8月17日の筑波山麓プチドライブ ～空と共に～

生前、息子が筑波山をこよなく愛していたことを思い出し、
少しでも筑波山の近くへと、仕事の帰りに平沢官衙遺跡に行こうと思いました。
遠回りなのですが、衝動的にそちらの方向へ車を走らせていました。

筑波山の麓、この辺は北条米と言ってとても美味しいお米が獲れるところです。
これだけあたり一面が田んぼだらけというのは、気持ち良いものです。



稲の穂もしっかりと実り、だいぶ頭を垂れてきています。
そのせいか周りの空気はもうお米の香りでいっぱいでした。
この緑もあと少しで色が変わってしまうでしょう。
でもそれはそれで、きっと美しい景色になると思います。



筑波山をずっと眺めながら、いろんな事を思い出していました。

普通なら思春期の男の子はあまり親とは接しなくなるというのに、
幸いにも息子との会話は絶え間なく、筑波山にも二人でよくドライブしたものです。
たぶん、一生分の会話と親孝行をしておいてくれたのだと思います。

でも、その楽しさがず～っと車の中の思い出となっていて、
助手席に息子が座らなくなってしまった数年間は、
筑波山を見ながら運転するのがとても辛くて、毎朝涙をこぼしながら出勤していました。
今は毎朝ではなくなりましたが、時々筑波山を見ていると無性に悲しくなることがあります。

筑波山はそんな私たち親子を、
そして一人になってしまった私をず～っと見守ってくれているように思うのです。

そんなことを思いながら、穏やかな風景の中を走らせているうちに気づいたら、迷子です！
方向音痴の私には珍しいことではないのですが、右も左も田んぼ。
前に進んでも田んぼ。後ろにバックしても田んぼ。
いったい平沢官衙遺跡はどこ！？

ちょっと真面目にどの方向か考えて走らなければ・・・。
（真面目運転探索モードにスイッチオン！）



なんとか北条大池にたどり着きました。
これでもう大丈夫。

池には蓮の花が・・・。
花の色がピンクばかりです。ここは、食用目的ではなく観賞用なのでしょう、
咲いていたらさぞ綺麗だと思いますが、夕方なので花は閉じてしまっていました。
ここからも遠くに筑波山が見えます。



平沢官衙遺跡も、夕方なので管理事務所は閉まっていて人はおりませんでした。
でもそれだけに静かな自然の大らかさを満喫できたような気がします。

この平沢官衙遺跡
奈良時代から平安時代にかけて造営された常陸国筑波郡の郡衙（役所）の一部で、
国の史跡となっているものです。




少しだけ近くを散策しました。



あぁ、陽が落ちちゃう・・・



あぁぁ～～沈むぅ～。


そうそう、夜は我が家に友人がお参りに来てくださるのでした。
こうして10年以上も毎年8月17日にはお花とお線香を・・・。

家族以外の人たちが今でも故人を忘れずにいてくださること、とてもうれしいです。
何よりの供養です。

だから、もう帰らないと・・・。
稲が黄金色になったら、よしくん一緒にまた来ましょう。


今日は、そんな命日でした。



お花、ありがとう！

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