カタスミ

『百貨の魔法』村山早紀著

願い事を叶えてくれる子猫がいるという
百貨店のお話。以下ネタバレあり。
























多分これ児童向けなのかな?
非常にきれいなお話ではあるのですが
汚れきった大人の私には
ちょっときれいすぎるかなぁ…
登場人物が全員優等生みたいな人達ばかりで
自分の職場を愛し、職種に誇りを持ち、
会社の為に文句も言わず働いているのですが
いやぁ…まぁ、従業員の中に1人や2人くらいは
そういう人いるかもしれんけど
全員が全員そんな人達ばかりってんなあほな。
会社なんてどっちかっていうと
呪詛を吐き散らす対象になると思うんだけど…(え、私だけ?)
従業員はお客様の為に自分の仕事を全うし、
お客様は従業員に感謝し、百貨店を第二の家のように思う…
まるでクレーマーなどいないかのように…
無茶な仕事振られて愚痴吐く社員なんていない…
百貨店の汚い部分に全部蓋をして
きれいな部分がさも全てと言うかのように
全面に押し出されるのがどうにも違和感…

後、自分の事捨てた母親とか
浮気して離婚した父親とか
そこに悲しいという感情はあるんだけど
恨み辛みってのが一切ないのなぁ…
自分の事捨てた母親と再会した息子が
なんのためらいもなく一緒に住むの
めっちゃ違和感なんだよなぁ…
せめて母親がなんで突然失踪したのか
詳しい事聞いて欲しかったわ…
これ、男絡みで失踪して捨てられたとかだったら目も当てられない…

各章で主人公が変わるのは良い点でした。
最初のエレベーターガールの話がいまいちだったので
ずっとこの子の話が続いたらどうしようかと思った(笑)
読んでいて思ったんだけど、エレベーターガールとか
外国の楽団の女性とか宝飾フロアのおっちゃんとかコンシェルジュの女性とか
なんか親に捨てられた人達多過ぎん?^^;
魔法の子猫の描写も、現実的ではなく
夢の世界というか、魔法みたいというか、あまりにも子供っぽいので、
もうちょいなんとかならんかったのかと…
やっぱこれ児童向けなんだよなぁ、きっと…

とにかくですね、子供には安心して読ませられると思いますが
汚れきった大人にはちょっと眩しすぎて綺麗すぎて
なかなかすんなり受け入れるのが難しいお話ではありました。
会社に常に呪詛を吐いている私にとって
こんな会社大好き、仕事大好きな人達の事
共感出来る訳がないんですわ…(笑)
星は3つ。
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