ケイの闘病や介護録

病気の記録や家族の介護の記録など

オイシクナイ兄はいらないらしい 15

2022年03月13日 | 兄の介護

施設が病院のケースワーカーさんからの退院調整の電話を

拒否したので夫と二人で施設に出向きました。

いつもの例の看護師さんが入り口の事務所にいて

目が合いましたが職員さんを呼びつけました。

今まで一度も入った事のない会議室に案内されドアを開けたと同時に

状況は手に取るように分かりました。

兄の荷物がひとまとめにされていましたから

出て行けと言う事でしょう。

 

職員さんは一方的にあれこれと対応出来ない理由を並べ立てていましたが

要は、オイシイ時の兄は欲しいけれど

支援区分認定相応の状態になったオイシクナイ兄は

いらないと言いたいのです。

余りにも見え透いた言い訳で途中からは聞き流してしまいました。

記憶に残っているのは「お兄さんは歩行が不安定なので一階の部屋しか

ダメだけど一階は他の人も使うし・・」と言われた事ですが

兄の部屋は最初から一階でしたけど。(^^;

 

これから手が掛かりそうな兄には

さっさと出て行ってもらいたいと言うことでしょうから

私達はあっさりと「お世話になりました」と挨拶をして

荷物を持って出て行きました。

 

それにしても毎回、出張っていた例の看護師さん

こう言う時には出てこないんだーって呆れました。

兄の行先は決まっていないけれど

施設の対応には今まで腹立たしい事が何度もあったので

縁が切れてせいせいした気持ちにもなりました。

 


尿が出ず入院 14

2022年03月12日 | 兄の介護

ショートステイのロングから入所へ移行と言われ

ショート利用を開始して一ヶ月が経った頃

施設から「昨夜から歩けなくなった」と電話があり

夫と二人で施設に行きました。

玄関先に車椅子に乗った兄と例の看護師さんがおり

「急に歩けなくなったんです。 何だかお腹もフニャフニャしてて・・」

そう言いながらズボンと紙パンツを少し下げて

兄のお腹を押さえて見せる。

波を打つように動き、明らかにおかしい。

で、夫と私で兄を病院に連れて行くと入院となる。

原因は尿が出ていなかったのです。

あと半日遅れていたら危険でした。

 

尿が出なくなった原因は結局分からずじまい。

しばらくバルーンカテーテル(尿を出す管)を入れていましたが

徐々にリハビリも開始され歩行訓練も始まりました。

ベッドからの立ち座りから

脇から抱え込む大きな歩行器での歩行訓練へ

そして、手で押し歩くタイプの小さな歩行器での歩行訓練

退院の目途が立った頃には手すりがあれば歩けるまでに回復しました。

入院から3か月くらいだったと思います。

退院が決まればバルーンカテーテルを完全に外すとの事。

 

入院時、病院のケースワーカーさんが逐一

兄の状況を施設の看護師さんに報告して下さっていました。

退院の目途が立ったのでケースワーカーさんが

施設に退院日の調整の為に電話をすると急に態度が変わり

「そんな話は家族にして下さい。こちらにされても困ります。」

と言われたそうです。

ケースワーカーさんは「普通は施設と病院とで調整するのが当たり前なんです。

今までの状況報告は聞いていたくせに突然のあの態度には驚きました。

こんな施設は初めてです」と憤慨されていました。

 

嫌な予感がしながら、私が施設に行きました。


障がい福祉施設入所を決断 13

2022年03月11日 | 兄の介護

兄が障がい福祉サービスを利用するになって6年が過ぎた頃

誤嚥性肺炎を起こすようになりました。

長い間、強い薬を飲み続けている為に嚥下の力が徐々に低下して来たようです。

肺炎は軽くて微熱程度、食欲も落ちず一見いつもと変わらないくらいでしたが

兄の体は衰えて来た様子。

障がい福祉も65才で介護保険に切り替わります。

兄は当時61才で介護保険を利用できる65才までには先が長く

それまで在宅介護が出来るかどうか難しい状態でした。

これ以上、体の状態がレベルダウンする前に障がい福祉施設の入所を

決断しないと受け入れてもらえなくなる恐れがありました。

夫と二人でよく話し合い入所申し込みを決断。

夫にはとても辛い決断だったと思います。

 

当然、兄の大好きな高台にある施設に相談しましたが

長い間、入所待ちをしている方が何人もおられて

兄には望みがありませんでした。

止むを得ず、兄の事を「美味しい人」と言った施設に相談。

ショートステイをロングで利用し入所へ移行するとの提案に

承諾しお願いしました。

兄には「しばらくお泊りが続くけど土曜日の日中は家で過ごすから」

と説明しショートステイが開始。

 

さっそく例の看護師さんが出て来ました。

兄の食事形態についてです。

・嚥下が悪いのでミキサー食にします。

・ミキサー食はかえってむせたりするのでキザミにします。

・キザミはまとまりが悪いのでトロミを付けたいので

 トロミ剤を買って来て下さい。

何度も何度も呼びつけられました。

兄は入所の数日前まで家では私達と同じ食事を

食べていたのですけどね。(^^;

 

そうしているうちに兄が入院する事になってしまいました。


食べるのが遅い問題 12

2022年03月10日 | 兄の介護

・兄の週2回の生活介護(デイサービス)・・ヘルパーさんの送り出し付き

・週2回の居宅介護(ヘルパーさん)での自宅入浴

・毎月の一泊二日と二泊三日のショートステイ

この支援で安定してホッとした頃、またまた問題が発生。(^^;

