シノハユ the dawn of age 感想

第10話　はやり③


本編

　お菓子が焼き上がると、つい真深が喜ぶかどうか考えてしまうはやりん。



　しかし、真深は既に島根から東京の病院へと移ってしまったらしい。
　おまけに、はやりんは連絡先を聞き損ね、会うどころか話をする事も出来ない状態になっていた。


　そんなある日の夕食時。



「あ そーだそーだ クリームソーダ」



　……久々に聞いたな、このフレーズ。

　どうやら、はやりん母はこの手の駄洒落が大好きらしい。
　そんな母に対し、はやりんは無言と呆れ顔を返事とするが、はやりん母はどこ吹く風。

　それはさておき、



　はやりん母が思い出したのは、はやりん宛に届いた封筒の事だった。
　その封筒は真深からのもので、中にはメールアドレスが書かれた紙、そしてライブのチケットが。



　それを見たはやりんは、まふふのライブに行きたいと母に言う。
　だが、ライブが行われるのが東京とあって、当然ながら二つ返事での許可は出ない。



「あなた 小２でしょーに」

　それでも、はやりん母は理解ある人で、はやりんが一人で東京に行くのを認めてくれた。
　ちなみに、はやりんの祖母はシンガポールへ旅行に行っているそうだ。
　この前まで入院してたのに本当に元気だな、あのおばーちゃん。






　ライブに行けると決まり、はやりんはお菓子の写真を添えて真深へと連絡。
　そのお菓子が、明らかにまふふの髪飾りを模しているところが良いね。




　ライブ当日。



　母に見送られ、はやりんは一人で東京へ。

　……と思ったら、



　はやりん母は、高橋さんに秘密の付き添いを頼んでいた様だ。
　頑張るという娘の気持ちを尊重しつつ、念のための準備も怠らないだなんて、良いお母さんだなぁ。


　トラブルもなく、はやりんは無事にライブ会場へと到着。
　そして、はやりんに気付かれず、はやりんを見失わず、ここまで見守り続けた高橋さんは結構凄い。
　なお、東京々々と言って来たが、正確なライブ会場は横浜だったりする。




　ライブ会場に入ったはやりんは、まふふのマネージャーに連れられ控え室へ。



　そこで、はやりんは真深と再会。
　マネージャーがはやりんを「愛弟子」と呼んでいるのが良いね。

　一見したところ、真深は元気そうな様子。



　しかし、聡明なはやりんは、そこに置かれたベッドに漠然とした不安を抱く。
　そういえば、はやりんは真深の病気のこと、どこまで理解しているんだろう？
　読者視点では「抗癌剤」というセリフで癌だと分かっているけど、さすがに小２だと難しいか？


　でも、不安がるはやりんの頭に手を乗せ、真深はこう口にする。



「はやりちゃん」



「楽しんでってね
　私」



「ちょーがんばるから！」

　お～、このまふふカッケー。
　「ちょー」という言い方は姉帯さんを彷彿させられるけど、この時代にはまだ生まれてないか。


　病気の身でありながら、皆を楽しませ、元気にするために頑張る真深。
　その在り方に、はやりんは改めて憧れを抱く。

「すごい――
　私も――」



「私もこんな人になりたい――」

　はやりんがそう強く願ったところで次回に続く。

　まふふはこれが引退ライブだったりするのかなぁ？
　それとも、まだ闘病しながら、活動を続けるのだろうか？
　いずれにしても、今回も死ななくて良かった。

　そういや、ふと思い出したんだけど、慕が母と住んでいたのも横浜だっけ？
　この「はやり編」の中に、慕母失踪の真相に繋がるヒントが伏線としてあったら面白いな。






『咲日和』休載



　今号のBGは『咲日和』が休載だった。
　『咲日和』は、１話掲載される度に『咲-Saki-』ワールドが横に広がるので楽しみなのだが、休載とは残念。
　まぁ、掲載するために掲載するくらいなら、休載して話を練ってくれる方が僕的には嬉しいけどね。