後悔
ある日の早朝 僕は目覚めた
とてもとても嫌な夢を見た
あの人が暗闇の向こうへと
どんどん歩いて行く
僕はそれを引き留めようとする
けれどどうしてか声が出ない
あの人は一度だけ立ち止まり
振り返って僕を見て笑った
その笑顔はとても寂しそうだった
目覚めた僕は シャワーを浴びた
あの嫌な夢を払拭するように
彼のその寂しそうな笑顔が
頭から離れない
あの人はいつも感情を見せない
辛い時も哀しい時も一人で
周りに心配かけない様に
それを見るのは僕には辛かった
僕が頼りになれる人間だったなら
あの夢の様に 彼は姿を消した
誰にも言わずたった一人で
何が彼をそうさせたのか
何を背負っていたのか
せめて僕にだけは話して欲しかった
二人で過ごした時間は少ない
それでも僕を信じて欲しかった
今はただ彼が幸せであります様に
僕には祈る事しか出来ないのだ