「貴方のお部屋に異空間」本格稼働です。これからMarchel出品作の紹介をはじめ、幾つかのテーマに添いblogを綴っていきますのでよろしくお願いします。看板に使っている画像は、原宿駅を出たところの表参道を、かつて手前の交差点にあった歩道橋の上から撮影した画像です。(歩道橋がない現在ではこの角度からは撮れません。)
原宿駅は通勤でよく利用していましたので、この歩道橋の上から見た景色は好きでした。そこは知る人ぞ知る渋谷の観光名所の1つ。人出の多い土日などにこの歩道橋に上ると、「シャッター押して」と頼まれることもしばしば。いつも若い女性がすずめのようにとまって携帯で写真を撮っていました。外国人も大勢来ていたように思います。
商工観光課で仕事でもお世話になった渋谷生まれの写真家 佐藤豊先生が「街の写真は少し高い位置から撮ると奇麗なんだ」と教えてくれたことを思い出します。先生は助手に脚立を持たせて撮影に回ったり、渋谷の交差点であおむけに寝て魚眼レンズで空を撮影し、周囲のビルが外周部に見えるようなかっこいい写真も撮影しています。先生の言葉は重い。「少し高いところから撮影した街は美しい」というのは小生も同感です。
こんな素敵な歩道橋だったのですが、怪しい雲行きにさらされるようになります。「高齢者や障害者は階段を登れないし、歩道橋なんてバリアフリーの考え方になじまない」「老朽化が激しい」「歴史的使命は終わった」また、近所の商店会からも撤去の要請が寄せられていたとのことです。
なんか変ですね。歩道橋が高齢者や障害者の邪魔をしているわけではないし、高齢者や障害者のための設備は歩道橋とは別に考えればいい。それに設置されたのは高度経済成長期の1960年代とはいえまだまだ使える。老朽化は方便ではないか。歴史的使命は何をもって「終わった」というのか。今も果たしているのに、などといろいろ反論を考えてしまいます。
小生は絵を描く人なので、あの歩道橋は、「単にベージュ色が若干目障りだった」ためにいろいろ言われたんじゃないだろうか・・・・と考えてしまいます。本体がベージュ、手すりが水色だった。これがこげ茶色だったら目立たず、何も言われなかったのでは。
結局歩道橋は2014.01.26に取り壊されました。苦言を言っていた人は、文字通り、「歩道橋の立場に立って」ものを考えたことがあるのかな?当時小生はそんなふうに考えたものです。
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