 

生活介護(デイサービス)から

兄が昼食を食べるのが遅いと言われ続ける・・・

連絡帳にも毎回「今日は30分もかかりました」「今日は40分もかかりました」

送りの時にも職員さんから「食事を食べるのが遅くて・・」と夫が何度も言われました。

たまり兼ねた夫は「食事介助に行きましょうか」と言ったそうですが

「いえいえ、そんな事・・」とおっしゃる。

家族にどうしろ言うのか全くわかりません。

私は家族から ”時間が来たら取り上げて終わりにして下さいとでも

言ってもらいたいのかしら” と思ったりもしたのですが

それなら黙って勝手にやれば済む事だし、すでにやられたりして (^^;

「あなた達のお兄さんはこんなに手が掛かるのよ」と言いだけなのか

何が何だか理解できませんでした。

 

そう言えば、お山のショートステイは二泊三日ですから7回も食事を摂ります。

送って行った時に職員さんに

「食べるのが遅くてご迷惑をおかけしてすみません」と言うと

「遅い人は他にもいますし、何人かは皆より少し早めに食べ始めてもらっているので

問題ないですよ」と、さらりと返事が返って来た。

そうだよね、対策はあるのよね、施設側の問題だよね!!

 

気分は悪いけれど、悲しいけれど、連絡帳の

何分かかった何分かかったのコメントは無視して相手にしない事に徹しました。

本当はお山の施設の生活介護(デイサービス)を利用したい所でしたが

遠くて我が家までの送迎が無理なのです。

夫も私も仕事があるし変更はできませんでした。


福祉心のある施設 11

2022年03月09日 | 兄の介護

ショートステイで発熱事件があってから夫と色々考えました。

兄は恐らく将来、施設で過ごす事になるだろう

それは、介護者である私達と歳が近いし

排泄介助が必要になったら自宅での介護は限界だろう

そう考えると、今利用している施設への入所は家族としては心配が多すぎる。

何処か他に信頼できる施設はないのだろうか?

しかし、いかんせん施設の数が少なすぎる。

介護保険の施設は沢山あるのに・・・

 

どうした物かと担当の相談支援専門員さんに相談しました。

「他のショートステイを探して見ましょう」と言って下さる。

そして後日「少し遠いですが見つかったので一緒に見学しませんか」と

お誘い頂き私が同行しました。

 

施設長さん自ら施設内を案内して下さって

生活介護(デイサービス)やショートステイ利用中に行う作業も見せてもらいました。

もちろん入所されている方も参加されていました。

機織りをする人・糸巻をする人

リサイクルの為の段ボールについているテープや紙を剥がす人

牛乳パックで紙すきをする為にパックを小さく契る人

色んな作業が沢山ありました。

一番驚いたのは絵を書いている人達がいた事です。

水彩画や油絵、ちぎり絵など色々な作品に取りかかっていました。

個展を開いたり売ったりするそうで、かなりの金額になるとの事。

施設にお金が入る訳ではなくて作家個人の収入だそうです。

絵の先生もボランティアで長く関わっておられると話していました。

 

どの作業も皆さん、楽しそうに参加されていました。

施設内の移動中、職員さんは皆ニコニコと「こんにちは」と挨拶してくださいますし

職員さんの声につられるように入所者や利用者の方達も

「こんにちは」と大きな声で挨拶をしてくれました。

職員さんの多くが重度の方の手を引いて

常に一緒に行動しておられましたがその姿には愛情を感じました。

 

見学を終え、談話室で施設長さんと3人でお話をした時の事ですが

相談支援専門員さんが「素晴らしい施設ですね、私が入りたいくらいです」と言われ

思わず「私もです」と言いました。

運営についての話も出て、施設長さんが厳しいと話され

相談支援専門員さんが「うちの施設も大変です。

上手に儲けてどんどん新しい施設を建てている所もありますけど、

私達のように馬鹿正直だと難しいですね」と話が盛り上がっていました。

 

なるほどね、介護施設もそうだけど

福祉心のある施設は運営が厳しい・・・悲しいけれどそれが現実です。

 

そして、兄はここのショートステイも利用する様になりました。

しかも2泊3日での利用ができました。もちろん特別扱いではありません。

兄はここのショートステイが一番好きでした。

少し高台にあって「今日は山に行くんか」と楽しそうでした。

兄の作業は糸巻です。帰宅すると「今日は仕事で疲れた」と言いながらも

嬉しそうでした。

施設の食事も大好きで「うまいよ~」と喜んでいました。

 

職員さんの配慮が家族としてはとても嬉しかったです。

映画鑑賞をするのでお迎えを1時間遅くしてもらってもいいですか?

そうすれば最後まで見てもらえるので、お兄さんの好きな寅さんだし・・・とか

今日は作業が長引いて、おやつの時間が遅くなって・・・と

おやつを袋に入れて持たせて下さったり

お出かけでカラオケにも連れて行ってもらいました。

兄にとっては初カラオケです。

あぁ兄が楽しんでいた思い出はつきません。

取り留めもなく思い出を書き連ねましたが

兄にも家族にとっても有難い施設でした。

 

福祉心のある施設は儲からない、これは障がい福祉も介護保険も同じです。

悲しい事です。