるものと思われる。

高速道路で現地へ行ってる人の実感からすれば、長崎道の川登SA(武雄市)付近から「ながさき出島道路」の長崎市街地付近出口までの所要時間を考えれば、快調に進めば概ね1時間程度で到着できる距離。武雄温泉で新幹線に乗り換えてもあまり意味がないんじゃないかと思わずにはいられない。

佐賀県としても、フリーゲージトレインの運行ということで説明を受けているだけに今さらフル規格での建設には今までどおりソッポを向き続けることになるだろう。なぜなら佐賀県側にも莫大な負担金がかかってくるからだ。

このままだと長崎ルートの新幹線「◯◯◯」は半永久的に武雄温泉乗り換えで固定され、博多駅の在来線ホームを出発する「リレー◯◯◯」をいつまでも見続けることになってしまうことだろう。

楽しいコサックダンス No.2

2020-07-22 17:52:46 | 日記
前回紹介した「小休止」のロングバージョンである。

出演者は前回作品とほぼ同じ。バヤン(アコーディオン)を演奏する隊長に。あわて者の主計兵(コック)に、ローシキ(スプーン)を持った隊員。隊員の中には主計兵の助手とおぼしきエプロンを付けた兵もいる。

ローシキはロシアなどでは楽器として用いられ、カチャカチャと小気味良く鳴らしてムードを盛り上げる役割を果たす。

ロシアとウクライナでは同じコサックダンスでも動きが微妙に異なる。ロシアのプリャースカでは横向きに跳躍する動きが結構見られるが、ウクライナのホパークではそれがまず見られない。

演出はウクライナ人のパーヴェル・ヴィルスキーながらも横向きに跳躍したり、身体をパンパンとはたくロシアのプリャースカ特有の動きが多い。ソ連はやはりロシア人が多数派のため、ロシア風が中心になってしまうのであろう。

逆に低姿勢で膝を曲げてちょこまかと動くのはホパークの特徴で、現在のロシアではあまり見られない。2人が並んで小気味良く踊るのもホパーク的であり、ウクライナ的な動きもうまく取り入れられている。

愛の貧乏脱出大作戦 焦げたメンチカツ

2020-07-18 09:51:08 | 日記
依頼者は茨城県で食料品店(スーパー)を営んでいた3兄弟。

負債の総額は1億円に達し、「無理心中も頭を過った」という悲惨な状況だった。

昭和から平成の初期にかけて、全国の街中で見られた、食料品を主体に若干の日用品を置く零細経営の小規模スーパー。

競争は厳しく、平成のバブル崩壊以降はこういった街中にあった零細経営のスーパーは競争に敗れ、次々に姿を消していった。

代わりに残ったのは、イオンやイズミと言った大企業が運営する比較的規模の大きいショッピングモールやそれよりも若干小型タイプの店。

かつては零細経営が多かったスーパーは今では少なくとも中堅企業クラスの資本があって、かつ大資本と提携していることが要件になっている感すらある。

3兄弟のスーパーも大資本の傘下に属さない典型的な零細経営。
周辺には競合店もあり、元々競争が激しく、財政難から店の改装やサービスの向上もままならない状況だった。

そこで、3兄弟は愛の貧乏脱出大作戦に応募して、店の建て直しを図ろうとするのだが、2週に渡って放送された内容は藁にもすがる気持ちの3兄弟を出来損ないのピエロにするひどいもの。

中でも目玉の一つだったのが、南関東某市にある某揚げ物店で3兄弟のうち1名がメンチカツを修行して、店の看板商品にするというものであった。
なお、修行へ向かった人物(以下「依頼者」)は惣菜作りの経験がほぼゼロであった。

前回は、群馬県在住の初老男性がちゃんこ修行を行った際の悲惨な状況について書いたが、この揚げ物店での修行もひどいものだった。

まず、店の関係者が依頼者をあからさまに邪魔者扱いする。繁盛店で忙しいのでトーシローな依頼者に構ってられないというこの番組では良くあるパターン。
だったら修行なんか引き受けるなよとこの手のスタンスの店に言いたくなる。

そして、ちゃんこ店での修行の話でもそうだったが、依頼者の技量も省みずに取りあえず簡単にやってみせて、後は依頼者にやらせて、出来が悪かったらマウントを取って怒鳴り付けるというあまりにも愚かな指導の連続。

