mirror ~アタシ目線~

キモチを映すようにレンズを向ける。

千の名をもつ花

2012-10-21 | 心海

 

10月のはじめのこと。

約束の場所にアタシたちは向かった。

緑が広がる和かな道をゆっくり歩く。

「咲いているといいね」

期待通り、撮りたかった花は

「待ってたよ」と言わんばかりに咲いていた。 

 

彼岸花。 

花言葉:悲しい思い出、想うはあなた一人、また会う日を楽しみに

情熱、独立 など。

 

彼岸花のイメージは、なんだか寂しそうで悲しいようなものを感じる。

秋の彼岸の時期に咲くことから名づけられている。

別名、「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」

「赤い花・天上の花」の意味でおめでたい兆しとされている。

 他にもこの花は いくつかの名前をもつ。

その名前の意味や伝説の数だけ

花言葉の深い意味を感じるのです。

 

赤い花といえば 薔薇。

情熱的で愛おしい。

アタシも大好きな花。

でも、 この赤い彼岸花を知れば知るほど

エネルギーに満ちた赤がにじみ出る。

よく見れば容姿がオシャレ。

 包み込むように咲いた花は

きっと悲しい思い出さえも 柔らかく包み込む。

 

白黒つけられない灰色に染まるような日常だから

こんなにも存在感を発揮する赤に惹かれる。

 

そんなイメージをアタシは写真で伝えられているでしょうか。


 そんな想いを持ち合わせて

久しぶりの心海とのセッション。

同じ景色・同じ花を同じ場所で感じて

この花の魅力を教えてくれました。

 

 

 

 『千の名をもつ花』

 

偽りなき世界にも

赤い花は咲いているか

 

花びらは染まりゆくから

黄色い睫毛に静かな戒律を灯す

 

此岸の冷たい陰を彷徨い

安息のような微香を漂わせ

歩む道の傍らを燃やしながら

 

夜雨にうるみ

色褪せぬ掟が滲むとき

流れたのは雫か

束の間の免罪か

 

地上を覆い尽くすまで

澄んだ赤は深まり続ける

果てなき放熱を約束するかのように

 

「赤」という圧倒的な熱の放熱に

絶やすことのないエネルギー。

偽りのない愛情、理性と感情。

色褪せていく赤が雨でうるおって

より赤を光らせる。

 

読んで見てくれている人たちに

どれだけの赤を伝えられているのかな・・・。 


 

おまけショット。

アタシは白い彼岸花を初めて見た。 

赤とは違って神秘的。

たった一輪だけ咲いていたこの白は

あの日のあの時間を染めるためにあったんだと。

大切なことに気付いた時間でした。

 


 

写真:kaori.

詩:木目心海

 

 


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