香りのコンサート ～タイサンボク～

どこからか　良い香りに誘われて

あたりを見回し見つけた　大きな大きな白い花



木漏れ日の中


凛として咲く

蓮の花にも似たような









これはきっと

森の中に住む　貴婦人かもしれないと









下から見上げる　後ろ姿もまた美しく

白い香りを　やんわり風に乗せ

周りの緑と　調和する









スッと伸ばした　背筋から

仄かな色香は　音符になって

五線紙の上に　ノクターンの足跡残す　










やさしく始まる　次なる展開

香りを包み込んだ　白いふくらみは

やがて　新たなリズムと共に　開いてゆく










ゆっくりと　少しずつ

流れるメロディーに合わせて

産まれたての甘い香りが　流れ出し









鳥たちの　さえずりと共に

大きく開いた　花弁の奥からは


いっ気に　香りのシンフォニー









クライマックスを迎えた後には

梅雨空のオーディエンスから

感動の雨　降り注ぐ



そして



幕を下ろすように

静かに一枚ずつ散らす　大きな花弁








最後に残った　大きなしべは


花びらにも勝る

存在をアピールした　何かの象徴のよう　


*　*　*

タイサンボク（泰山木）



この花に初めて出会ったのは、
かれこれ10年も前の、爽やかな風ふく初夏のこと。





歩いていると、
どこからか甘く良い香りがするのですが、
木があまりにも大きすぎて、
普通の目線ではお花が咲いている事に気付けませんでした。

その場所を何度か通るたびに香っていて、
やはりこの木しかないなぁ・・・と、
上の方までいろんな角度で探してみたのです。





すると、前回の時には咲いていなかったところに、
人の顔の大きさと同じくらいの白い大きなお花を発見！





こんなに大きなお花は、今まで見たことがありませんでした。
その時の感動は、今でも忘れられません。

名前も知らない、初めてのお花。





生い茂った暗い色の地味な葉っぱの陰で、
ひと際目立って咲いている白いお花は、幻想的な感じがしました。

こんなにも対照的に咲いているお花に、
どうして今まで気づかなかったのかしらと不思議でしたね。





花言葉は
「前途洋々」「威厳」

うんうん、高い所でこれだけ堂々と咲いて良い香り。
そりゃぁ、前途洋々でしょう。

そして、
タイサンボクはマグノリアの香りだったのですね。
因みに、マグノリアというのは大きな花を意味するそうです。

有名な「ゲラン」や「ジバンシー」の香水にも配合されているそうです。


大きな木がある所で良い香りがしてきたら・・・、

もしかして、それはタイサンボクかもしれませんよ。
ちょっと上の方を探してみてください。





白くて大きなお花に会えるかも・・・。

―　26日のToday's sky　―

2015.6.26 朝　＠土浦市

「　雲の大移動　」

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