カタスミ

『ハリー・ポッターと死の秘宝(下)』J.K.ローリング著

あ~、面白かった!一気読みですよ…
読み終わっちゃって悲しい…
もっと読んでいたい…
以下ネタバレありの感想です。




















今まで散々ハリー短気すぎてイライラするわぁ!とか言ってましたが
ドビーが死んでしまった事で、ハリーがいろいろ悟り出し、
あ~、これはハリーの成長記録でもあるのね…と思いました。

分霊箱とか死の秘宝とか結構ややこしい設定の物が多くて
これ子供読んで分かるんだろうか…と思いました。
相手を打ち負かしたら杖の所有者が勝者に移るってのも
その打ち負かされたときに持ってた杖だけじゃなくて
それ以前に手に入れた杖すらも所有権が移るってのが
なんかいまいちしっくりこなくてねぇ…
どうしても納得ができない…^^;
でもその設定じゃないとハリーが真のニワトコの杖の所有者には
なれない訳だから、仕方ないのだけど…
設定をもうちょい分かりやすくしてほしかったわ…

ジェームズの家系が今まで全然語られてこなかったのは
イグノタスの子孫というのを隠す為だったのね~。
最後の子孫…という事なので、透明マントを譲り受けたハリー以外
今はもう誰も血筋の人はいないのかもしれない。

前回の感想で書いたスネイプ先生ですが、
やっぱりジョージの耳を削いだのは事故だったみたいね。
全力でホグワーツの生徒を守っていたようですし、
本当に孤独な戦いをやってのけてたんだなぁ…と。
ただリリー以外の事は全く興味なさそうなので
ハリーを守ったのも、リリーが守った者であるからで、
ハリーがリリーの息子である事は全く興味なさそうだった…w
むしろジェームズに似すぎてるが為に憎しみの対象っぽいし。
もしこれがリリー似だったりしたらまた態度違ったんだろうな…

この巻はスネイプの物語でもあるんだけど
今読むとめっちゃストーカーに近い重い愛だなぁ、って思う^^;
当時はリリーが注意していた事には耳を貸さず
決定的ひと言で離別してしまう事になるので
もっと早くに全力で愛していればまた別の未来があったろうに…
恐らくここまで愛すことになったのはリリーが死んでからではないかなぁ…?
自分のせいでずっと好意を持っていたリリーが殺されてしまい、
愛とか罪悪感とか後悔とか償いとか
そういったものが全部ごちゃまぜになってる気がする。
見た感じ全く愛という概念とは対極にいるようなスネイプ先生が
実は作中一番愛に生きていたギャップが良いんだろうなぁ…

しかし、ダンブルドアのスネイプの扱いが割とひどいと思うのは私だけだろうか?
自分を殺させ、自分は思い通り安らかに死ねた訳ですが
スネイプは作中一番残酷ではないかと思うくらい残酷な死に方だし。
まぁ、その危険は本人も納得済みだったろうけど…
ただ、ダンブルドアは全くの善の人という訳ではなかったので
そういう面もさらけ出せるスネイプといる時が気楽だったのかもなぁとも思う。
わがままも、無理難題もスネイプにだったら頼めると。
元死喰い人なので扱いが雑、ってのもあるんだろうけど、
やっぱり一番は信頼をしているからってのがあるのだろうね。
でももうちょっとスネイプの事も考えてあげて下さい…

ハリー自身が実は分霊箱のひとつで、死なないといけないという事を
スネイプは最後の力を振り絞って記憶を取り出す訳ですが、
一番良いシーンの『僕を見てくれ』が
毎回記憶を見て真実の自分を知って、って読み違えちゃって
あ~、違うわ、リリーの目で見つめてって事だわ…ってなるので
もうちょっと訳し方をなんとかして欲しかったかも…
まぁ、なかなか良い表現が思い浮かばんけど…

