手づくりオーディオで聴く JAZZ

1960年代の後半、BEATLESがまだ現役だった頃に、初めてアンプを作った。ときどき火がつく。

No.128もどきに挑戦 その1

2010年11月02日 00時35分59秒 | PC_Audio
 今回のバッテリー式、EQアンプ、フラットアンプは、久しぶりに 興奮と
いうか、作ってみたくなるものだった。
そこで、取り上げられた 石のプリへのAOCの導入が評判で、かのkontonさんが、精力的に解析、そして実際に回路に反映されている。
で、その中でも私が惹かれたのは、古のNo.128プリアンプ(改)
  ---といえばいいのか、本家のオリジナルからすると別物の回路になっている---- だ。
記事が発表されたときは、すぐに飛びついた。が、それは、初期の金田式からすると、作り手に、それなりの経験とスキルが必要とされるアンプだった。
そのシンプルさもあり、すぐに基板は出来た。が、電源を入れたら、終段の
2SC960の近辺から煙が出た。要するに、石の選別もせずに、回路どうりの
抵抗値を使い、初段の電流値を規定値にするというような、今では普通にやっている手順を知らずに挫折した。
その後、Niftyの「半田コテ」forumだったか、M-NAOさん達のアドバイスを受けたりしたが、ついに完成することはなかった。
 という苦い思い出のあるアンプだ。
そういうこともあり、kontonさんの評価も高いので、回路はVer6を拝借して
再挑戦することにした。
パーツは一部の抵抗が揃わなかったが、9割方は手持ちがあった。
穴あき基板を使うことも考えたが、後で石の交換とかするに決まっているので
プリント基板を起こすことにした。
 それが、先週末のことで、なんとか、日曜日には、メインとなる基板が
できた。
 ということで、昨夜は5割くらいの進捗だった。
今夜は、主なパーツを基板にハンダ付けした。
 手持ちの、2SC1400, V2Aコンデンサ、2SC984など、総動員する予定だ。
これが、期待どおりの音を出してくれると、もう暫くはEQアンプ作りは
不要になるかも知れない。
 


金田式 真空管フラットアンプ VS バッテリー駆動

2010年10月22日 20時56分11秒 | PC_Audio
 WE396Aの代わりに、WE407を使ったフラットアンプ部の入力にVRを
入れて、バッテリー駆動のEQアンプと比較試聴をしてみた。
まづ、WE407フラットアンプで音出し。メインアンプの前には切り替え用の
スイッチBOXを入れてある。WE407の出力は、コンデンサで直流は切ってある。
当然のことながら先に電源を入れて暖めておく。Powerアンプの電源を入れ、
おもむろにSWをWE407側に切り替えた。「バチッ」という音がSPから出た。
「なぜ?」、今まで長いこと、EQアンプの後に置いて使ってきていたのに。
と思ったが、よく考えてみると、少々、結線が変わったのだった。
EQアンプとしての構成は、WE408AのEQ部の出力を、0.2μFのマイカコンを
通してダイレクトにWE407側に渡していた。そして、音量調整は、フラット・
アンプの出力側に入れたVRで調整していたのだった。なので、通常は、電源を
入れたときは、VRを絞っていることが多いのと、VRが10KΩと低い値なので、大抵の場合ショック音は出ないと思われる。が、今回は、そうはなっていないので、DCカットのコンデンサにドリフトの電圧で充電され、
それが、パワーアンプの通電時に瞬間的に放電し、ショック音が出るのだと思われる。
 Powerアンプには、安全回路が入ってないので、こういうときが困る。
ま、一瞬、アンプに入れたアイドリング観察用の電流計が派手に振れるが
なんとか、耐えられる範囲みたいだ。フルスケールで2Aで、振り切れては
いないので、大丈夫だろう。

で、CDをかけて聴いてみる。このところ、石のアンプばかり聴いてきたので、
ちょっと違う感じに聴こえる。包み込むような音場感だが、大味な感じが
しないでもない。
 
一方の、電池式の方は、奥行き感があり、カチッとした音場か。

ついでに、SATRI-ICのラインアンプを聴いてみた。
これは、音が前に出てくる感じだ。音は、少し音像が膨らむ感じだが、
それ程、悪くはない。

 ということで、それぞれ いいところもありで、好みと聴く音楽によるように思える。私は、あまりオーケストラを聴かないので、他の人たちとは
違った感想になっているかも知れない。


金田式 真空管フラットアンプ

2010年10月17日 15時18分43秒 | PC_Audio
 さて、今回のバッテリー化による EQアンプは、真空管式DCプリに
劣らない結果がでた。残留ノイズのこと、スペースファクタを考えると
全体的に、こちらが常用には向いていると思えてきた。
 オールWE球による音色には、捨て難いものがあるが、いつかはバラック状態を解消して、ちゃんと組み上げるつもりが取り掛かってから数年も経ってしま
た。ということで、一つの結論が出そうだ。
EQアンプとしては、WE球の特徴が残せそうな ハイブリッドEQ+AOCが良さそうな気がしてきた。せっかく、集めたWEの球なので、403Bをフルに使い、
フラットアンプ部は、1ch辺り4本というのは、どうだろう。
403Bを三結として使うのだ。
これを作れば、当分はEQアンプで悩むことはなくなりそうだ。

