カタスミ

『兎の眼』灰谷健次郎著

カバーがかわいくて
完全にジャケ買いというやつですが
結構面白かったです。
以下ネタバレあり。



















小谷先生という若い新任の女性教師と
1年生クラスの全然話さない男の子鉄三の交流を中心に
小学校での問題を先生達が解決する為奮闘する話。
結構前の話なので時代背景は大変古いが
心温まるエピソードが多く、小谷先生の頑張りぶりがすごく良くて
なかなかに面白く読めました。

ただ1点残念なのは、反日的…というか自虐史観と捉えられるような表現があって
うん、著者は左翼なの…?って思ってしまいました。
まぁ、バクじいさんの経験としての描写なのでありえない話ではなく、
前に読んだジェノサイドほどドン引きはしませんでしたけど。
特にこの時代だと、こっちの考えの方が主流なのかもなぁ。
ギリギリ許せる範疇かと。

鉄三はハエにしか興味が無く、
ただハエのことになると学習能力がぐんとアップするので
若い女性の小谷先生はきついと思うが
ずっとハエ研究に力添えするのはほんと偉いと思うわ。
私は虫が嫌いだから絶対無理だw
他の生徒達もみんな優しい子達ばかりで
小谷学級はとても良いクラスだった。
一番の敵は大人、ということになるのだが
いろいろな問題があるからいろいろな意見があるのも仕方ないね、とは思う。
それぞれの立場を考えた上で答えを出さないといけないから難しいなぁ。

差別、とかその辺がテーマなんだろうけど
重いテーマの割に、登場人物が温かくて
物語としても面白く読むことが出来ました。
星は4つ。
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