肝心のメンチカツ習得。ここで目を疑う光景に遭遇。依頼者は何度やってもメンチカツが黒焦げになってしまうのである。揚げ物店の達人はもったいないと依頼者の不出来をなじり、怒鳴り付ける。

ちゃんこ店での依頼者と同じく、揚げ物店での依頼者もすっかり強迫観念に襲われ、何度も失敗してしまう。

なぜ、このようなことになるのかは、毎日食事を作っている人なら誰でもわかるだろう。揚げ物には油の温度と時間の調節が重要。ところがあまり経験のない人物が勘所をつかまないままやってしまうと、上手に揚げることが出来ない。

なので、依頼者のような素人同然の人物にはまずは家庭用の小型フライヤーで練習させるなど、油の温度と必要な時間、仕上がり具合を覚え込ませるのが先決。貴重な食材を無駄にするのが嫌なら、ある程度基礎を覚えてからやらせる方がどう考えたって賢明だ。

たくさんの揚げ物を一気にこなせる業務用フライヤーの前で実戦を想定して臨むのは良いが、トーシローな依頼者にいきなりやってみろではうまく行くはずがない。焦げた揚げ物を量産するだけだ。

ある程度の経験者が修行するのなら、飲食業界では常識ともいえる「盗んで覚える」という手法も取り得るが、トーシローな依頼者にもそれで行くのは愚策でしかない。

ここの達人も人にモノを教える能力がなかった。
単純に温度や揚げ時間といったポイントを教えて、依頼者の習熟度に合わせて徐々にレベルを上げて行けばずっと効率的に指導できたはずである。この依頼者には時間とタイミングさえ満足に身に付いていない。何度も黒焦げになるメンチカツがそれを物語っていた。

結局、メンチカツも最後まで十分に完成しないまま後は茨城の店へ帰って改良しろという話となった。
揚げ物店での修行なのに、依頼者の技量も考慮しない指導で、揚げ物のイロハさえも身に付かない意味のない修行。

依頼者が身に付けたのは、嫌な思い出と揚げ物に対する嫌悪感とトラウマだったに違いあるまい。

この他にも3兄弟に山で滝行をやらせるなど意味不明で効果のない修行のオンパレード。「出来が悪くてだらしのない」3兄弟として、完全にピエロとなっていた。

スーパー再オープンの当日。競合店はマグロの解体を誘致するなど厳しい状況下でのスタート。
その後も経営は振るわず、ほどなく閉店してしまったという。

今回、あえて関連付けなかったが、プロレスラーでYouTuberの青年が現地を訪れて、周辺の店舗などで情報を聞いていた。

まず放送から20年も経過しているので、店がどこにあったのか、当時の状況がどうであったのか知らない人が多い中で、3兄弟が出入りしていたという飲食店で、状況を知ることが出来た。

そこの店主によれば、

①郊外型の大型店に客を取られ、3兄弟のスーパーも、マグロの解体を誘致して対抗していた競合店も共倒れとなり、現在では周辺には食料品店がない状況。

②メンチカツを売りにする戦略だったが、たかが1週間程度の修行で身に付くはずがなく、お客を呼ぶことは出来なかった。

③スーパー2軒のほか、他の店舗も経営不振に陥るところが多く、店の跡地に賃貸住宅が多く出来ている。かつては商業地だった界隈はすっかり様変わりしている。

客観的に見れば、1億円の負債を抱えるトーシロー集団がこれから商業地としては衰退が予想される地で、時代遅れとなりつつある零細経営のスーパーでやっていけるものではなく、揚げ物を売りにするのであれば、それだけに規模を縮小してやれば良いのにと思われた。それもあまりやる気のない店での修行じゃなくて。

愛の貧乏脱出大作戦でいつも疑問に思うのは、再建プランは目を引くが、それが経営の改善に直結していないこと。

飲食店での修行は良いが、経験者向けの「盗んで覚える」タイプの修行を未経験者にも安易にやらせるやる気に乏しい達人や、やたらとマウントを取って怒鳴り付けるよう人間性に問題のある達人、そして問題があれば一方的に依頼者の責任に帰する無責任な達人。
まさに残酷物語のオンパレードな愛の貧乏脱出大作戦。

料理の腕は確かだが、指導者として疑問符の付く人物のところを修行先にしても意味はないのである。