老いの坂道(パピー)

楽しい心で歳を取り、働きたいけど休み、喋りたいけど黙る。
そんな気持ちで送る趣味を中心に日々の一端を書き留めています。

読書日記『春になったら苺を摘みに』 梨木香歩

2015-05-10 | 読書日記

いよいよ春ですね。

散歩路で出会う名も知らぬ花さんたちも

赤・白・青・・・待ってましたとばかりに

可憐な姿を楽しませてくれるときとなりましたね。

 

先日、いつものスーパーにお買い物に出かけて

花屋さんのウインドウを眺めていたら

今がシーズンの「金魚草」がありました。

《金魚草よその子すぐに育ちけり》

(よその子は、しばらく見ないと急に背が伸びたように

感じるものだ。たくさんの花をつける金魚草に

子供の成長を重ね、ユーモラスに詠んだ)

「成瀬」さんのこんな一句がありましたね。

 

黄色の金魚草をひとつでは少々寂しいので

好きな「かすみそう」を添えて買ってきました。

玄関カウンター上の備前花入れに活けてみたよ♪

花のある空間って心がなごみますね。

********************************************************

さて、今日の本題。久しぶりの「読書日記」です。

今回は梨木香歩さんの『春になったら苺を摘みに』です。

『家守奇譚』、『西の魔女が死んだ』に続き梨木さんの作

三作目。でも前二作はもう5年近く前に読んだので記憶

からはほぼ消滅。この作品『春に・・・』は春になったら

読もうと昨年から積読本で待機中だった。「春」「苺摘

み」から麗らかな春の野の風景を期待しながら読み進めた。

でも、その単純な期待は全くのハズレだった(笑)。本書は作者

同志社大学を脱け出し英国に留学した時のエッセー10編が

収録されています。下宿先のウエスト夫人は全くの無私の人。

宗教も人種も経歴も問わずその下宿の部屋を提供します。

ウエス夫人の強い博愛精神と時代に左右されない生き方

《理解できないが、受け入れる》精神が梨木さんのもともと備えて

いた繊細感受性を強く刺激したのだろう。唯、この梨木香歩さん

という作家さんはその個人的情報がさっぱり公になっていないのです。

「1959年(昭和34年)鹿児島の生まれ」、「同志社大学に進学、

英国留学」としか解らない(ネットで検索しても出て来ません)。

だからこの作品は珍しくその個人的内面を記している作品だとも言える

かも・・。さてこのエッセイ集では「ウエスト夫人」の強い博愛精神と

時代に左右されない生き方。そして《理解できないが、受け入れる》

精神を身近に接した彼女はその後の梨木さんの作品作りに大きな影響を

与えたように思われます。このエッセイを読みながらボクは《理解でき

ないけど、受け入れる》という精神がわが国の二つの隣国首脳方にも

少しはあったらもう少しは平穏な国際関係が構築されやすいのでは・・・

なんてあらぬ方向に思いを巡らしたりしてましたさらに前回読んだ

『西の魔女が死んだ』に登場する「おばあさんとこの作品のウエスト夫人が

常に二重写しになって浮かんでくるのを楽しい楽しんでいたりしてました

終局を迎えて場面はカナダからアメリカ(ウエスト夫人の生まれ故郷)へと

移り展開するストーリーの中にも梨木さんの繊細な感受性と深い洞察力が

遺憾なく発揮されて最後までじっくりと読ませて頂いたのでした。

物語の最後になって待望の「春になったら苺を摘みに」の言葉が一度だけ

出て来ましたよ。それはウエスト夫人から梨木さん宛てに送られてきた

手紙の一節にです。夫人は梨木さんに「またどうぞ英国に逢いにきて

ください」ではなく「春になったら苺を摘みに」行きましょう。

と締めくくっていました。この一言をこの本の題名に引用するなんて、

いかにも梨木さんらしいな・・・と「参った」とつぶやきながら読了しました。

***************************************************

もう少し読書にも励まねば・・・

と反省しつつ実行が難しいパピーでした。

***************************************************

□ 今日の散歩歩数:5412歩 □

最近は特に足腰が痛くって・・・

今月は目標6000歩と設定したけど、

頑張らねば!