 で、その前に、今日は、バッテリー使用のラインアンプをWE球のフラット
アンプ部と比較してみようと思う。

金田式 DCラインアンプ 

2010年10月12日 00時26分41秒 | PC_Audio
この3連休で、なんとか No.210もどきの Lineアンプを試作することが
できた。と言っても、ほんの少し前に音出しまで辿り着いた状況ですが、、。
 以前、試作したMCヘッドアンプのときに使った小さいアルミシャーシが
あったので、それを流用した。

<<全体>>



電源がないというは、実にスペースをとらない。
AC電源にまつわるハムの心配もない。ただし、電源の管理が少々、
面倒か。
 私は、Lineアンプの類は、電源を入れっぱなしにすることが多いので。
さすがに、狭くて、かつ いよいよ手持ちのVRもなくて、適当な4連式の
VRしかなかったので、それを使った。5KΩだ。

回路としては、純正金田式とは違って、非反転アンプだ。
利得は、約8倍。8.2k と 1k の抵抗を使っている。
入力側にその5KΩのVRを入れている。出力はC(2μF)で切っている。
 終段に使う A606の手持ちが少ないので、別の石でということで
試してみた。

<< 2SA81 8使用 >>



幸い、発振もせずに、うまく使えた。音の違いは、私にはわからず。

<<どうやら 発振 A1358>>

もう片方の基板には、最初、適当に 2SA1358という石を繋いでみた。
電源を入れるとメインアンプのアイドリング監視のフルスケール2Aの
電流計が振り切れた。通常のアイドリングは0.2Aだ。
保護回路が入っていないので、FUSE頼みだ。幸い、石は飛んでない。
どうやら発振らしい。負帰還の抵抗に43pFのコンデンサを抱かせたら
止まった。

が、まずい感じなので、本来の A607を付けた。

<< 2SA607使用 >>



これで両chとも なんとかOKな感じ。

で、音出し。
何とか無難な音が出ている。

そうそう、今回は、最後の出番だと思い 2段目には、2SA726Gを
使ってみた。もう使う機会もないだろう。12-13個あり、Hfeが揃ったのが
なんとか3組取れたので、使った。
その後の石も2SC1775Aだ。 2SC2240でも良かったのだけど。
 これは、たぶん30年ほど前に買った石だ。

抵抗は、適当なのがないときは、手持ちを使った。
ということで、かなり金田式から かけ離れているかもしれない。

その音の方だけども、手持ちのSATRI-ICのと、切り替えて
聴いてみた。
 
残念ながら、あまり違いを感じられなかった。ガッカリ。
 贔屓目に見ると、金田式の方が、輪郭が少しくっきりして
いる感じかな。
SATRIの方は、音が柔らかく聴こえた。

ま、適当なカップリングコンデンサをかませての音なく、
「純金田式」ではないので、こんなものかも知れない。
少々、疲れました。






金田式 DCプリ No.210 AOCを追加 その2

2010年10月07日 23時55分04秒 | PC_Audio
やっと、バラック状態で 動作中。



 昨夜の症状を解決するには、ちゃんと動作の仕組みを理解
しなくてはと、MJに登場したときの記事を読み直してみた。
要するに電流吸い込み型の回路というのを改めて納得。
netでM-NAOさん、konotonさんなどの先達のHPを読み直した。
いつもながら調整のコツがわかる。
AOCを付けない状態で、音がちゃんと出る状態まで電流を
流しておく(8-10mA)。そして出力電圧が100mV程度だ。
それ以上、追い込むのはむづかしい。瞬間的にはできるが
すぐにズレる。でも、これは、以前からこの手の回路では普通なので
心配はいらない。1Vくらいのドリフトでも、ちゃんと音は出る。
これにAOCを付けると、AOC回路の差動回路の石の特性がぴったり
合っていると、EQ部に流れる電流は、減ってしまう。
AOCに吸い込まれるからだ。ということで、2段目のA872のエミッタ側に
入っている電流調整用の抵抗を小さくしなくてはならない。
 実際には、AOCの差動回路は誤差があるので、吸い込まれる電流が
ズレるみたいだ。それを無理してEQ初段の半VRで調整すると、EQ部の
バランスが崩れて音が出なくなる。
 そこで、AOC側の石(K170)のソース側の抵抗を大きくしてみた。
180Ω => 220Ωへ。そして、ソース側に半VR(50Ω)を入れた。
 が、それでも、少しは改善されたが、やっぱりEQの出力に0.4Vくらい
出る状態でないと、EQ部がうまく動作しない。
で、AOCのK170を左右入れ替えた。少し改善された感じ。
更に、EQ部のA872を左右入れ替えた。
 これで、なんとか 出力のドリフトを0.5mVまで追い込めるように
なった。AOC側にも半VRを入れたので、調整はやり易い。
 で、現在、デジタルテスタで 0.1mVまで追い込めた。

この1週間ほど、毎晩、最近の私にしては、根をつめてやったものだ。
 中本マリのレコードを聴くと、渡辺香津美の弾くギターの弦への
タッチなど、とても良く聴こえる。
片方のチャネルには、EQ部の出力側にV2Aが繋がっているが、
このカップリングコンデンサを省略できるということより、
どうもAOC回路が追加されていることが、私の耳では音の改善に
つながっているように思える。
 いづれにしても、このバッテリーを使った EQ + フラットアンプの
音は、最近のヒット作かもしれない。
 
 静寂の空間から 音が立ち上がってくる感じが良く出ていて
Jazz Trioの演奏などには、とても合っている。
週末には、もう少しましな シャーシに納めなくては。