ニワトコの杖の所有権の為に
ヴォルデモート卿に殺されてしまったスネイプでしたが
裏切りがばれた訳でもなく、相当評価が高いのに残酷に殺されてしまったので
つくづく、この人について行く人達は何を良しとしてるのかが理解できなかった。
純潔だけの魔法界って言っても、しくじったらたとえ純潔でも粛清される訳で、
そんなにヴォルデモート卿って魔法がすごいのかねぇ?
はむかって殺されるくらいなら、寄生して生き延びる可能性を上げたいって事なのかな?
ベラトリクスあたりは完全に崇拝してるっぽいけど。

アバーフォースとか、レイブンクローのティアラとか
前巻までにちょろっと登場してるけど、
まさかの重要事項に、分かるかーい!ってなりましたw
ロケットの事と言い、ほんとこういう伏線多すぎです。
でも最初から最後まで細かい話作ってるからこそできる技であって
いつか自分もやってみたいかもしれない…w

最後の戦いでバッタバッタと人が死に、フレッドが死んじゃったのはほんと悲しかった。
リーマスもトンクスもおまけみたいに死んじゃうし。
コリン・クリ―ビーなんて何も殺さんでもよかったのに…
リーマスが死んじゃったので、ハリー親世代全員死んじゃったね。
一人くらい生きてても良かったのになぁ…
屋敷しもべのクリーチャーがはっちゃけてたのは笑ったw

この話で一番成長したのではないかと思われるのはネビルだが
最初の落ちこぼれが嘘のように、率先してDAを率い、
ナギニ倒しちゃったりでほんと見違えるわ。
魔法が下手くそだったのって、お父さんの杖を使ってたからじゃないのか?
と勝手に思ったりしてます。新しい杖に変えた事で
自分に合った杖に巡り合えたんじゃないかなぁ?

自分が分霊箱である事を知ったハリーは自ら死にに行く訳ですが
結局ダンブルドアはヴォルデモート卿の中にハリーの分霊箱と同様のものがあるから
ハリーは死なないって計算だったって事ですよね?
それ別にスネイプに教えてもええやん…
ダンブルドアは確かに秘密主義過ぎる気がするわ…
これ、たまたまスネイプの記憶のぞいたから良かったけど
下手したらこの情報本人まで伝わらんかったで…
しかし、スネイプはこの情報を伝える為に
なんとかヴォルデモート卿の所からハリーの所へ向かおとしてたんだなぁ…
殺される前に逃げる事も出来たろうに…
みんなからは裏切りものと思われ、ただリリーの為だけに
与えられた役割をこなし、無残に死んでいったスネイプ先生は
ほんとなんという悲しい存在だろうかと思うわ。
最後ハリーが真実をみんなの前で語ってくれたことで
なんとか救いがあったかなぁ…

それまでの流れが相当長いので、
実際ハリーとヴォルデモート卿が対峙して戦うシーンは
めっちゃあっけなくて、え、これで終わり?って思ってしまった。
死喰い人の中では家族全員助かったマルフォ一家は
愛すべき小物であり、最終的に誰にも相手にされてなくて笑ったw
でもドラコは根は多分いいやつなので、死ななくて良かったよ。

19年後、ハリーの子供たちは全員死んだ人の名前つけられてて
なんか余計な重荷背負わすのやめぇや…って思ったわ。
ルーマスとトンクスの息子も、トンクスの亡き父であるテッドって名前もらってるし
外国って割とこういうの多いのかな?
ハリーがテッドの名付け親になってくれってあったけど、
すでに名前付いてるやんけ…って思って調べたら
後継人とか、親代わりとかの意味みたいですね。
ずっとシリウスがハリーの名前付けたと思ってたやんけ!
今更知った真実であった…^^;

さて、長々と感想を書いてしまいましたが
本当に面白かった!
特に最終巻は上下巻とも面白すぎてやめられなくて
あっという間に読んでしまった…
ちょっとまだ読んでいたい気分…
まだ映画が残ってるので、こちらを楽しみにしたいと思う。
そして続編の呪いの子は、当時は台本形式に抵抗があって
手を出さなかったけど、まだ熱冷めやらぬ今こそ
読んでみようと思います。

以上、雑多ですみません^^;
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