懐疑主義者との対話、サーリプッタ尊者の覚醒 中部74「ディーガナカ経」を読む|スマナサーラ長老のパーリ経典解説(03 Oct 2021 ゴータミー精舎)
相対主義、不可知論というのもある。
事実上懐疑主義と大差ないとおもう。
[感想]
懐疑主義で、できるのは自己防衛だ。
防衛能力だけは非常に強力だ。
しかし、
相手を説得することは、ほとんどできない。
それでも、懐疑主義は、ブッダの教えを除けば、理性的人間が危険を侵さずに持ちうる最良の思想だとおもう。
ただ、懐疑主義では、一神教の狂信的リピドーにちょっと太刀打ちできない。懐疑主義の鍵では一神教の閉じられた扉を開放し、説得することはできない。鍵がちっぽけすぎて合わないからだ。
さらに、懐疑主義の最も深刻な欠点は、
自分がずっと宙に浮いたままだということだ。
まともな人間は、身の置き場のないこの精神状態に長くは耐えられない。
懐疑主義サンジャヤ教団の高弟サーリプッタとモッガラーナが「およそ生起するものは、すべて滅する」というブッダの一言に接して、あっさりブッダサンガに鞍替えしたのは、このことを証明しているとおもう。
サティ
「瞬間の現在(今・ここ)」に気づくこと。
ヴィパッサナー実践
「瞬間の現在」に気づき続けること。