今晩は。
お盆が明け、卒業生がよく連絡をくれたり、学校に顔を見せに来たりします。3年前(本ブログを始めた頃)の卒業生と、今年の卒業生です。
3年前の卒業生は、浪人していなければ大学生最後の夏休みで、民間の就活が落ち着きつつあるか、院試を迎えようとする時期です。
今年の卒業生は、集団でやってくる子と単独で姿を現す子に分かれていますが、いずれも見かけがすっかり大学生らしくなって、生き生きしているのを見ると、それぞれの道を踏み出し始めているのが分かります。楽しみなことです。
例年この時期は長期の宿泊行事があったので、訪ねてきた卒業生に会うことがこれほど多くはなかった気がします。
今年は猛暑を避けて宿泊行事が7月になり、秋行事の配分も変わったので、いつもと緊張感のタイミングの計り方が異なり、試行錯誤の日々です。
さて、くさかんむりの漢字です。
引いていて感じるのは、訓読みが名詞のみのものは、もうとにかく、固有名詞や植物の特徴(実が丸いとか香が強いとか)を覚える感じで、訓読みが動詞や形容詞を含んでいると、特筆すべき熟語が多いという気がする、ということです。
『要覧』203頁「艸」~206頁「蓖」の特筆すべき漢字・語について。
・「芒洋(ぼうよう)」…茫洋。
→「芒」=広々としたようす。
・「芸」=※「藝」の略字として使われてきた「芸」と同じ字形の漢字が別に存在し、その音は「ウン」で、「香草」、「除草」などの意。
・「苡」=オオバコの意。
・「家苴(いえづと)」
→「苴」=土地の産物、みやげ。
・「范」=※外枠、規範の意。また、草の名。ハチの一種の名。
・「苹果(りんご)」…難読語。
・「茵席(いんせき)」
→「茵」=しとね、しきもの。
・「荀」=美しい草の意。
※「筍」「苟」とは別字。
・「茹」=※もとは野菜、また野菜を食べる意。
・「荐及(せんきゅう)」…重ねて起こる。
・「荐食(せんしょく)」…しきりに食べる。また、次々に侵略する。
→「荐」=重ねる、重なる。
・「茯苓(ぶくりょう)」…松の根に寄生するキノコ。
→「茯」=キノコの一。
・「茗園(めいえん)」…茶畑。
→「茗」=茶。
・「茘」=ねじれのある草の意。
・「莅職(りしょく)」…職につく。
・「莅政(りせい)」…政治を行う。
・「臨莅(りんり)」…天子が臨場する。
→「莅」=臨む、位につく。
・「莚」=「筵」=「蓆」=「むしろ」
・「菁莪(せいが)」…人材の育成。
→『詩経』「菁菁たる莪は材を育するを楽しむ、君子は能く人材を長育す」による。「莪」=あざみ。
・「荼毘(だび)」…火葬。
→「荼」=音訳に用いる。
・「荼毒(とどく)」…苦しめること。また、害毒。
→「荼」=ノゲシ、また、ニガナ。
・「莠言(ゆうげん)」…米に似ていながら実らない草のような、まやかしの言葉。
→「莠」=エノコログサ。
・「莉」=※もと、垣根をつくる草の意。
・「晦菴(かいあん)」…朱子の講義堂の名。
→「菴」=いおり。
・「星菫派(せいきんは)」…ロマン的詩人の一派。
→「菫」=スミレ。
・「菽粟(しゅくぞく)」…豆類と穀類。
→「菽」=豆の総称。
・「抜萃(ばっすい)」…抜粋。
→「萃」=あつまり。
・「菲才(ひさい)」…非才。
→「菲」=うすい、粗末。
・「菲沃斯(ひよす)」…薬用植物の一。幻覚作用があり、麻酔に使われる。難読語。
・「草莽(そうもう)」
→「莽」=くさ、くさむら。
・「萍水(へいすい)」…浮き草と水。流浪するものの例え。
→「萍」=うきくさ。
・「葭簀(よしず)」・「葭戸(よしど)」
→「葭」=水辺に生える植物。
・「華葩(けは)」…散華(さんげ)。
・「四葩(よひら)」…アジサイ。
→「葩」=花びら。
・「蒿矢(こうし)」…ヨモギの茎で作った矢。
・「蒿廬(こうろ)」…草深い庵。
・「蓬蒿(ほうこう)」…ヨモギ。
→「蒿」=ヨモギ。
・「蒟」=つる性の樹木の一。実からスパイスをとる。
・「蓍」=めどき、ハギの一種。メドハギ。また、その茎で作った占いの道具。
・「蓍萩(めどはぎ)」…難読語。「鉄掃箒」はお馴染みだが、「蓍萩」をいきなり出されても読めない気がする。
・「蒻」=※もと、ガマ(多年草の一)の芽。また、ガマを編んだむしろの意。
こういう説明は、簡単な中身なのだが、要覧の訓読みと照合すると、実に腑に落ちる。
・「蓐」=「褥」
→「就蓐(しゅうじょく)」「病蓐(びょうじょく)」
・「蓖麻(ひま)」…トウゴマの別称。
→「蓖」=草の一。※「篦(へら)」とは別字。
くさかんむり②に続きます。