*************************************************

☆今日も訪問いただきありがとうございます♪

 

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ランチとマグカップの買い物帖 | トップ | 後楽園日記『第60回茶つみ祭り』 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
春ですね~ (わか)
2015-05-13 06:53:32
おはようございます。パピーさん♪

もうほんと、春ですね~。
今日はこちらは気持ちよく晴れたので、
お洗濯をしました。

金魚草にかすみ草、とても素敵ですね!
癒されます^^

梨木香歩さんをお読みですか?
『家守奇譚』と『西の魔女が死んだ』は、
私も読みました!!特に『西の魔女が死んだ』が
好きで、DVDも観ました~。
『春になったら苺を摘みに』、私も読みたいです!
タイトルからして素敵ですよね。

足腰はどうですか??
私もちょっと左足のしびれ、違和感があるんです。。
変な姿勢でネットをだらだらしてたからでしょうか。

読書は、ゴールデンウィークの間は思いっきり
さぼっていました~。
なので昨日からなんとか読んでいます。
パピーさんの読書もはかどりますように!!
では、また~良い一日を!!
返信する
Unknown (パピー)
2015-05-13 14:05:56
わかさん、こんにちは。

当地も今日は快晴で~す♪
昨日雨だったので2日分洗濯しましたよ(笑)

午前中に3000歩の散歩完了、午後にあと3000目標!
お花はいいですね、お家の中、ちょっとした花でも一輪
あれば随分と気分が違ってきますね。

梨木さん、ボクは最初の手にしたのが『家守奇譚』
でした。ほとんど忘れたけど、なんだか奇妙なお話
だったんですよね、それで梨木さんに興味をもって
『西の魔女が死んだ』を読みました。これはほっこり
ムードで素敵な物語だったような・・・その時から
彼女の初期の作品を・・・と思っていたんだけど、
この『春に・・・』が大学卒業と同時に英国に留学
してその時のお話が綴られているとのことで読もう
と思ってたけど・・・小川洋子さんにハマってしまい
ここまで来てやっと手にしました。どんな方か、大変に
興味を持ちネットでいろいろ調べてみたけど、個人
情報はほとんど見当たらず、画像検索しても写真も
見当たりません。個人情報をここまで隠すって言うこと
はよほど作品に自信をお持ちなのか・・・<作家は
作品で勝負>なんてお考えかも・・・なんて思ってます
が、ますます覗き見趣味が高じていろいろ検索して
ますよ(笑)

最近の若い女流作家さんは新聞広告なんか見ても
容姿に自信がおありなのか、大きな写真が本の
広告に載ってますよね、そこまで大きく出さなくても
なんて思って見てます(笑)

読書はゆっくりペースで進めています。もう残り少ない
貴重な時間なので有効に使わねば・・・なんて焦り
気味ですが・・・。

足腰の痛さは日によってマチマチで今日は比較的
良好なようです。午後には近くの整形外科さんで
電気をかけに行きます。洗濯もの入れなきゃ(笑)

そうそう、これ面白そうな本、ご存知かな・・・
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860112679/bookmeter_detail_off-22/ref=nosim?SubscriptionId=170JSBBNXFAZPE36Q782&tag=bookmeter_detail_off-22&linkCode=xm2&camp=2025&creative=165953&creativeASIN=4860112679
返信する
Unknown (たまご)
2015-05-19 11:29:41
信州も春らしくなってきました♪
少しの間、花屋さんでバイトしてました(笑)
でも閉店するので最後のバイトとなってしまいました。
金魚草は別名スナップドラゴンといいます。
ミツバチがドラゴンに飲み込まれているような姿を
表現したようです。
パピーさんは本を沢山読まれますね^^
昔は私も良く読んだのですが
最近、本を開くと寝てしまいます
返信する
Unknown (パピー)
2015-05-20 09:53:57
たまごさん おはよう♪

春の信濃路、いいでしょうね。
また素敵な風景写真お願いしますね。

花屋さん、綺麗な花に囲まれてたまごさんの
美貌が一段と磨かれたんじゃありませんか・・・

金魚草ってスナップドラゴンね、成るほど
そういわれればそのよな感じにも見えますね。

足腰が弱って、あちこちとお出かけできないので
もっぱらベッドで横になって本読んでますが、
読書日記に上げようと思って読むと疲れます(笑)
もっと気楽に読書したいな~なんて。

>本を開くと眠くなる ってまだまだお若い証ですよ。
娘さん元気に学生生活楽しんでおられますか。。。

返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読書日記」カテゴリの最新記事