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小京都 岡山県真庭市勝山探訪、本物の暖簾は割れている!

2017年07月03日 | 匠の技
僕のお店で「暖簾(のれん)」はよく動くアイテムのひとつです。年間平均で1000枚位は売れています。

発売当初、周りの人に「家にのれん掛けてる?」と聞いても、カーテンならあるけど、のれんって何・・・という返事がほとんど。

いったい誰がどんな風に使っているのか、販売している当事者にもかかわらず疑問は膨らむばかり。

そこで、暖簾(のれん)の用途を調べてみると、インテリアのアクセントなど装飾以外に間仕切りや目隠し用で使われていて、100均で手に入るのれん棒さえあれば、カーテンに比べて安価で気軽に掛けられるのがポイントの模様です。

実際のところ、暖簾(のれん)には大きく分けて2つの意味があります。

お店の出入り口に宣伝用などのために掛ける屋号や商品名を記した布製の店の印

長年にわたる営業の継続によって商人が得る無形の経済的利益で、のれん分けと
いう言葉はここから生まれました。

本来の暖簾(のれん)の姿を見るため明石の職人さんに、のれんが軒先を彩る「のれんの町」として有名な勝山に見物に行ってもらいました。

岡山県真庭市勝山は、岡山初の町並み保存地区に選ばれた風情ある城下町です。











どの暖簾にも風情があり、手作り感たっぷり。

写真をよく見ていただければわかりますが、くぐるために割れているデザインが本格派の特徴、2割、3割と呼ぶようです。


半面、日本では中国で機械によって大量生産されているポリエステル素材ののれんが主流で、割れていないタイプが多く出回っています。

なぜかというと、この割る工程に手間とコストが掛かるからです。左右の長さを合わせるのは職人さんに言わせれば一苦労のようなのです。

また、送料込みで1200円程度で手に入るほど、値段が年々格安になってきました。
1つのデザインで2000枚くらい作ると仕入れ原価が数百円になり、それでも利益が出る構造です。

もちろん、手に取って良く見ると縫製面など値段なりですが遠目から見ればよくわからないので
これもありかな・・・という感じです。


僕自身、摩訶不思議によく売れる暖簾というものに対する探求心と愛着があり、これまでは仕入れ品でしたが、一念奮起して兵庫県の明石で布製品の工房「アトリエ河島」を作りました。





30年以上活躍するJUKI製ミシンを今もメンテナンスしながら大事に使っています。

綿など天然素材を使ってハンドメイドで丁寧に職人さんが制作、「のれんものがたり」というブランドを商標登録して2016年5月からコツコツ頑張って販売しています。



写真のような縁起物をモチーフに、2割で短い丈の紺色の暖簾が人気です。

ハンドメイド創作暖簾 青龍 縁起物 むら糸染め生地使用 3980円


正直なところ、この値段で売るのが限界ですが、認知度を高めるために我慢比べ中です。


おそらく写真の勝山の暖簾を制作した場合、最低でも20000円位かかると思いますが、それだけ手間暇かけていることです。

近い将来勝山に行って生地を分けてもらおうと真面目に考えています。


現在、のれんものがたりは海外向けにも販売していて、生産数が少ないために商品確保が必要で、アマゾン以外ではほとんど露出していません。


Amazon下記コーナーでご覧いただけますが、システム上、一部他社の製品も並んでいます。
リッチボーイAmazonショップ のれんものがたり



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