お盆が明け、卒業生がよく連絡をくれたり、学校に顔を見せに来たりします。3年前(本ブログを始めた頃)の卒業生と、今年の卒業生です。
3年前の卒業生は、浪人していなければ大学生最後の夏休みで、民間の就活が落ち着きつつあるか、院試を迎えようとする時期です。
今年の卒業生は、集団でやってくる子と単独で姿を現す子に分かれていますが、いずれも見かけがすっかり大学生らしくなって、生き生きしているのを見ると、それぞれの道を踏み出し始めているのが分かります。楽しみなことです。
例年この時期は長期の宿泊行事があったので、訪ねてきた卒業生に会うことがこれほど多くはなかった気がします。
今年は猛暑を避けて宿泊行事が7月になり、秋行事の配分も変わったので、いつもと緊張感のタイミングの計り方が異なり、試行錯誤の日々です。
さて、くさかんむりの漢字です。
引いていて感じるのは、訓読みが名詞のみのものは、もうとにかく、固有名詞や植物の特徴(実が丸いとか香が強いとか)を覚える感じで、訓読みが動詞や形容詞を含んでいると、特筆すべき熟語が多いという気がする、ということです。
『要覧』203頁「艸」~206頁「蓖」の特筆すべき漢字・語について。
・「芒洋(ぼうよう)」…茫洋。
→「芒」=広々としたようす。
・「芸」=※「藝」の略字として使われてきた「芸」と同じ字形の漢字が別に存在し、その音は「ウン」で、「香草」、「除草」などの意。
・「苡」=オオバコの意。
・「家苴(いえづと)」
→「苴」=土地の産物、みやげ。
・「范」=※外枠、規範の意。また、草の名。ハチの一種の名。
・「苹果(りんご)」…難読語。
・「茵席(いんせき)」
→「茵」=しとね、しきもの。
・「荀」=美しい草の意。
※「筍」「苟」とは別字。
・「茹」=※もとは野菜、また野菜を食べる意。
・「荐及(せんきゅう)」…重ねて起こる。
・「荐食(せんしょく)」…しきりに食べる。また、次々に侵略する。
→「荐」=重ねる、重なる。
・「茯苓(ぶくりょう)」…松の根に寄生するキノコ。
→「茯」=キノコの一。
・「茗園(めいえん)」…茶畑。
→「茗」=茶。
・「茘」=ねじれのある草の意。
・「莅職(りしょく)」…職につく。
・「莅政(りせい)」…政治を行う。
・「臨莅(りんり)」…天子が臨場する。
→「莅」=臨む、位につく。
・「莚」=「筵」=「蓆」=「むしろ」
・「菁莪(せいが)」…人材の育成。
→『詩経』「菁菁たる莪は材を育するを楽しむ、君子は能く人材を長育す」による。「莪」=あざみ。
・「荼毘(だび)」…火葬。
→「荼」=音訳に用いる。
・「荼毒(とどく)」…苦しめること。また、害毒。
→「荼」=ノゲシ、また、ニガナ。
・「莠言(ゆうげん)」…米に似ていながら実らない草のような、まやかしの言葉。
→「莠」=エノコログサ。
・「莉」=※もと、垣根をつくる草の意。
・「晦菴(かいあん)」…朱子の講義堂の名。
→「菴」=いおり。
・「星菫派(せいきんは)」…ロマン的詩人の一派。
→「菫」=スミレ。
・「菽粟(しゅくぞく)」…豆類と穀類。
→「菽」=豆の総称。
・「抜萃(ばっすい)」…抜粋。
→「萃」=あつまり。
・「菲才(ひさい)」…非才。
→「菲」=うすい、粗末。
・「菲沃斯(ひよす)」…薬用植物の一。幻覚作用があり、麻酔に使われる。難読語。
・「草莽(そうもう)」
→「莽」=くさ、くさむら。
・「萍水(へいすい)」…浮き草と水。流浪するものの例え。
→「萍」=うきくさ。
・「葭簀(よしず)」・「葭戸(よしど)」
→「葭」=水辺に生える植物。
・「華葩(けは)」…散華(さんげ)。
・「四葩(よひら)」…アジサイ。
→「葩」=花びら。
・「蒿矢(こうし)」…ヨモギの茎で作った矢。
・「蒿廬(こうろ)」…草深い庵。
・「蓬蒿(ほうこう)」…ヨモギ。
→「蒿」=ヨモギ。
・「蒟」=つる性の樹木の一。実からスパイスをとる。
・「蓍」=めどき、ハギの一種。メドハギ。また、その茎で作った占いの道具。
・「蓍萩(めどはぎ)」…難読語。「鉄掃箒」はお馴染みだが、「蓍萩」をいきなり出されても読めない気がする。
・「蒻」=※もと、ガマ(多年草の一)の芽。また、ガマを編んだむしろの意。
こういう説明は、簡単な中身なのだが、要覧の訓読みと照合すると、実に腑に落ちる。
・「蓐」=「褥」
→「就蓐(しゅうじょく)」「病蓐(びょうじょく)」
・「蓖麻(ひま)」…トウゴマの別称。
→「蓖」=草の一。※「篦(へら)」とは別字。
くさかんむり②に続きます。