デパスという名前で急速に拡まっていった薬がある。イタリア、韓国、日本ではポピュラーな薬だそうで、使用用途は抗うつに留まらず、肩こりや筋肉痛にも処方されているそうだ。
斯くいう私は、そのジェネリック薬であるエチゾラムを服用していた。その薬の成分名が薬剤の名前になったものだと思っている。
それからの脱出をテーマにブログを書くことは、ワン・イシューなので、扱いやすいと思った。また、ネット上には参考文献はあれど、自身の持つ症状を述べるものがない。
ならば書いてみようと思った。
斯くしてエチゾラムを断薬して2週間。
自身を見まったのは、かつて味わったことのないものであった。
まずは離脱。簡単に言えば夢の中にいるような気分になること。ただし、向き合うのは間違いなく現実。リアルな世界との対峙である。
五感のうち、なぜか嗅覚のみは健全で、他は一歩(かどうかは分からない)不測している。そんな不完全で世界を見る。もちろん異状だ。
それらは、ロスト・コントロールへの不安を呼び起こす。五感のうちの四つが芳しくない。それに伴って奇異な行動をしてしまわないか。
こういう場合、急激な変化に対峙することを想像して悶えてしまう。五体満足な自分が急に手足を失ってしまったような変化。
現実には無論起こる可能性は低い。手が徐々に感覚や機能を失っていくことはあるだろうが、あくまで徐々にである。1日や2日で起こり得ることではない。
それらに恐怖すること。
それは、想像以上に辛いことだ。
私は、配偶者に伝えることにした。
「現在のところこんな感じ」なので「次に起こるのは、〜が考えられる」ので、正常を保つ手伝いをして欲しい。
それを頼んだら少し落ち着いてきた。